キープ (通貨)
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キープあるいはキップ (Kip) は、ラオスの通貨単位。ISOによる略称はLAK。2010年1月27日現在、1USドル=8,466キープ。補助通貨単位はアット (Att) で、1キープ=100アット。
1979年に行われたデノミネーションによって100旧キープが1新キープとなった。
現在流通している貨幣単位は、50,000、20,000、10,000、5,000、2,000、1,000、500、100、50、20、10、5、1である。但し硬貨は現在発行されていない。
国内経済がタイとの交易に依存していることからタイ・バーツ、更に国境を接する中国の人民元やUSドルが国内で日常的に流通している。
紙幣
紙幣は5 kip、10 kip、20 kip、50 kip、100 kip、500 kip、1000 kip、2000 kip、5000 kip、10000 kip、20000 kip、50000 kip。現在では主に500 kip紙幣以上が使用されている。
- 1 kip紙幣(薄青)
- 5 kip紙幣(薄緑)- 表:商店での商品販売の様子、裏:象による木材運搬の様子、1979年発行
- 10 kip紙幣(オリーブ色)- 表:木材の切り出しの様子、裏:病院医療・近代医学による手術、1979年発行
- 20 kip紙幣(薄赤)- 表:近代織機による繊維生産、裏:ラオス人民解放軍の戦車(T-55)と兵士、1979年発行
- 50 kip紙幣(薄赤)- 表:稲刈りの様子、裏:ダム施設、1979年発行
- 100 kip紙幣(濃緑)- 表:稲刈りの様子、裏:メコン川の友好橋と石油精製施設、1986年発行
- 500 kip紙幣(濃緑)- 表:近代灌漑施設、裏:果実の収穫の様子、1988年発行
- 1000 kip紙幣(濃緑)- 表:ラオ民族衣装の女性とタート・ルアン、裏:水牛の牧畜の様子、1998年新版発行
- 2000 kip紙幣(青/赤)- 表:カイソーン・ポムウィハーン ラオス人民革命党書記長とタート・ルアン、裏:セメント工場、1997年発行
- 5000 kip紙幣(こげ茶)- 表:カイソーン・ポムウィハーン ラオス人民革命党書記長とタート・ルアン、裏:近代穀物貯蔵施設、1997年発行
- 10000 kip紙幣(青)- 表:カイソーン・ポムウィハーン ラオス人民革命党書記長とタート・ルアン、裏:パクセー付近のメコン川にかかるパクセー橋、2002年発行
- 20000 kip紙幣(オレンジ)- 表:カイソーン・ポムウィハーン ラオス人民革命党書記長とタート・ルアン、2002年発行
- 50000 kip紙幣(赤)- 表:カイソーン・ポムウィハーン ラオス人民革命党]書記長とタート・ルアン、裏:国立図書館、2006年発行
歴史
第二次大戦中から戦後
- 1945年、仏領インドシナ連邦下のラオスは3月、日本軍の仏印処理によりラオス王国として独立したが、日本の敗戦により王国のラオス全土統一が機能せず、10月にはラーオ・イサラ(自由ラオス)勢力が新政権の樹立を宣言。この政権が10、20、50アット、1キープ紙幣を発行[1]。
- 1946年、フランス軍がラオスを再制圧、ラーオ・イサラ勢力がタイに亡命。ラオスはフランス連合下での独立国となる(正式には1949年より「ラオス王国」)。この時期、引き続きフランス領インドシナ・ピアストルが流通。発行はインドシナ銀行(Banque de L'Indochine)。1930年から1仏領インドシナ・ピアストル=10フランス・フランの固定レートだったが、1945年12月から1仏領インドシナ・ピアストル=17フランス・フランの為替レートに変更された。
- 1952年、「カンボジア・ラオス・ベトナム国立発券局(Institut d'Émission des États du Cambodge, du Laos et du Vietnam)」が仏領インドシナ・ピアストルとキープの両通貨(ピアストルとキープは等価)で紙幣を発行した。この時1、5、10、100ピアストル/キープ紙幣が発行された。また初めてキープ硬貨が発行され、すでに硬貨の表記はキープのみであった。1953年に1仏領インドシナ・ピアストル(=1キープ)=10フランス・フランの為替レートでのペッグに戻された。
- 1957年、仏領インドシナ・ピアストルとの両通貨併記の紙幣を廃止し、新キープ(通称「王国キープ」または「ヴィエンチャン・キープ (Kip Vientiane)」)が導入された。ラオス王国国立銀行 (Banque Nationale du Laos, Kingdom of Laos) 発行。シーサワーンウォン王の肖像画のある1、5、10、20、50、100キープ紙幣及び、仏暦2500年記念500キープ紙幣が発行された[2]。1962年に2代目国王のサワーンワッタナー王の肖像画の紙幣が発行された。200キープ、1,000キープも追加された。内戦等を経て、1974年の新シリーズでは500キープ、1,000キープ、5,000キープ紙幣も発行された。
社会主義革命後
- 1975年12月の社会主義革命後「ラオス人民民主共和国」が成立、1976年6月13日に新キープ(通称「パテート・ラオ (Phathet Lao)」キープ、または「解放キープ (liberation kip)」)が1パテートラオ・キープ=20王国キープの交換レートで導入された。
- 1979年12月16日にデノミ、通貨改革が実施され、新キープ(通称「ラオス人民民主主義共和国 (Lao PDR) キープ」または「国立銀行キープ (National Bank kip)」)が導入された。1新キープ=100旧(解放)キープとされた。
記号の符号位置
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
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脚注
- ↑ http://www.atsnotes.com/catalog/banknotes/laos.html
- ↑ http://www.atsnotes.com/catalog/banknotes/laos.html