ウンビニリウム
ウンビニリウム (Unbinilium) は、原子番号120にあたる超重元素の一時的な仮名(元素の系統名)。2010年現在、発見報告例もない完全な未発見元素となっている。
歴史
ウンビニリウムは長い半減期を期待され研究が盛んだが、複合核反応後の中性子過剰核から蒸発中性子が飛び出す前に自発核分裂を起こしてしまい、崩壊系列を利用した検出ができずにいる。
2000年から2008年にかけて、フレロフ核反応研究所でウンビニリウム302の核分裂特性が研究された。
2007年、ドゥブナ合同原子核研究所でプルトニウムと鉄から元素合成する実験が行われた[1]が、自発核分裂により検出できなかった。 テンプレート:Indent その後、設備を拡張してウランとニッケルでも試みたが、これも成功しなかった。 テンプレート:Indent 2007年から2008年にかけて、重イオン研究所で追試が3回行われたが、否定的な結果に終わっている。
2008年、フランス国立重イオン加速器研究所の研究チームが、天然ニッケルを使用する新手法で複数同位体の半減期研究を試みている。 テンプレート:Indent
2009年以降、重イオン研究所と理化学研究所でキュリウム248を標的とする超重元素の合成[2][3]が研究されている。
2012年9月29日、理化学研究所はウンビニリウムをウンウンエンニウムと共に合成・発見する方針を明らかにした。ウンビニリウムは、キュリウムとクロムの衝突によって作られる。
性質
原子番号120は陽子の魔法数なので、ウンビニリウムは前後の核種より安定で長い半減期を持つ可能性が高い。さらに中性子の魔法数である184を併せ持つ(安定の島)ウンビニリウム304は、半減期が数年に及ぶと予想されており、目に見える物体として物理的・化学的性質を測定できる期待がもたれている。
第2族元素で周期表ではラジウムの下に位置し、「エカラジウム」(eka-Radium) と呼ばれることもある。