ウンウンエンニウム
ウンウンエンニウム (Ununennium) は、原子番号119にあたる超重元素の一時的な仮名(元素の系統名)。2014年現在、発見報告例もない最初の完全な未発見元素となっている。
歴史
1985年、カリフォルニア大学バークレー校の研究チームがローレンス・バークレー国立研究所の重イオン線形加速器 (superHILAC) を用いてアインスタイニウムにカルシウムイオンを照射する実験[1]を行ったが、発見報告は出ていない。 テンプレート:Indent
この実験は、254Es(表面密度 約1016個/cm2)標的に対し48Caビーム(速度 約300MeV)を照射するもので、元素合成が生じる最大の反応断面積を調べようとするものだった。
N=184の魔法数による安定の島を目指した研究で、生成した超重元素を化学的に単離操作し自発核分裂を数時間から数ヶ月観測するという(長い半減期を大前提とする)手法を採ったが、未知元素の検出には至らず、反応断面積は 3×10-31cm2より(確率的に)小さいと結論付けている。
2012年、ドイツ重イオン研究所の研究チームは、バークリウムにチタンイオンを照射する研究を進めている。 テンプレート:Indent
2012年9月29日、理化学研究所はウンウンエンニウムをウンビニリウムと共に合成・発見する方針を明らかにした。ウンウンエンニウムは、キュリウムとバナジウムの衝突によって作られる。
性質
最初の第8周期元素であり、周期表でフランシウムの一つ下に配置されることからエカフランシウム (eka-francium) とも呼ばれる。
第1族元素に属するため、化学的には他のアルカリ金属と同様に、水や空気に対して極めて高い反応性を示すとみられる。酸化数は +1 と予測され、その他の物性はセシウムやフランシウムに近いと考えられる。