反応断面積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:出典の明記 反応断面積(はんのうだんめんせき、テンプレート:Lang-en-short[1])とは、物理学、特に原子物理学、原子核物理学、素粒子物理学、原子炉物理学などの分野において用いられる、反応の起こりやすさの尺度である。
反応の種類によって、散乱断面積、吸収断面積、核分裂断面積などと呼び分けられる。
微視的断面積
十分に薄い標的に対して、粒子ビームが入射され、反応が起こる場合を考える。このとき、単位時間単位面積あたりの入射粒子数を<math>j</math>、標的の原子数密度を<math>n</math>、単位時間単位体積あたりの反応数を<math>R</math>とするとき、 テンプレート:Indent は体積に依存しない。この<math>\sigma</math>を微視的反応断面積、ミクロ断面積などと呼ぶ。面積の次元をもち、単位はb(バーン)。1bは10-24cm2である。
ミクロ断面積は、反応と標的原子の種類によって定まっている値であり、標的の形状や密度などに依存しない。もともとは、散乱問題において、入射粒子がある立体角に散乱される確率を示すために考案された尺度である。
巨視的断面積
ミクロ断面積<math>\sigma</math>を持つ物質が、原子数密度<math>n</math>であるとき、入射ビームは、単位長さあたり テンプレート:Indent の反応を起こす。この<math>\Sigma</math>を巨視的反応断面積、マクロ断面積などと呼ぶ。長さの逆数の次元を持つ。