JJY

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おおたかどや山標準電波送信所
所在地 福島県田村市
標高 790m
位置 [[[:テンプレート:座標URL]]37_22_21_N_140_50_56_E_ 北緯37度22分21秒東経140度50分56秒]
送信開始 1999年6月10日
はがね山標準電波送信所
所在地 佐賀県佐賀市
標高 900m
位置 [[[:テンプレート:座標URL]]33_27_56_N_130_10_32_E_ 北緯33度27分56秒東経130度10分32秒]
送信開始 2001年10月1日

JJY(ジェイジェイワイ)とは日本標準時放送する日本無線局である。呼出符号(コールサイン)であるが、無線局そのものも指す。

概要

総務省管轄の独立行政法人である情報通信研究機構 (NICT) が開設運用している。電波法上の無線局の種別は標準周波数局である。"JJY" は NICT の登録商標(商標登録番号第4355749号)であり、紛らわしい名称の利用を防止している。原則として常時運用しているが、メンテナンス落雷などで停波することがある。周波数偏差などの情報は NICT より随時アナウンスされており、高精度な周波数の基準として利用できる。また時刻の情報がタイムコードとして重畳されており、これを利用することにより時計の時刻を自動で調整することができる。

2011年現在、次の2つの送信所が設置されている。長波帯を使用しており、空中線電力はいずれも50kWである。ただし、おおたかどや山送信所は2011年3月以降、地震原発事故による職員の避難、悪天候などで停波と再開を繰り返している。(詳細は「おおたかどや山標準電波送信所」を参照)

なお従来運用されていたのは後述の短波局。長波局は1966年1月20日から2001年3月31日まで海上自衛隊の対潜水艦通信局と設備を共用、実験局 JG2AS として運用されていたテンプレート:要出典。長波実験局 JG2AS (40 kHz) は1966年1月10日に検見川で開局し、その後1977年11月1日名崎送信所に移転し、1999年6月9日に廃局した。その翌日から、おおたかどや山で JJY (40 kHz) が開局しているテンプレート:Sfn

送信内容

タイムコード

JJY にはタイムコードを重畳する。1秒ごとに出る0.5秒(1)、0.8秒(0)の長さのパルスの組み合わせにより0秒のマーカを送信した時点の分、時、1月1日からの通算日(1月1日を1とする)、年(西暦下2桁)、曜日、うるう秒の有無を1分周期で放送している。数値はそれぞれの桁ごとに二進数で表される(BCD。例えば、"23"は"0010 0011"と表される)。0秒を示すマーカと9、19、29、39、49の各秒と次の0秒の1秒前(通常は59秒。うるう秒の場合は58秒または60秒)を示すポジションマーカにはそれぞれ0.2秒のパルスが送信される。毎時15分と45分には呼出符号("JJY"をモールス符号で2回)と停波予告情報を送信する(年、曜日、うるう秒の有無は送信しない)。

日本国内で販売されている電波時計は上記いずれかの電波を受信し、時刻を自動的に調整する仕組みになっている(電波時計の項も参照)。

以前の運用形態

短波JJY

2001年3月31日正午に廃止された短波 JJY は、1940年1月30日アメリカ合衆国WWV に続いて世界で2番目の短波帯標準電波局として千葉県千葉市花見川区検見川町に開設された(検見川送信所)。以来、短波を使った標準無線局と位置付けられた。その後、1949年に東京都北多摩郡小金井町(現・東京都小金井市)に移転した。昭和40年代頃から、周辺の宅地化に伴い電波障害などの弊害が顕著になったことや小金井市緑町にある庁舎にあった周波数標準部の同市貫井北町への移転(1974年6月から1975年1月にかけて実施)などにより、1977年12月1日からは茨城県猿島郡三和町(現・古河市)のNTT名崎送信所からの送信となり次の周波数で発信していたテンプレート:Sfn

周波数
  • 2.5MHz
  • 5MHz
  • 8MHz
  • 10MHz
  • 15MHz

上記のうち8MHz波以外は近隣地域の短波帯標準電波と周波数が同じであり、西日本地域を中心に日中でも混信の影響を免れられなかった。廃止時まで運用されていたのは3波(5/8/10MHz)である。

送信内容

送信内容は、数度変更されている。以下に、停波前直近の送信内容を記述する。

電波は短波ラジオで受信でき、内容としては以下の組み合わせがずっと流れていた。ただし毎時35分0秒から39分0秒までは諸外国の標準周波数局との較正作業の為に停止していた。

  • 1秒毎のコッコッという信号音(周波数1600Hz、毎正秒から5ミリ秒間)
  • 毎時10分毎(00・10・20・30・40・50分)の前半(x0分0.045秒からx4分58.960秒まで)に連続的なピーという信号音(周波数1000Hz、毎正秒の45ミリ秒後から960ミリ秒後まで。毎分59秒の時間帯を除く)
  • 1分毎のポーという信号音(分予告信号:周波数600Hz、毎分59.045秒から59.700秒まで。うるう秒がある場合は1.000秒前後する)

世界時 (UT1) から協定世界時 (UTC) を引いた時刻差の予測値も0.1秒の精度で以下の形式により通報された。

  • 予測値により以下の1600Hz秒信号を40ミリ秒引き伸ばし、毎正秒から45ミリ秒間とする(nを1≦n≦8の自然数とする)
    • +0.1×n秒の場合 - 毎分1秒からn秒まで
    • −0.1×n秒の場合 - 毎分9秒から8+n秒まで
  • 予測値が0.0秒の場合 - 1600Hz秒信号は本則どおり5ミリ秒間とする

毎時10分毎のポーという信号音の前(x9分30秒からx9分52秒まで)には上記の信号音に重ねてモールス信号(信号音周波数1000Hz)の「JJY JJY hhmm(24時制の時・分を4桁数字に符号化したもの。例として9時00分は「0900」、16時30分は「1630」)」が流れ、続いて女声の合成音声で「JJY、JJY、○時、○分、JST」とアナウンスがあり、最後に電波警報(モールス信号で伝播状態のステータスを5回続けて)が流された。

  • N - ノーマル:伝播状態が正常である
  • U - アンステーブル(不安定):伝播状態に異常(磁気嵐Eスポなど)が発生する可能性がある
  • W - ワーニング:伝播状態に異常が発生している

時計の修正に限らず、正確な周波数であることを利用してアナログ式短波受信機での受信の手助けになっていた。またアマチュア無線機等の短波無線機での周波数表示の較正にも利用された(ダブルビート法でマーカー発振器を較正、正しく調整されたこのマーカーで更に周波数表示器を修正)。

脚注

テンプレート:Reflist

参考文献

関連項目

外部リンク