「桂馬」の版間の差分
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2014年7月10日 (木) 00:04時点における最新版
桂馬(けいま)は、将棋の駒の種類の一つ。 本将棋・平安将棋・平安大将棋・小将棋・大将棋・天竺大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。英語ではチェスのナイトに当たるknightと訳され、略号はN(knight)。
概要
通称は「桂」。本将棋では全ての駒の中で唯一他の駒を飛び越えて敵陣へ進撃できる。反面、チェスのナイトと異なり、前2方向にしか進めず後退が出来ない。主に攻撃を担う駒である。
桂馬は成駒になると、金将と同じになり、6方向に進めるようになるものの、他の駒を飛び越えることは出来なくなる。このため成、不成は後の戦局にも影響が大きく、判断が難しい。ただし行き所のない駒は禁じ手なので、桂馬の不成を選択できるのは敵陣三段目に限られる。一段目(敵陣のもっとも奥)及び二段目に盤上の桂馬を進めた場合は必ず成らなければならず、一段目及び二段目に桂馬を打つことはできない。また、桂馬により王手がされた場合、合駒により王手を回避することができない。離れた場所からの王手において、飛車・角・香車による王手のときに合駒が利くのとは異なる。
桂馬は歴史的にはチャトランガの馬に相当する駒である。海外の将棋系ゲームでは日本将棋の桂馬に相当する位置に、チャトランガの馬に相当する駒が配置されている。チェスではナイト、シャンチーでは馬・傌、チャンギでは馬、マークルックではマーが将棋の桂馬およびチャトランガの馬に相当する駒である。しかしチェスからマークルックまでいずれも八方桂の動きとなっており(シャンチー・チャンギではそれぞれ塞馬脚・ミョクと呼ばれる制限がある)、日本将棋の桂馬のみが前2方向のみの動きである。日本将棋の当初の桂馬の動きも、チャトランガの馬が八方桂だったことから、チェスやシャンチー(中国象棋)などと同様に八方桂だったのではないかという説がある。しかし平安将棋では既に前2方向の動きだったと考えられており、チャトランガの馬が前2方向の動きだったのがそのまま将棋の桂馬の動きとなり、海外の将棋系ゲームで動きが強化されたという説もある。
本将棋における桂馬には次のような格言がある。
- 桂の高跳び歩の餌食(他の駒を飛び越えられる桂馬は敵陣深くに進入させやすいが、不用意に進撃させると歩で簡単に取られてしまうため、それを戒めた格言である)
- 桂の不成に好手あり(前述のように桂馬が成ると他の駒を飛び越えられなくなるので、元の動きを生かして不成で使うと好手となる場合がある)
- 桂は控えて打て
- 桂は銀で受けよ
- 三桂あって詰まぬことなし(桂馬は間接的に王手を掛けることができ、また逃げ場所によっては更に跳ねて王手をかけられることから、下に追い詰めた場合は相手を詰ませやすいという格言)
- 桂頭の玉寄せにくし(桂馬は王を追いやすい駒である一方、桂の頭に逃げられると、銀や角でしか紐を付けた王手ができないほか、今度はその桂が他の駒を打つ邪魔をすることが多いため)
本将棋・小将棋
桂と略す。桂馬の成駒を成桂という。将棋駒の活字がない環境で、一字表記を行う場合はしばしば「圭」と表示される。また、桂馬の駒の裏に彫られている字は「金」を崩した文字である(成ると金将と同じ動きになるため)。
元の駒 | 動き | 成駒 | 動き | ||||||||||||||||||||
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桂馬(けいま) |
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前へ2、横へ1の位置に移動できる。その際、駒を飛び越えることができる。 | 成桂(なりけい) |
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縦横と斜め前に1マス動ける。 |
大将棋・摩訶大大将棋・泰将棋・平安将棋・平安大将棋
成ると金将。
元の駒 | 動き | 成駒 | 動き | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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桂馬(けいま) |
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前へ2、横へ1の位置に移動できる。その際、駒を飛び越えることができる。 | 金将(きんしょう) |
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縦横と斜め前に1マス動ける。 |
天竺大将棋・大局将棋
成ると横兵。
元の駒 | 動き | 成駒 | 動き | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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桂馬(けいま) |
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前へ2、横へ1の位置に移動できる。その際、駒を飛び越えることができる。 | 横兵(おうへい) |
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横に何マスでも動け、前方に2マス、後方に1マス動ける。飛び越えては行けない。 |
ゲーム一般
斜めに飛ぶ特徴的な動きが、他のボードゲーム、コンピュータゲームでも用語として使われることがある。しばしは「桂馬飛び」とも。例えば、囲碁でちょうど桂馬の移動のように、相手の石から縦2目、横1目(または縦1目、横2目)離れたところに石を打つことを「ケイマ」「ケイマガカリ」とよぶ。