真・女神転生

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テンプレート:Pathnav テンプレート:複数の問題 テンプレート:Infobox真・女神転生』(しん・めがみてんせい)は、1992年10月30日アトラスより発売されたスーパーファミコンソフト

概要

アトラスが開発してナムコ(現:バンダイナムコゲームス)より発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『デジタル・デビル物語 女神転生』『デジタル・デビル物語 女神転生II』のゲームシステムを継承しつつ、設定を見直し一から制作された作品。女神転生シリーズとしては初のアトラスの自社発売タイトルとして発売された。現代の都市を主な世界に置いた作風と仲間との思想的な価値観による決別等、従来の勧善懲悪観を排したハードな世界観とシナリオは多くのユーザーの支持を得た。アトラスの看板タイトルとしてシリーズ化され、後に「デビルサマナーシリーズ」や「ペルソナシリーズ」といった各種派生作品を生むことになる。

舞台は199X年の東京で、ゲーム発売当時(1992年)における近未来という設定。吉祥寺のアーケード街や病院、エコービル(現:京王吉祥寺駅ビル)といった1990年代の現代日本をモデルにしており、西洋ファンタジー風の世界観が主流を占めていた当時の家庭用ゲームRPG市場の中においては斬新なものであった。

ゲームシステムは悪魔を会話で仲魔にしたり、それらの悪魔を合体させたりといったファミリーコンピュータ版『女神転生』のものを継承しつつ、更に発展させている。前作では「魔王」や「邪神」といった「EVIL」属性の悪魔は仲魔にすることができなかったが、本作では条件はつくもののほとんどの悪魔を仲魔にできるようになった。またキャラクターデザインは『デジタル・デビル物語 女神転生II』と同じくイラストレーター金子一馬が担当。メガテンシリーズとしては初のイラスト集が発売されるなどの人気を獲得する。地上の2Dマップと3Dダンジョンで構成されているが、地上の2Dマップは当時のコンピュータグラフィックスのイメージであるポリゴン風で描かれている。

なお、2001年のPS版発売時には、主人公キャラクターや悪魔のイメージイラストが金子一馬自身の手によってリニューアルされ、公式サイトや攻略本等で紹介された。ゲーム中のドット絵には反映されていないが、『真・女神転生NINE』や『真・女神転生III-NOCTURNE』にはこのリニューアルデザインの悪魔が登場する。

あらすじ

199X年、東京・吉祥寺——。

ある日、主人公は不思議なを見る。磔にされる少年、虐げられる少年、磔にされ生贄に捧げられようとしている少女…。何かを暗示するかのような不思議な夢から目を覚ますと井の頭公園で女子高生の殺人事件が起こったと言う。休日の街中を探索する主人公はあちこちに非常線が張られ、犯人の捜索が続いているのを目にする。

街には神話や伝説の中でのみ登場する筈の悪魔が出没し始める。そしてパソコン通信によってSTEVENと名乗る人物から「悪魔召喚プログラム」が送られてくる。悪魔と会話し、仲魔にすることができるというプログラムをハンドヘルドコンピュータにインストールした主人公は、サバイバルショップで身を守る道具を購入し、悪魔との戦いに身を投じて行く。

やがて非常線を張っていた警官隊は姿を消し、自衛隊による戒厳令が発令される。クーデターを起こしたゴトウ一等陸佐は日本を侵略し始めた海外の悪魔から日本を守るため、日本古来の神々と契約したという。一方、事態を重く見たアメリカ政府は東京を占領したクーデター部隊を鎮圧すべく動き出す。主人公の少年たちは悪魔の出没するようになった東京で、この街の行く末を左右する重大な決断を迫られるようになる。

主要登場人物

ヒーロー(デフォルト名なし)
主人公にしてプレイヤーの分身。幼い頃に父親を亡くし、吉祥寺で母と2人で暮らしているごく普通の少年[1]シベリアン・ハスキーのパスカルを飼っている。コンピューターが趣味で、DDS-NETというパソコン通信を通じて悪魔召喚プログラムを手に入れることになる。イラストでは背中に剣を背負い、緑の服にプロテクターをつけている。腕にはハンドヘルドコンピュータを装着しており、これに悪魔召喚プログラムをインストールしたことでパーティ内で唯一、悪魔を召喚、使役する力を得た。魔法の類は一切使えない。メガCD版のEDのナレーションでの一人称は、ロウルートが「私」、カオスルートが「俺」、ニュートラルルートでは「僕」となっている。
ヒロイン(デフォルト名なし)
主人公の夢に登場する謎の少女。主人公とは深い因縁で結ばれている。主人公の幼なじみと同じ名前で、現実世界ではゴトウに対抗するレジスタンスグループのリーダーを務めていた。電撃(ジオ)系の魔法や回復(ディア)系の魔法を覚える。ゴトウに逆らった罪で東京都庁にて公開処刑されることになるが、その間際に主人公に助けられ行動を共にするようになる。その後、東京に落ちたICBM爆発の際に、主人公達を転移魔法で助け行方不明になる。ゲーム中盤においてICBMの爆発で命を落とすものの数十年後に転生、前世同様の成長から渋谷のメシアと呼ばれるようになっていた(救世主の意。メシア教とは無関係である)。悪魔によって精神を乗っ取られようとしていたところを主人公とロウヒーローに救出され、再び共に行動するようになる。
ロウヒーロー(デフォルト名なし)
主人公の幼なじみと交際している心優しい長髪の少年。夢の中で出会い、現実世界で共に行動する。ヒーローの幼馴染と同級生の模様。両親は音楽家で女子からの人気は高く、マエストロを目指していた[1]。イラストでは赤いジャンパーを着用している。秘められた力を持ち、衝撃(ザン)系の魔法や回復(ディア)系の魔法を覚えて行く。主人公をかばって命を落とすが神の手によりメシア教の司祭として蘇り、以降は外見も聖者の様な姿となった。ロウルート以外では主人公と対立する。
カオスヒーロー(デフォルト名なし)
吉祥寺の商店街でオザワ率いるチーマーの一味に痛めつけられていた短髪の少年。誰にも負けない大きな力を求めている。夢の中で出会い、現実世界で共に行動する。母親とは幼い頃に死別し、酒浸りの父親に育てられたためか協調性がない。しかし、自分を仲間と認めてくれた主人公に対しては心を開いている[1]。イラストではメガネをかけ、迷彩柄のコートを着用している。秘められた力を持ち、火炎(アギ)系の魔法を覚えていく。オザワに対抗するためより大きな力を求めた結果、悪魔と合体する選択肢を取り以降は外見も武者のような姿となった。カオスルート以外では主人公と対立する。
ゆりこ(百合子)
主人公の夢に現れた妖艶な女性。その正体はアダムの最初の妻だったリリスであり、ルシファーの命のもと主人公に近づくが、アダムの面影を持つ主人公に惹かれるようになる[1]。「ゆりこ」という偽名はリリス(lilith)と百合(lily)にかけられている[2]
スティーブン(STEVEN、作中では「車椅子の男」)
真っ赤なスーツを着た車椅子の男。離れた場所へ物体を転送するターミナルシステムの開発者の一人。アクシデントによりターミナルが魔界につながったことで悪魔に襲われて大怪我をする。その苦い経験から悪魔に対抗する手段として悪魔召喚プログラムを制作しパソコン通信を利用して無差別にばらまいた。主人公達の前に度々現れ、ハンドヘルドコンピュータの機能をバージョンアップしてくれる。その際、行く手に待ち伏せるかのように現れたり、数十年後が舞台の次作でも歳を取らないなど、普通の人間ではないような描写がされているが、詳細は不明[1]。モデルは物理学者スティーブン・ホーキング[3]
ゴトウ一等陸佐(五島、メガCD版では後藤)。
日本の行く末を憂い古き神々(悪魔)と契約し部下を率いてクーデターを決行、イチガヤの自衛隊基地を占拠し以後戒厳司令官として東京を戒厳令下に治めている。レジスタンスグループのリーダーを捜し出すため、彼女と同じ名前の少女(=主人公の幼なじみと同じ名前)を誘拐してはイチガヤの地下牢に監禁していた。主人公にトールマンの殺害を依頼してくる。モデルは三島由紀夫[3]
トールマン
アメリカ合衆国大使。悪魔が出現し、混乱した東京を収めるためと主人公にゴトウの殺害を依頼してくる。正体は北欧の魔神トールであり、神の尖兵。「悪魔に侵された街を浄化する」という名目の下に、ICBMを東京に落下させて壊滅的被害を齎す。これは北欧神話でトールが持っているとされるミョルニルを意味している[1]
ルイ・サイファー
主人公の行く先々に現れる金髪の男性。主人公に助言を与えては姿を消す。その正体は魔王ルシファーであり、自分を地獄へ堕とした神々への復讐のため、神が造った人間界の真の解放を目指し[1]、神と戦うためガイア教団をはじめとした工作活動を行っていた。名前の由来は映画『エンゼル・ハート』の登場人物から。
オザワ(小沢、メガCD版では小澤)。
不良グループ「タートルヘッド(TURTLE-HEAD)」のリーダー。東京大破壊後は悪魔の力を借りてシンジュクの支配者となる[1]。最終的には力を得たカオスヒーローに復讐を果たされ命を落とす。
謎の老人
井の頭公園にて主人公の前に現れる浮浪者のような老人。主人公達に意味深なメッセージを与える。その正体は道教の神太上老君(タイジョウロウクン)。ニュートラルルートのエンディングで出会える。
役小角(エンノオヅノ)
金剛神界の住人。前鬼後鬼を使役する。異世界に飛ばされた主人公達に手を貸す。
パスカル
主人公が飼っているメスのハスキー犬(当時連載されていた「動物のお医者さん」に影響されている[1])。主人公に付き従うが戦闘に参加することはない。邪教の館で悪魔と合体させることにより魔獣ケルベロスになるが、パスカルであった時の心は残っているようで、序盤から強力な悪魔を連れ歩くことができる(本来なら主人公より強いレベルの悪魔は作成不可能である)。ターミナル事故により飛ばされてしまうが、大破壊後に再会することになる。GBA版で追加されたサブストーリで、主人公が小学5年生の時に母親がナカジマという人物からもらったことが明かされる。PCエンジン版、メガCD版では一定条件を満たすとケルベロスではなくパスカルとして仲魔になる(パラメータや外見なども異なる。種族名はイヌであり、正確には悪魔ではない)。
アスラ王
ロウルートのラスボス。ニュートラルルートではミカエルを含めて戦うことになる。
ミカエル
カオスルートのラスボス。ニュートラルルートではアスラ王を含めて戦うことになる。

備考

主人公、ロウヒーロー、カオスヒーロー、ヒロインには特定の名前は設定されていないが開発者の間では「フツオ」「ヨシオ」「ワルオ」「フツコ」と呼ばれていた[2]。『真・女神転生ファイナル・ストーリー:ATLUS公式リプレイ攻略ノベル』(双葉社 1993年6月11日 ISBN 9784575231496)では「ショウ」「トシキ」「テツオ」「アオイ」、『紅蓮の夜:真・女神転生IITRPG誕生篇ジャンプスタート・キット』(アスペクト 1995年6月15日 ISBN 9784893663795)ではヒロインに「高原マキ」という名が設定されていた。

システム

地上は東京全域を移動できる俯瞰視点の2Dマップ。エコービルや東京タワー、新宿地下街などでは主観視点の3Dダンジョンになる。

オートマッピング

3Dダンジョンに慣れないユーザーへの配慮から、本作ではシリーズで初めてオートマッピングシステムを採用。ゲーム序盤に「オートマッピングプログラム」入手後は歩いた箇所が自動的にマップに記載されるようになる。SFC版は大まかな地形のみで施設などは表示されなかったが、PS版のオートマッピングは施設名や階段、出入り口なども表示され、プレイヤーが任意に怪しい箇所をマーキングできるようになった。

悪魔会話

地上マップ、ダンジョンいずれもランダムエンカウントで悪魔が出現すると、戦闘メニューになる。戦闘メニューでは「FIGHT」を選択すると敵との戦闘になるが、「TALK」にて悪魔との会話交渉に入ることができる。TALKはおおまかに「友好的」か「威圧的」かを選択する。その後は様々な選択肢を選んで悪魔の気を惹いてゆく。悪魔はお金や貴重なアイテムなどを要求してくるが、上手く気に入られれば契約が成立し自分の使い魔(仲魔:ナカマ)になる。逆に悪魔の機嫌を損ねると、逃げられたり、いきなり戦闘になり不意打ちを受けることもある。

悪魔会話は悪魔の属性、主人公の属性によっては成立しないこともある。

戦闘

戦闘はコマンド入力による非リアルタイムのもの。悪魔の中には主人公の攻撃を吸収したり、反射したりするものもいる。主人公とパートナーの両者がDYING、DEAD、STONE状態になると(まだ仲魔が生き残っていたとしても)ゲームオーバー。三途の川を渡るシーンの後、タイトルに戻る。

悪魔合体

邪教の館と呼ばれる施設では2体または3体の仲魔を合体させることで新たな仲魔を作り出すことができる。料金は無料。本作ではまずポッドに合体元の悪魔が入れられ、分解液で水槽が満たされた後、中央の魔方陣に合体後の悪魔が出現する演出となっている。

LIGHT属性の悪魔(天使や魔神など)やDARK属性の悪魔(魔王や外道など)は会話(TALK)では絶対に仲魔にならないが、悪魔合体で作り出すことで仲魔にすることができる。

魔法とEXTRA

魔法は前作『女神転生II』の魔法名を継承しているが、より整理されている。

  • 火炎・氷結・電撃・衝撃の4属性の攻撃魔法は弱・強とその複数形の4種類ずつになり、複数系は接頭辞「マハ」がつくようになった。
  • 万能攻撃魔法の「メギド」系が新設された、
  • 単体回復魔法「ディ」系→「ディア」系に変更。
  • 複数回復魔法「メディ」系→「メディア」系に変更。
  • 敵を眠らせる魔法「ドルミン」、「ドルミナール」は「ドルミナー」に統一された。
  • 補助魔法のカジャ系・ンダ系に命中率を上昇、低下させる「スクカジャ」「スクンダ」、魔法威力を上昇させる「マカカジャ」が新設された。
  • MPを仲間に分け与える魔法「マカトラ」が新設された。
  • 自分の命を犠牲にして敵全体に大ダメージを与える魔法「リムドーラ」、自分の命を犠牲にして味方全員のHP、MPを回復する魔法「リカームドラ」が新設された。
  • 戦闘から脱出する魔法「トラフーリ」新設。
  • 「マカランダ」→「マカトランダ」、「マッパラー」→「マッパー」、「トラスタルト」→「トラポート」に名称変更。
  • 「トランパ」、「マシバブーラ」削除。

悪魔のみが使える特技であるEXTRAは、前作はランダムで使用したが、本作からはコマンド「EXTRA」を選択することで任意に使用できるようになった。EXTRAの種類も大幅に増加している。

悪魔

本作では約280種類の悪魔が登場し、13種の大種族、39種の種族に分類される。

前作『女神転生II』と比較すると獣族から分離され龍族、鳥族のカテゴリが新設されるなど、大幅に種族が増加した。一方で幻魔、怪獣、狂人は消滅し、新種族にカテゴライズされた(例としてラクシュミは幻魔→女神)。

悪魔は世界各国の神話や民間伝承に登場する者をモデルとしているほか、映画や漫画から取られたものもある[4]

神族
鬼神族
魔族
飛天族
龍族
鳥族
獣族
鬼族
精霊
邪霊
  • 幽鬼(ユウキ) - DARK-CHAOS 死人の怨念が実体化した魔物。リッチグールガキなど
  • 悪霊(アクリョウ) - DARK-CHAOS 存在の希薄な邪霊。ラルウァイゴーストファントムなど
  • 屍鬼(シキ) - DARK-NEUTRAL 悪魔に魂を乗っ取られた動く屍。ゾンビアーミー、ボディコニアン、ゾンビなど
外道
  • 外道(ゲドウ) - DARK-CHAOS 悪魔に魂を乗っ取られた人間や、実体化に失敗した悪魔。バックベアード、やくざ、スライムなど
  • 獣人(ジュウジン) - NEUTRAL-NEUTRAL 人間と獣の中間のライカンスロープワーウルフワーキャットワードッグ
  • メシア教徒 - NEUTRAL-LAW 悪魔を打ち払う救世主の出現を信じる人。スキャナー、メイガス、テンプルナイトなど
  • ガイア教徒 - NEUTRAL-CHAOS 悪魔と共存するガイア教を信奉する人。アサシン、処刑ライダー、特攻隊など
  • 超人(チョウジン) - 人でありながら人を超えた者たち。ドウマン、ゴトウ、かいじんなど
  • 魔人(マジン) - 正体不明の存在とされる隠し種族。デイビッド、ペイルライダー、大僧正
  • マシン - 悪魔が作り出したロボットや、対悪魔用に作られ暴走したロボット。警備システム、T95、クグツなど

関連ゲーム用語

メシア教

メシア教会。救世主(メシア)の出現を信じており、その力によって世界が救われることを信じている宗教。「信じるもの 皆 救われる」と謳う。

秩序を重んじ、すべてはの下に管理されるべきであるとしている。基本的には物静かな態度で慈悲深く人々に教えを説いていくような口調で他人と接するが、法に従わない者や救世主の出現を否定する者に対しては非常に厳しい態度を取る。完全なヒエラルキー階級の下に成り立っており、秩序と平和はあるが個人の自由はないに等しい。

統制された世を乱す悪魔は彼らにとって邪悪な存在となるため、悪魔との共生を考えるガイア教とは対立している。教徒は白地に青いラインの入った服装で統一されており、階級や身分によって服飾が違う。

ガイア教

ガイア教団。秩序や階級に囚われず、自然と一体化することを重要視している宗教。「生きる者はいつか死ぬ 形あるものはいつか壊れる」と謳う。

差別も区別もなく、管理を否定し全てのものと共存しようとしている。そのため現実的かつ実利的で、力のない者に価値を見出さず救いの手を差し伸べない。基本的に実力至上主義の団体で、自由はあるが秩序は存在していない。悪魔の存在を許容し共生していくことを考えているため、メシア教とは真っ向から対立している。

混沌を重んじるというところからくるのかヤクザや反社会的な人物も多く、口調や物腰は荒々しく乱暴で暴力を振るうことも躊躇しない。教徒の中には暗殺を生業とする者もいる。

属性

主要登場人物・悪魔は皆属性を持っている。それらは直交座標形式で表示され法と秩序を重んじるロウ (Law)、自由と混沌を重んじるカオス (Chaos)、どちらにも属さないニュートラル (Neutral) が思想を象徴する横軸として、さらに建設的で前向きなライト (Light)、中庸のニュートラル、邪悪で破滅的なダーク (Dark) が性格を象徴する縦軸として設定されている(ニュートラルは中心、つまり0地点)。属性としては4つだが段階的になっており、それぞれ10段階とするならばロウ8ライト4の悪魔といった様になる。

悪魔は種族ごとに属性が大きく分かれている。いくつか例として挙げると、

  • 破壊と創造、殺戮と粛清の表裏を併せ持つ「天魔(破壊神)」はLight - Chaos。
  • 法と秩序を絶対のものとし、献身的に働く「天使」はLight - Law。
  • 秩序を強いるが、それが邪で道徳的でない「邪神」はDark - Law。
  • 悪意に満たされ何にも従わず、傍若無人な「魔王」はDark - Chaos。
  • 奔放で無邪気、気まぐれで人に近い存在の「妖精」はNeutral - Neutral。

となる。

主人公はニュートラルで始まり、プレイ中の行動によってその都度属性が揺らいでいく(変化はロウ側かカオス側のみで、ライト・ダークへの属性変化はなし)。

例として、

  • 倒したボスに止めを刺すか刺さないか、秩序を重んじるメシア教に力を貸すか、混沌を重んじるガイア教側に付くか、あるいはどちらにも与さず中立を保つ、双方を敵に回すなどのイベント系
  • 連れている仲魔と同じ属性の悪魔を殺したり、片方側の悪魔を一切仲魔にしないなどの戦闘系
  • イベントは強制の場合がある為、後者の方が(影響力は少ないが)手間をかければある程度の属性の調整は可能

がある。

主人公の属性はフィールド画面での自分のキャラクターアイコンの回転方向・速度によって、現在の属性がどちらに傾いているのかを大まかに判断することができる。自分がどの属性に属しているかで仲魔にできる悪魔の属性も決定され、さらにシナリオやエンディングが異なっていくのは『真・女神転生』の大きな特徴、魅力である。

登場人物や悪魔の印象から「ロウ=善」「カオス=悪」と見られがちだが、あくまでも「ロウ=秩序」「カオス=混沌」というそれぞれのスタンスを重んじているに過ぎない。そのためロウが一般的な意味での善、カオスが悪というものではない。敢えてどちら側にも与せず中立の立場を貫くこともできる。

BGM

曲名 使用場面
タイトルデモ オープニングデモ
タイトル タイトル
名前入力、金剛神界突入
自宅 主人公の家、ヒロインの家
パスカル 会話など
吉祥寺 破壊前の東京
アーケード街 新宿3Dダンジョンなど
Neutral ニュートラル会話など
大使館 3Dダンジョン
ジャンクショップ、セーブなど
ターミナル ターミナル
四天王の館 金剛神界など
エンカウント 悪魔遭遇時
戦闘 バトル
レベルアップ レベルアップ
Law ロウ会話など
銀座 3Dダンジョン
邪教の館 邪教の主人会話
合体 悪魔合体シーン
渋谷 地下3Dダンジョン等
ボス ボス戦闘
ゲームオーバー ゲームオーバー、ニュートラルエンディング(SFC版のみニュートラルエンディングで流れる)
廃墟 破壊後の東京
Chaos カオス会話など
カテドラル ラストダンジョン
エピローグ
エンディング スタッフロール
魔人 魔人戦闘※PS版のみ

関連作品

漫画

タイトルは『真・女神転生 東京黙示録』(しん・めがみてんせい とうきょうもくしろく)。『アスキーコミック』にて連載された。全4巻。原作:鈴木一也、漫画:御祗島千明。『真・女神転生』を下敷きにしているものの、登場キャラクターやストーリーは漫画オリジナル。1995年OVA化されている。PCゲーム『偽典・女神転生』と物語上の繋がりがあり、未回収の伏線の一部が回収されている。

あらすじ
吉祥寺・聖城学園の報道部に所属するオカルト好きの少年・相馬小次郎は、親友の三浦陽介や八神咲とともに、パソコンクラブ部員の連続怪死事件を調査していた。しかし取材を進めるうちに、彼らの身の回りでは様々な怪異現象が発生するようになる。やがて一連の事件は、パソコンクラブ顧問の新田(悪魔ガギソン)と部員の小林が、地獄の総統・オセの召喚に必要な生体マグネタイトを集めるために仕組んでいたことが判明。謎の少女・キョウコや忍者の末裔・茉莉花たちの助力を得ながら悪魔との戦いが本格化していく中、小次郎は自身の内に秘められた力に覚醒していく。

OVA

ソニー・ミュージックエンタテインメントより1995年4月21日-1995年6月21日に上下巻でVHS版が発売された。2000年6月15日には上下巻を纏めたものがDVD化されている。

登場人物・声の出演
報道部副部長を務める二年生。高校生ながらオカルト関係に深い造詣を持つ反面、コンピュータ関係に関しては全くの素人。実は相馬小次郎将門の転生体であり、戦いを通じて真の力に目覚めていく。
パソコンクラブ部員の一年生。天使シャムシエールの転生体だが、中性的な容貌が災いしてか幼少時より暴力と虐待に見舞われ、神を恨む気持ちに付け込まれて堕天使オセの手下となる。オセに魔的なカリスマを与えられ、ガギソンの失脚後、学園の生徒を直接操って報道部の妨害・生体マグネタイトの収集を行うようになる。
報道部部員。陽介のガールフレンドで、小次郎とも小等部以来の親友。木之花咲耶姫の転生体であり、その身に宿した強大な生体マグネタイトに目を付けたオセによって狙われる。
忍者集団「神流」を束ねる少女。事件を契機に聖城学園に転入、咲のボディガード役となる。小次郎とは前世からの強い因縁を持つ。
小次郎の親友で、報道部部長。当初は特別な力を持たない普通の人間だったが、咲を守るための力を欲し、後にガイア教団へ入信。魔法剣(マジックソード)の使い手となる。
報道部部員。忍者集団「神流」の一員だが、報道部には事件発生前から所属していた模様。
謎めいた雰囲気を持つ神出鬼没の少女で、その正体はガイア教団の魔術師。小次郎に好意を持ち、影から助力を与える。
パソコンクラブ顧問の教師・新田として聖城学園に潜入し、オセ召喚のために咲を捕らえようと画策する。
小次郎の弟で、兄とは対照的にゲーム・パソコンをこよなく愛する小学生。小次郎をおびき出すための人質としてガギソンに誘拐され、消息不明のまま物語は完結してしまうが、後に『偽典・女神転生』にて再登場する。

小説

タイトルは『真・女神転生 エル・セイラム』(しん・めがみてんせい エル・セイラム)。作者は『デジタル・デビル・ストーリー』の原作者でもある西谷史、挿絵は攻略本の表紙絵を担当した相崎直美(相崎勝美)。環境設定はアトラスとなっているものの、ゲーム版から一部のキャラクターが登場する以外は全くのオリジナル作品。原作者自らがゲームを題材にノベライズしたという珍しい形式の作品。ゲーム版では語られていない「聖母マリア」にスポットを当て、「LAW」をテーマにしている。雑誌『LOGOUT』にて1993年発行の増刊号「ノベルスペシャル」より1994年11月号まで連載され、ログアウト冒険文庫にて文庫本全4巻が発売された。

あらすじ
聖ヨゼフ学園に通う16歳の高校生・岳玲子の周りでは吉祥寺に引っ越してからというもの奇妙な事件が頻発していた。隣家の火災、近所のハスキー犬の惨殺、地震…。その原因は近所にすむ少女・石川安奈が操作する不思議なソフトにあった。対象に呪いをかけ、殺してしまうこともできる悪魔のCAD。しかもそのソフトは他者に呪いをかければかけるほど、その効果が高まってゆく。しかし、それは東京全体を巻き込む大異変のほんの予兆でしかなかった。

移植版

総じてSFC版で問題視された属性反転バグ(属性の最大値に達すると内部数値がオーバーフローし属性が反転する)、属性値固定後のCHAOS変動バグ(属性固定後もCHAOS変動フラグのみが残存)は修正されている。VC版はSFC版の配信の為バグもそのままである。

PCエンジン SUPER CD-ROM2

  • BGMは一部イベントシーンのみCD-DA、その他は内蔵音源による演奏。
  • 石壁の顔、ニュートラルエンディングで太上老君の声が出る。
  • 一部のイベントでビジュアルシーンが追加された。
  • パスカル関連のイベントが追加。
  • 新悪魔が数体追加。またT.D.L.で「ゾンビマウス」と「デモンダック」のイラストが表示されるようになった。
  • ターミナルの転送アニメーションなどが変更された。
  • エンディングの最後でENDの文字が表示されなくなった。

メガCD版

  • シムスから発売された。
  • BGMは戦闘シーンなどの頻繁にアクセスされる音楽を除きCD-DAによるアレンジ音楽。
  • オープニング、エンディングが若干変更、主人公(声:緑川光)によるナレーションが追加された。
  • OPTION機能の追加。キーアサインの変更や3D画面の移動速度の調整が行える。
  • LIBRARY機能の追加。ボスを含め今までに遭遇した全ての悪魔の情報を閲覧できる。
  • 2Dマップの表現方法が平面地図をターゲットマーカーが移動するナビゲーションシステム風の表現に変更。
  • カテドラルのマップが簡略化された。
  • 新悪魔が大幅に増加。またグラフィックの流用が削減され、殆どの悪魔が設定画通りの固有の容姿を得ることとなった。
  • 会話シーンなどで従来の全身絵に加えて、バストアップ絵が表示される。
  • 登場人物や一部の悪魔の名前がカタカナ表記から漢字表記に変更。

PlayStation版

  • ユーザーインターフェースが真II以降のスタイルに改められた。
  • エネミー・アピアランス・インジケーターが追加され、敵の出現率が表示されるようになった。
  • 文字が全て漢字かな混じり文で表記されるようになった。
  • 3Dダンジョンがポリゴンで表現されるようになった。
  • □ボタンを押すことで、ダッシュ移動が可能になった。
  • 施設の背景画像がプレレンダリング式の3Dグラフィックに描き直し。なお悪魔や人物のドット絵グラフィックはSFC版から忠実に移植されている。
  • 難易度設定が可能。NORMALはエンカウント率の減少などの調整が含まれる、EXPARTは原作基準の難易度。なおEXPARTではエンディング後に全戦闘成績が表示される。
  • 中断セーブが可能に。
  • 魔人専用BGMの追加。

ゲームボーイアドバンス版

  • ユーザーインターフェースはPS版同様『真II』以降のスタイルに変更。
  • 2Dマップがクォータービューのビル街等に描き直されている。
  • 「ビジョナリーアイテム」の導入。入手することで原作では語られることがなかったサブストーリーが閲覧できる。

脚注

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外部リンク

テンプレート:女神転生

テンプレート:アトラス
  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 真・女神転生 公式パーフェクトガイド(エンターブレイン、2001)
  2. 2.0 2.1 金子一馬画集I(新紀元社、2004)
  3. 3.0 3.1 金子一馬画集III(新紀元社、2008)
  4. 真・女神転生Ⅱ 悪魔大辞典(宝島社、1994)