少年鑑別所

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テンプレート:混同 少年鑑別所(しょうねんかんべつしょ)は、少年院法16条によって設置されている、少年の収容施設である。鑑別所(かんべつしょ)とも言う。

概要

少年鑑別所の役割は、次のとおりである(少年院法16条、16条の2)。

  • 少年法17条1項2号の規定により、家庭裁判所から送致された者を収容すること
  • 医学心理学教育学社会学その他の専門的知識に基づいて、少年の資質の鑑別を行うこと
    • 家庭裁判所の行う少年に対する調査及び審判に資するため
    • 保護処分及び懲役又は禁錮の言渡しを受けた16歳未満の少年に対する刑の執行に資するため
  • 一般人からの要望に応じて、少年の資質の鑑別を行うこと(一般相談)

法務大臣法務省矯正局)の所管に属する、国立の施設である(少年院法17条)。

役割

観護措置
家庭裁判所は、少年保護手続において、審判を行うため必要があるときは、少年鑑別所に送致することができる(少年法17条1項2号)。これを観護措置という。
観護措置の目的は、少年の身柄を保全するとともに、少年の心身の鑑別を行い、処遇決定の資料とすることである。期間は2週間であるが、1回更新することができる(少年法17条3項、4項)。通常は、心身鑑別に一定の期間が必要であるから、1回更新され、4週間弱(審判期日まで)となることが多い。
心身鑑別に当たっては、少年の素質、経歴、環境及び人格並びにそれらの相互の関係を明らかにし、少年の矯正に関して最良の方針を立てるために(少年鑑別所処遇17条)、医学、精神医学、心理学、教育学、社会学等の知識及び技術に基いて調査と判定を行い(同規則18条)、その結果を鑑別結果通知書という形で家庭裁判所に送付する(同規則22条)。
勾留に代わる観護措置
家庭裁判所送致前である少年の被疑事件(捜査段階)において、検察官は、勾留請求に代えて裁判官に対し観護措置の請求をすることができ、裁判官はこの請求に基づいて令状(観護状)を発することができる(少年法43条1項、44条2項)。勾留に代わる観護措置の期間は、請求の日から10日間であり(同法44条3項)、勾留と異なり延長はできない。
勾留
少年の被疑事件において勾留を行う場合も、勾留場所を少年鑑別所とすることができる(少年法48条2項)。
保護処分及び刑の執行に際しての役割
一般相談
少年鑑別所は、一般からの相談も受け付けている(少年院法16条の2)。少年本人のほか、保護者、学校の教師などから、非行いじめ家庭内暴力、交友関係、引きこもり、しつけなどの相談に応じている。相談は無料だが、心理検査等を実施した場合には、検査用紙代等の実費が徴収される[1]。一部の少年鑑別所ではこの相談窓口に別の名称を付けているところもある(例:東京少年鑑別所=ねりま青少年心理相談室)。

一覧

少年鑑別所は、原則として各家庭裁判所に対応して設置されているが、例外として、東京家庭裁判所管内に八王子少年鑑別所が設置されており(少年院及び少年鑑別所組織規則12条、別表第3)、また、福岡家庭裁判所管内には、福岡少年鑑別所の分所として小倉少年鑑別支所が設けられている(同規則18条、別表第4)。

札幌矯正管区
仙台矯正管区
東京矯正管区
名古屋矯正管区
大阪矯正管区
ファイル:Kanbetsusyo5363.JPG
京都少年鑑別所
広島矯正管区
高松矯正管区
福岡矯正管区
ファイル:Fukuoka juvenile classification house.jpg
福岡少年鑑別所(2014年7月26日撮影)

脚注

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関連項目

外部リンク

テンプレート:法務省

テンプレート:矯正局
  1. テンプレート:Cite web