ß

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ßは「エスツェット(Eszett)」と呼ばれ、ドイツ語の正書法でラテン文字アルファベット)に加えて使われる文字である。小文字だけであり、大文字はない。ドイツ語では scharfes S (シャーフェス エス=鋭い s)とも呼ぶ。スイスでは、この文字を使わず、代わりに ss と綴る。

本来は合字(リガチャ)のひとつである。スイスを除き、エスツェットはドイツ語の正書法において固有の機能を持つ文字であり、s の無声音 テンプレート:IPA2 を表すために用いられる。

一般には ß は、同じく s の無声音 テンプレート:IPA2 を表す ss とほぼ等価であり、ss を1文字で書いたものとされる。辞書では ss の位置に置かれる。また、英文タイプライターなどで ß が表示できないときも ss と代用表記することになっている。正書法ß を用いるのは、次のような場合である。

  • 長母音の後 - ドイツ語の正書法では、長母音の後には子音字を1つ、短母音の後には子音字を複数置くという原則がある。このため、長母音の後には ss を置くことができず、一方で単独の s は母音の前では有声の s (テンプレート:IPA2) を表すため、ß を用いる。
  • 語末 - 旧正書法では、語末の テンプレート:IPA2 には、s と ß の2つの綴りがあり、単語によって書き分けられた。例えば同音異義語の das と daß がそうだった。1996年の新正書法では、短母音の後の ß は ss と綴るようになったので、前記の語は das と dass になった。

新正書法では ß が使えないときの置き換えにはつねに ss が用いられるよう規定された。旧正書法では sz もまた認められる置き換えであった。旧東ドイツ政府においても sz を認めようとする動きがあった。

ファイル:Eszett Leipziger Duden 1957.png
1957 年ライプツィヒ出版のドゥーデン辞書の表紙

語全体を大文字で書くときは SS と書くが、ß を大文字として使うか、Unicodeに登録されている ßの大文字)を使うことも散見される。固有名詞などは混同を避けるため ß をそのまま用いる。例えば姓の Weiss と Weiß を大文字で書くときは、それぞれ WEISS, WEIß, WEI になる。

この極めてドイツ的な合字の形を適切に決めるための議論が、いまもなお続いていることは、新しいタイポグラフィーデザインに示されている。 テンプレート:-

起源

エスツェットのタイポグラフィには大別して3つあり、ſ長いsと呼ばれ、f に似ているが、横棒が右に突き出さない)と普通のs の合字、ドイツ文字ſ(エス)とz(ツェット、ドイツ文字の z は筆記体の z と似ている。下記画像参照)の合字の、二系統がある。現在ラテン字母とともに使われる文字形は ſs の合字に由来する。また、「エスツェット」の名称は後者に由来する。

エスツェットのタイポグラフィ

備考

ギリシャ文字Β(ベータ)の小文字 β とは全く別の文字である。文字セットに ß がない場合に便宜的に β で代用することがあるが、ドイツ語では ss で代用することが常に推奨される。

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
U+1E9E - ẞ
ẞ
ß U+00DF 1-9-53 ß
ß
ß

テンプレート:Sister

テンプレート:ラテン文字