V

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Sidebar Vは、ラテン文字アルファベット)の22番目の文字。小文字は vU, W, Yとともにギリシャ文字Υ(ウプシロン)に由来し、キリル文字Уは同系の文字である。Υ(ウプシロン)の別形に由来するFとも同系といえる。

字形

下で屈曲したひと連なりの線であり、2本の線分である。大文字と小文字で同じ形である。筆記体では下部が丸まることがあるが、Uないしuとの区別のため、右上で下に折り返して次の字に進む。フラクトゥールは <math>\mathfrak{V\ v}</math>。

呼称

音素

この文字が表す音声は、

歴史

Vは、本来ラテン語における半母音テンプレート:IPA2音素を表す文字である。古代のラテン文字にはUが存在せず、Vの文字はテンプレート:IPA2とともに母音テンプレート:IPA2を表す文字としても用いられていた(例: AVGVSTVSBVLGARI)。

Uの文字は、テンプレート:IPA2の発音をテンプレート:IPA2と書き分けるために、Vの小文字体をもとに中世ロマンス語において初めて登場し、やがてラテン語文献も遡って区別が行われるようになる。この表記は当初は大文字は下のとがったV、小文字は早く書くために下の丸いuだった。

ゲルマン語には、テンプレート:IPA2 と別にラテン語にない テンプレート:IPA2という音素が存在しており、母音テンプレート:IPA2を表す文字として U が定着した結果、V の文字がテンプレート:IPA2音を表すようになった。

英語などではテンプレート:IPA2を表す文字として V(U) を二つ重ねて新たに W が作られた。ゲルマン語の一派である中世高地ドイツ語ではテンプレート:IPA2を表す文字としてWが使われていたが、同時にドイツ語からはテンプレート:IPA2の音素が失われて V も テンプレート:IPA2 で発音するようになり、さらにテンプレート:IPA2の音素で発音する変化が起こった。同一の現象はドイツ語に近いオランダ語でもみられる。

日本語はラテン語と同じく テンプレート:IPA2 の音素はあるが テンプレート:IPA2 がなかったため、近代英語などにおいて V で表される テンプレート:IPA2 の音素を様々に音写している(この点についての詳細は、の記事を参照)。

V の意味・用法

主に大文字

主に小文字

大文字・小文字

符号位置

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
V テンプレート:FormattingError 1-3-54 &#xテンプレート:Dec to hex;
&#86;
v テンプレート:FormattingError 1-3-86 &#xテンプレート:Dec to hex;
&#118;
テンプレート:FormattingError 1-3-54 &#xテンプレート:Dec to hex;
&#65334;
テンプレート:FormattingError 1-3-86 &#xテンプレート:Dec to hex;
&#65366;
全角

脚注

テンプレート:脚注ヘルプテンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:ラテン文字
  1. 徐琳ほか、『傈僳語簡志』p126、1986年、民族出版社、北京
  2. 韋景雲、覃祥周、『壮語基礎教程』p29、2008年、中央民族大学出版社、北京、ISBN 978-7-81108-475-7
  3. 王輔世、『苗語簡志』pp146-147、1985年、民族出版社、北京
  4. 徐琳、趙衍蓀、『白語簡志』p135、1984年、民族出版社、北京
  5. 李永燧、『哈尼語語法』p14、1990年、民族出版社、北京、ISBN 7-105-00648-33