赤胴鈴之助
テンプレート:Sidebar with collapsible lists テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『赤胴鈴之助』(あかどうすずのすけ)は、福井英一と武内つなよしによる漫画で、ラジオドラマ化や映画化、アニメ化もされた。
目次
[非表示]概要
北辰一刀流千葉周作道場の少年剣士、金野鈴之助の活躍を描く。父親の形見である赤い胴(防具)を着けることから「赤胴鈴之助」と言われる。
読みきり作品である『よわむし鈴之助』を元に1954年、『少年画報』に第1回が掲載されたところで福井が急逝してしまったため、武内が後を継ぎ、見事に人気漫画に育て上げたテンプレート:Sfn。
また昭和45年(1970年)、日本文華社「特集漫画トピックス」において、青年になった鈴之助が性に目覚めて悶々とする続編『青年赤胴鈴之助』が描かれている。武内つなよし本人による作品だが、絵柄は全く違う劇画タッチである。さらに昭和52年(1977年)、信濃毎日新聞夕刊に『新・赤胴鈴之助』を週一連載しているが、これはキャラクターのみで、本編とのストーリーの関連性は無い。
あらすじ
剣技に優れた鈴之助は、江戸に出て父の友人である千葉周作に弟子入りし、修行を積んで心と技を磨く。そんな鈴之助に、兄弟子・竜巻雷之進との確執や、幕府転覆をもくろむ鬼面党との対決など、様々な事件が起きる。だが、鈴之助はいかなる苦難にも負けず、正義と剣の道を貫いて行く。
必殺技は、千葉周作の紹介で飛鳥流に弟子入りして伝授された「真空斬り」、物語後半では、それまで片手の手刀で2つにしていた「竜巻」を、両手で交差させながら同時に斬ることによって4つにする「十文字斬り」にパワーアップする。
単行本
以下の5冊は小学館クリエイティブより出版された復刻版。
- (2007年11月)ISBN 978-4-7780-3049-0
- (2007年11月)ISBN 978-4-7780-3050-6
- (2007年11月)ISBN 978-4-7780-3051-3
- (2008年1月)ISBN 978-4-7780-3059-9
- (2008年2月)ISBN 978-4-7780-3062-9
ラジオドラマ
1957年にラジオ東京 (現TBSラジオ)でドラマ化され、公募で選ばれた当時小学生の吉永小百合や藤田弓子が出演した。後に参議院議員となる当時15歳の山東昭子も語り手として出演している。回によっては生放送や公開録音もあった。
キャスト(ラジオドラマ)
- 金野 鈴之助(赤胴鈴之助)(声 - 横田毅一郎)
- 千葉 周作(声 - 久松保夫)
- 千葉 さゆり(声 - 吉永小百合)
- しのぶ(声 - 藤田弓子)
- 頓吉(声 - 古宮英昭)
- 横車 押之助(声 - 大平透)
- 竜巻 雷之進(声 - 宝田明→加々見良一)
- 語り手(声 - 山東昭子)
主題歌(ラジオドラマ)
エピソード(ラジオドラマ)
- 西岸良平作「三丁目の夕日」において、当ラジオドラマをネタにしたストーリーが存在する。
- 1998年劇場公開の映画「愛を乞うひと」(平山秀幸監督作品)では、原田美枝子演じるヒロインの幼少時代の回想シーンにおいて背景効果音として当ラジオドラマの音源が使われている。
- 横浜市の放送ライブラリーでは、ニッスイCM及び次番組「まぼろし探偵」の予告入りの最終回の音源のみ公開されている。
映画
1957年から1958年にかけて大映製作の映画9作品が公開されたテンプレート:Sfn。主演俳優の交代は、鈴之助役の梅若正二が人気を得たことで不遜な態度をとるようになりスタッフから嫌われ引退に追い込まれたためとされる[1]テンプレート:Sfn。
梅若正二編
- 第一話 - 「赤胴鈴之助」(1957年5月21日公開。モノクロ作品。)
- 第二話 - 「赤胴鈴之助 月夜の怪人」(1957年6月18日公開。モノクロ作品。)
- 第三話 - 「赤胴鈴之助 鬼面党退治」(1957年8月13日公開。モノクロ作品。)
- 第四話 - 「赤胴鈴之助 飛鳥流真空斬り」(1957年8月25日公開。モノクロ作品。併映は「透明人間と蝿男」と「頭突きと空手チョップ」)
- 第五話 - 「赤胴鈴之助 新月塔の妖鬼」(1957年9月21日公開。カラー作品。)
- 第六話 - 「赤胴鈴之助 一本足の魔人」(1957年12月28日公開。カラーワイド作品。)
- 第七話 - 「赤胴鈴之助 三つ目の鳥人」(1958年3月11日公開。カラースコープ作品。1971年には「ガメラ対深海怪獣ジグラ」の併映作品として再公開)
桃山太郎編
- 第八話 - 「赤胴鈴之助 黒雲谷の雷人」(1958年11月15日公開。モノクロスコープ作品。)
- 第九話 - 「赤胴鈴之助 どくろ団退治」(1958年12月21日公開。モノクロスコープ作品。)
- キャスト
- 赤胴 鈴之助 - 桃山太郎
- しのぶ - 浅野寿々子
- 他の配役は梅若正二編と同様である。
テレビドラマ
1957年、ほぼ同時期に異なる局で2種類のテレビドラマが製作されている。「日本のおもちゃ遊び」によると本作は日本初のテレビキャラクター玩具が発売された作品である。玩具はヒットし後年の月光仮面や鉄腕アトムへの流れを作った。
また1985年には単発テレビドラマも製作されている。このほか、江木俊夫主演の3回ほどで終了したテレビドラマも存在したとされるが、詳細は明らかになっていないテンプレート:Sfn。
大阪テレビ放送(現・朝日放送)版
1957年9月20日 - 1958年10月3日に放送。全55話。スタジオ生放送で製作された。出演は吉田豊明、石田茂樹、矢野文彦、松井茂美など。
ラジオ東京(現・TBSテレビ)版
1957年10月2日 - 1959年3月25日に放送。全55話。放送時間は毎週水曜18:15 - 18:45。スタジオ生放送で製作された。好評だったラジオドラマをテレビドラマ化したもので、ラジオドラマ同様日本水産の一社提供。出演は、尾上緑也(6代目尾上松助)、小林重四郎、高杉哲平、神田正夫、吉永小百合(テレビ初出演)、五月みどり、野沢雅子、大平透、大塚周夫らがいる。
フジテレビ版
1985年7月8日に『おさわがせ剣士 赤胴鈴之助』というタイトルで、『月曜ドラマランド』内で放送。脚本は萩原芳樹、演出は大黒章弘。内容は大幅に異なり、現代(1985年当時)の剣道音痴の男子高校生が江戸時代にタイムスリップし、剣豪となるという設定。主演は木村一八で、本作が初主演。共演は『月曜ドラマ』常連の小松政夫と塩沢ときの他、一八の実父・横山やすしや西川のりお、島田紳助、チャンバラトリオなど。
エピソード(テレビドラマ)
1957年版とほぼ同時期に登場した阪神3301・3501形電車は上半分がクリーム色、下半分が朱色のツートンカラーで登場したことから「赤胴車」と呼ばれ、このカラーリングはその後長く阪神電気鉄道の優等列車用車両の標準塗装となった。
アニメ
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 1972年4月5日 - 1973年3月28日にフジテレビ系列で放送された。全52話。制作は東京ムービー(現:トムス・エンタテインメント)だが、フジテレビでの放送は初。
当番組は複数社提供だが、かつてラジオドラマや実写版で一社提供した日本水産が筆頭スポンサーとなっている。
キャスト(アニメ)
- 赤胴 鈴之助(声 - 山本圭子)
- さゆり(声 - 小鳩くるみ)
- 龍巻 雷之進(声 - 兼本新吾)
- 波野 十蔵(声 - 永井一郎)
- 波野 大助(声 - 桂玲子)
- 柳生 市太郎(声 - 井上真樹夫)
- 千葉 周作 / ナレーター(声 - 千葉耕市)
- 金野 鉄之助(声 - 大木民夫)
- 紺野 秀香(金野秀)(声 - 前田敏子)
- 鬼首 十郎太 / 銀髪鬼(鬼面党首領)(声 - 小林清志)
- 紫桔梗太夫(声 - 沢田敏子)
- 骸骨鬼(声 - 永井一郎)
スタッフ
主題歌(アニメ)
- オープニングテーマ
- 「がんばれ!赤胴鈴之助」
- 作詞 - 藤島信人 / 作曲 - 金子三雄 / 編曲 - 渡辺岳夫 / 歌 - 東京城北少年少女合唱団
- ラジオドラマや実写版の主題歌を流用したが、一部歌詞が変わっている。
- 初期は1コーラスだったが、中期からは2コーラスとなっている。「東京ムービー アニメ主題歌大全集」(ビデオソフト、LD)では2コーラスバージョンのみ収録。
- 映像は「赤胴音頭」前期を流用しているが、ワンカットだけ映像が新しくなっている。
各話リスト
話 | サブタイトル | 脚本 | コンテ | 作画監督 | 鬼面党の刺客 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 夢は大きな少年剣士 | 七条門 | 吉川惣司 | 香西隆男 塩山紀生 小泉謙三 |
怪人一本足 |
2 | ライバル雷之進との勝負 | 山崎晴哉 | 斉九洋 | 木村圭市郎 | |
3 | ひきょうだぞ!鬼面党 | 鈴木良武 | 平田敏夫 | 香西隆男 塩山紀生 | |
4 | 怪人一本足をやっつけろ! | 金子裕 | 高市一男 | 小泉謙三 | |
5 | 危いぞ!敵は謎 | 山崎晴哉 | 岡崎稔 | 村田耕一 河内日出夫 |
虚無僧兄弟 鬼頭幻心斎 |
6 | カラカサ剣法おどり込む | 鈴木良武 | 小林かおる | 木村圭市郎 荒木伸吾 |
虚無僧兄 鬼頭幻心斎 大山岩鉄 |
7 | すきあり!空転斬り | 金子裕 | 平田敏夫 | 香西隆男 | 虚無僧兄 鬼頭幻心斎 |
8 | 優勝剣士は誰だ! | 田村多津夫 | 岡崎稔 | 小泉謙三 河内日出夫 | |
9 | おのれ!幻心流 | 七条門 | 斉九洋 | 村田耕一 | 虚無僧兄 鬼頭幻心斎 大山岩鉄 |
10 | 闇を走る!地獄の使い | 鈴木良武 | 木村圭市郎 荒木伸吾 |
虚無僧兄 闇の三兄弟 桔梗太夫 | |
11 | 怪しいぞ!柳生市太郎 | 田村多津夫 | 佐々木正広 | 小泉謙三 | |
12 | 出た!!闇の三兄弟 | 金子裕 | 平田敏夫 | 河内日出夫 | 虚無僧兄 闇の三兄弟 桔梗太夫 大山岩鉄 |
13 | 大爆発をくいとめろ! | 山崎晴哉 | 岡崎稔 | 香西隆男 | 虚無僧兄 闇の三兄弟 桔梗太夫 |
14 | 光る!稲妻斬り | 七条門 | 斉九洋 | 村田耕一 | 闇の三兄弟 桔梗太夫 大山岩鉄 |
15 | 見よ!十文字風車槍 | 鈴木良武 | 石川輝夫 | 木村圭市郎 | 闇の三兄弟 桔梗太夫 |
16 | 幽霊船の大決闘 | 金子裕 | 平田敏夫 | 荒木伸吾 | 闇の三兄弟(仁王) 桔梗太夫 玄海丸 |
17 | 母上!鈴之助です | 山崎晴哉 | 岡崎稔 | 香西隆男 | 骸骨鬼 |
18 | 真空谷へ飛べ! | 斉九洋 | 小泉謙三 | ||
19 | 鬼面の口に進む母子 | 田村多津夫 | 石黒昇 | 河内日出夫 | 骸骨鬼 千波半蔵 |
20 | 巨人・くろがね丸 | 七条門 | 斉九洋 | 村田耕一 | 骸骨鬼 くろがね丸 |
21 | 鬼面党砦をぶっつぶせ! | 小泉謙三 | |||
22 | 吠える!狼部隊 | 田村多津夫 | 岡崎稔 | 木村圭市郎 | 青銅鬼 毒牙鬼 |
23 | 恐怖の真空谷 | 山崎晴哉 | 石黒昇 | 荒木伸吾 | 青銅鬼 ましらの三兄弟 |
24 | 起これ!つむじ風 | 鈴木良武 | 斉九洋 | 村田耕一 | 青銅鬼 霧角 |
25 | 真空斬りの謎 | 金子裕 | 香西隆男 | 青銅鬼 ムササビ衆 | |
26 | やったぞ!赤胴真空斬り | 山崎晴哉 | 宮崎駿 | 河内日出夫 | 青銅鬼 |
27 | 大暴れ!真空斬り | 七条門 | 小泉謙三 | 鬼ゴウモリ | |
28 | 笑う!クモの巣怪人 | 石川輝夫 | 木村圭市郎 荒木伸吾 |
鬼卍 蜘蛛六 | |
29 | 手まりの謎を追いかけろ! | 田村多津夫 | 斉九洋 | 河内日出夫 | 鬼卍 鬼あらし |
30 | 魔の忍者屋敷 | 鈴木良武 | 岡崎稔 | 香西隆男 | 鬼卍 鬼神丸 |
31 | 真空斬り対卍剣 | 金子裕 | 斉九洋 | 村田耕一 | 鬼卍 |
32 | 決死の空中戦 | 山崎晴哉 | 小泉謙三 | ||
33 | 恐怖の水中竜 | 七条門 | 小華和ためお | 荒木伸吾 | 鬼ザメ |
34 | 鬼怪島の死闘 | 山崎晴哉 | 石川輝夫 | 木村圭市郎 | 鬼ザメ 海鬼坊 |
35 | 水中竜を生け捕れ | 金子裕 | 斉九洋 | 河内日出夫 | 鬼ザメ |
36 | 美少女なぎさの秘密 | 鈴木良武 | 岡崎稔 | 香西隆男 | |
37 | 思い知れ!鬼面党 | 山崎晴哉 | 小華和ためお | 村田耕一 | |
38 | 母上がさらわれた! | 金子裕 | 石川輝夫 | 河内日出夫 村田耕一 |
幻斎 角助 お雪 新太郎 |
39 | おそう!毒矢羽 | 七条門 | 小泉謙三 | ||
40 | けんかまといだ!鈴之助 | 鈴木良武 | 斉九洋 | 木村圭市郎 | |
41 | キリシタンの秘宝 | 山崎晴哉 | 宮崎駿 | 荒木伸吾 | 剣鬼 お藤 妖怪白狐 |
42 | 近い!宝の山 | 金子裕 | 黒田昌郎 | 香西隆男 | 剣鬼 お藤 |
43 | せまる!オランダ剣 | 鈴木良武 | 石黒昇 | 村田耕一 | |
44 | 見つけた!輝く宝 | 七条門 | 今沢哲男 | 香西隆男 | |
45 | 銀髪鬼現わる! | 山崎晴哉 | 小泉謙三 | 銀髪鬼(=影武者・青山半兵衛) | |
46 | 銀髪鬼の正体 | 金子裕 | 今沢哲男 | 木村圭市郎 | |
47 | 鬼面党の大攻撃 | 七条門 | 黒田昌郎 | 河内日出夫 | 四夜一柳軒 鬼骨仙人 |
48 | あやうし!真空斬り | 鈴木良武 | 石川輝夫 | 荒木伸吾 | 四夜一柳軒 |
49 | なるか!?十文字真空斬り | 七条門 | 斉九洋 | 香西隆男 | |
50 | 鬼面戦車をふきとばせ! | 金子裕 | 黒田昌郎 | 村田耕一 | |
51 | 鬼面城にのりこめ!! | 山崎晴哉 | 小泉謙三 | 片目虎 | |
52 | あっぱれ!赤胴鈴之助 | 鈴木良武 | 吉田茂承 | 木村圭市郎 荒木伸吾 |
エピソード(アニメ)
パロディ
月刊アフタヌーン2007年3月号の別冊付録「アフタヌーン創刊20周年・永井豪 漫画家生活40周年記念『豪ちゃんマガジン』」(永井豪特集)に「赤褌鈴乃介」という美少女剣士が主人公のパロディ作品が掲載された。