東陽バス

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テンプレート:混同 テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox テンプレート:ウィキプロジェクトリンク テンプレート:ウィキポータルリンク 東陽バス株式会社(とうようバス)は、沖縄県南城市佐敷字新里に本社を置くバス会社。路線バスおよび観光バス事業を営む。琉球バス交通那覇バス沖縄バスと並ぶ沖縄本島の民間乗合バス会社4社のうちの1社である。

沖縄本島の4社の民間乗合バス会社の中では、車両数、路線数とも一番規模が小さいが、他社に比べ単独運行区間が長いのが特徴である。

概要

  • 主に、本島の東南部を中心に運行を行っている。エリアは南部の南城市知念志喜屋から中部の沖縄市泡瀬(4社共同運行である高速バスは除く)までで浦添市中城村、沖縄市など単独路線も多く見られ、地域住民には欠かせない足となっている。
  • 車種はほぼ日野いすヾは観光車に存在するのみとなった。(いすゞの路線車両は2009年の事故により廃車)
  • 2002年9月民事再生法の適用を申請し、事実上倒産した。これが本島乗合バス会社の最初の倒産であった。この約1年後の2003年6月に那覇交通(現那覇バス)が、そのまた2年後の2005年5月には琉球バス(現琉球バス交通)がそれぞれ民事再生法の適用を申請、倒産し、その後この2社は第一交通産業に譲渡される形で子会社となった。
  • 2003年までに沖縄本島内の路線バスを運行する4社(琉球バス(現琉球バス交通)、沖縄バス、那覇交通(現那覇バス)、東陽バス)の乗合部門の統合の話が進められたが、残る観光部門への融資金などの問題によりバス会社4社と県との足並み揃わず、最終的に沖縄バスの反対により4社統合は白紙となった。

沿革

  • 1951年8月7日 「協同バス」から分離して東陽バス株式会社として路線バス事業を開始。
  • 1960年2月ごろ 組合員5人の解雇に対する琉球政府中央労働委員会の裁定(高度の信頼関係の不在を理由に解雇取消しの申立てを却下)に端に発した争議。沖交労が官公労などの支援を受けて中労委命粉砕を目標に2波のストライキを含めて闘った。会社側のロックアウト、組合員と非組合員の激突など事態は悪化し、組合側は法廷闘争へと転換した。巡回裁・上訴裁とも組合側が勝訴したが、暴力団の介入が続き、結局5人とも辞め、組合も解散した。
  • 1986年4月1日 与那原テック閉鎖。
  • 1988年 与那原テック跡地に東陽ゴルフクラブ開業。
  • 1989年4月1日 消費税導入により運賃改定、1キロ当り24.00円(那覇市内区間150円、那覇市外区間初乗り110円)。同年3月17日に沖縄総合事務局認可。
  • 1989年10月1日 那覇市内区間運賃改定(160円)。
  • 1990年4月1日 運賃改定。前年10月1日の那覇市内区間が3月23日に沖縄総合事務局に正式認可。改定幅はなし。
  • 1991年4月1日 運賃改定、1キロ当り25.90円(那覇市内区間170円、那覇市外区間初乗り120円)。同年3月19日に沖縄総合事務局認可。
  • 1993年11月1日 運賃改定、1キロ当り28.40円(那覇市内区間190円、那覇市外区間初乗り130円)。同年10月21日に沖縄総合事務局認可。
  • 1998年6月1日 運賃改定、1キロ当り30.40円(那覇市内区間200円、那覇市外区間初乗り140円)。同年5月21日に沖縄総合事務局認可。
  • 2001年6月1日 138番・向陽高校線廃止。
  • 2001年8月30日 宜野湾駐車場にて警察庁国土交通省による実証実験事業としてパークアンドバスライドが実施。それに伴い、那覇バスターミナル〜宜野湾駐車場間にてバスの運行を行った。
  • 2001年10月5日 パークアンドバスライド終了に伴い、バス運行を終了。
  • 2001年12月27日 与那原町に保有していた、東陽ゴルフクラブを売却。
  • 2002年1月11日 売却した東陽ゴルフクラブを与那原開発が買取。MTG(マリンタウンゴルフ)として、リニューアルオープン。
  • 2002年1月31日 宮城高架下駐車場(南風原町)にて警察庁国土交通省による実証実験事業としてパークアンドバスライド2が実施。それに伴い、那覇バスターミナル〜宮城高架下駐車場間にてバスの運行を行った。
  • 2002年3月29日 パークアンドバスライド終了に伴い、バス運行を終了。
  • 2002年4月11日 始発から48時間の全面ストライキを実施。通勤・通学の1万2千人の足に乱れが生じた。
  • 2002年9月20日 那覇地裁民事再生法の適用を申請。
  • 2003年1月20日 191番・城間(一日橋)線運行開始。
  • 2003年9月30日 60番・城間(大名)線廃止。
  • 2003年11月5日 58番・県総合運動公園線廃止。59番・新垣線経路変更。
  • 2003年12月1日 96番・浦添港川線廃止。
  • 2004年2月2日 60番・泡瀬循環線、96番・沖縄東中学校線運行開始。57番・美東線、92番・東南植物楽園線廃止。
  • 2004年2月27日 内閣府 沖縄総合事務局が渋滞状況を把握することを目的として、県内の一部の路線バスにGPS車載機を搭載しバスの位置情報から旅行速度を割り出す調査(バスプローブカー調査)をする沖縄バスロケーションシステムを試験運用開始。同社の対象路線は30番・泡瀬東線。
  • 2004年9月13日 30番・泡瀬東線経路変更。
  • 2005年3月31日 59番・新垣線廃止。
  • 2005年4月4日 58番・馬天琉大泡瀬線運行開始。
  • 2005年5月16日 30番・泡瀬東線発着地変更。
  • 2006年3月1日 精神障がい者への運賃割引を実施。沖縄総合事務局が同年2月22日に各事業者からの割引制度適用を求める届け出を17日付で受理し、普通旅客運賃と回数旅客運賃が5割引き、定期旅客運賃が3割引きとなる。
  • 2006年4月27日 馬天営業所にてちゅらさんバス(実施系統は91番と191番)の出発式を行う。
  • 2006年12月1日 久手堅連絡所が廃止となり、馬天営業所に統合された。それに伴い37番 (那覇新開線)、38番 (志喜屋線)ダイヤ改正。
  • 2007年2月11日 那覇市国際通りにおいて、毎週日曜日12時〜18時までトランジットモールが本格実施され、時間中は国際通りの一般車両の通行が禁止される。その為那覇市内の国際通りを経由するバスは一部路線変更に。また、一部路線に美栄橋経由を新設。
  • 2007年7月1日 30番・泡瀬東線、38番・志喜屋線経路変更。
  • 2007年12月15日 沖縄市で12月15日から2008年2月16日までの期間、コミュニティバスの実験運行が行われる。
  • 2008年3月1日 57番・那覇マリンタウン馬天線、59番・那覇マリンタウン線運行開始。
  • 2008年12月22日 原油高騰などで運賃改定、1キロ当り35.40円(那覇市内区間220円、那覇市外区間初乗り160円)。同年12月9日に沖縄総合事務局認可。
  • 2010年3月31日 沖縄バスロケーションシステム試験運用を同日21時をもって終了。
  • 2011年8月1日 沖縄県が発行する東日本大震災の被害者証明カード「ニライ・カナイカード」でのバス料金割引サービス開始。
    • ニライ・カナイカードを持っている一般及び学生が対象で定期券及び回数券で2014年4月1日までに販売分で、購入の際はニライ・カナイカードを販売員に提示で、定期券は通常料金の3割引で回数券、通常料金の5割引。乗車し支払いの際は運転手にニライ・カナイカードの提示を行う。但し、現金支払いは適用外。
  • 2012年5月7日 65歳以上で運転免許証を返納した者を対象に路線バスを利用する際に免許証返納後発行される「運転経歴証明書」を運賃支払い時に提示すれば運賃を半額にするサービス開始。4月23日に沖縄県警察と制度の締結。
  • 2012年8月1日 沖縄市山里のさくら文具店に委託して行われていた、定期・回数券販売所「山里販売所」を閉鎖。業務は前日販売分で終了。
  • 2012年8月17日 本社事務所を同年の9月8日に那覇市壺川から南城市佐敷字新里へ移転予定に伴い、壺川の本社事務所での定期・回数券終了。
  • 2012年10月1日 事業再生を推進するため、組織変更を行い、路線バスおよび観光バス(一般乗合旅客自動車運送事業および一般貸切旅客自動車運送事業)について、会社分割(承継分割)を実施に伴い、本社を南城市佐敷字新里545へ、観光部を豊見城市字与根324-1へそれぞれ移転した。
  • 2012年12月19日 沖縄県が主体になり、沖縄本島内4社の路線バスを運行するバス会社も参加し、路線バスの利用増加目標に7つの公約を掲げ、地元の芸人のゆうりきやーを党首などにあて、わった〜バス党を結党。
  • 2013年4月1日 沖縄本島内の路線バス会社4社の路線バス総合案内サイト(バスなび沖縄)を運用開始。
  • 2013年12月24日 30番(泡瀬東線)の一部路線変更。

車内放送

  • 2007年12月より、沖縄市コミュニティバスで音声合成放送が採用されたのを皮切りに、他の一般路線にも音声合成放送装置を設置した車両が出てきた。沖縄バスと同様、新品で導入したレゾナント・システムズ製の機材を使用している。なお、この機材は次停留所案内時のチャイム音はない(すぐ「次は〜」になる)。また、車外放送、「つぎ止まります」、「発車します。」のアナウンスは使用している。
    • 2008年4月25日の以降にもこれまでの8トラテープ案内使用車両が一時期存在していたが、2008年に入ってから放送装置の入れ替えが順次行われ、2011年に全ての車両は音声合成化された。
    • 音声合成装置の設置は、8トラテープの外枠を作り直して、音声合成用のものに置き換えられ、それに音声合成装置を設置している。
    • 車内放送装置起動操作盤(リモコン)も併せて取替えられている。

営業路線、及び所轄営業所

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  • 30番・泡瀬東線 - 那覇営業所・泡瀬営業所・馬天営業所
  • 31番・泡瀬西線 - 那覇営業所・泡瀬営業所
  • 37番・那覇新開線 - 那覇営業所・泡瀬営業所・馬天営業所
  • 38番・志喜屋線 - 那覇営業所・泡瀬営業所・馬天営業所
  • 57番・那覇マリンタウン馬天線 - 馬天営業所(那覇営業所を発着するが、運行は馬天営業所のみが担当)
  • 58番・馬天琉大泡瀬線 - 馬天営業所・泡瀬営業所
  • 59番・那覇マリンタウン線 - 馬天営業所(那覇営業所を発着するが、運行は馬天営業所のみが担当)
  • 60番・泡瀬循環線 - 泡瀬営業所
  • 91番・城間(南風原)線 - 馬天営業所
  • 96番・沖縄東中学校線 - 泡瀬営業所
  • 111番・高速バス (琉球バス交通、沖縄バス、那覇バスとの共同運行) - 那覇営業所
  • 191番・城間(一日橋)線 - 馬天営業所
  • 那覇空港リムジンバス (沖縄バスとの共同運行) - 那覇営業所
    • 芭蕉号、カトレア号、月桃号、花号、ゆうな号の運行を行っている。

廃止路線、及び所轄営業所

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  • 37番・知念線 - 那覇営業所・久手堅連絡所
  • 57番・美東線 - 泡瀬営業所
  • 58番・中城公園線
  • 58番・県総合運動公園線 - 泡瀬営業所
  • 59番・新垣線 - 馬天営業所・泡瀬営業所
  • 60番・城間(大名)線 - 馬天営業所
  • 92番・東南植物楽園線 - 泡瀬営業所
  • 96番・浦添港川線 - 馬天営業所
  • 110番・深夜バス - 那覇営業所
  • 138番・向陽高校線 - 馬天営業所
  • パークアンドバスライド:第1弾
  • パークアンドバスライド:第2弾
  • 沖縄市コミュニティバス

バスターミナル、及び設置営業所

名護バスターミナル
那覇バスターミナル

営業所・整備工場

泡瀬営業所
馬天営業所
観光部
整備工場

定期券・回数券販売所

直営

泡瀬営業所
  • 取材地 - 沖縄県うるま市前原386-2
  • 販売時間 - 平日・土曜日10時〜18時30分(13時〜14時は休憩)
  • 休業日 - 日曜日・休日・旧盆(旧暦7月15日)
  • 販売種類 - 定期券・回数券
馬天営業所
  • 取材地 - 沖縄県南城市佐敷津波古2263-1
  • 販売時間 - 平日・土曜日10時〜18時30分(13時〜14時は休憩)
  • 休業日 - 日曜日・休日・旧盆(旧暦7月15日)
  • 販売種類 - 定期券・回数券
那覇営業所
  • 取材地 - 沖縄県那覇市泉崎1-20-1(那覇バスターミナル内1階
  • 販売時間 - 平日・土曜日10時〜18時30分
  • 休業日 - 日曜日・休日・旧盆(旧暦7月15日)
  • 販売種類 - 定期券・回数券

閉鎖された営業所

古波蔵本社・観光部
  • 所在地 - 那覇市字古波蔵26
  • 閉鎖年月日 - 1970年
  • 共同使用バス会社 - 無し
与那原営業所(初代)
  • 所在地 - 与那原町字与那原3859-1
  • 閉鎖年月日 - 不明
  • 共同使用バス会社 - 無し
与那原営業所(2代目)
  • 所在地 - 与那原町字板良敷604-605
  • 閉鎖年月日 - 1980年
  • 共同使用バス会社 - 無し
久手堅連絡所
  • 所在地 - 南城市知念字久手堅543
  • 閉鎖年月日 - 2006年12月1日
  • 共同使用バス会社 - 無し
壺川本社・観光部

定期観光

2002年民事再生法適用後は休止中。再開の見通しは立っていない。

Aコース(南部戦跡・玉泉洞観光)
  • 概要
  • 経由地
    • 東陽バス本社→海軍壕→ひめゆりの塔→摩文仁丘・平和祈念堂→玉泉洞→那覇ショッピングセンター→東陽バス本社
Bコース(国営沖縄記念公園観光)
  • 概要
  • 経由地
    • 東陽バス本社→守礼門→万座毛→国営沖縄記念公園→パイン園→東南植物楽園→プラザハウス→東陽バス本社

車両

730日野が指定されたことから、車種はほぼ日野で占められているが、いすヾが観光バスに1台存在する。

一般路線車については前扉のみの仕様(トップドア仕様)が標準であり、以前は譲受車両に関しては、後ドア、中ドア部分を溶接で埋め、見た目はトップドア仕様にし、新たに前方側面に方向幕を増設するという改造が行われていたが、近年の譲受車両は他社同様に扉部分はステップを板などで埋めた上で座席を増設し、扉は閉め切り扱いし、側面方向幕は板にて表示するという方法になっている。なお、初期には外装だけではなく、内装も大部分を改装していたが、これも近年は行われていない。

沖縄本島では2004年3月頃に沖縄バスが初めて新車でワンステップバスを導入したが(中古ではその数ヶ月前に導入)、その半年後に東陽バスも譲受車という形ではあるが2台のワンステップバスを導入している。それらの車両は沖縄バスとは異なり、中ドアの使用を想定していない仕様(中ドアを塞いでいる)となっており、また、他車両の外見上の比較は前ドア付近にある「ワンステップバス」の表示だけである。

ファイル:Toyobus hino RE101.jpg
730車 日野RE101 沖22か906

また、沖縄本島内の乗合バス会社4社(琉球バス交通、沖縄バス、那覇バス、東陽バス)の中では、最後まで730車1978年7月30日沖縄県で行われた交通方式変更の際に導入された車両)が常用車両として残っていた。これは、他社に比べ代替車両の導入が遅れたことが影響している。その後、譲受車両により急激に廃車が進み、2008年6月には1台を残して全車が廃車となった。なお、残った1台(沖22か906:日野RE101)は沖縄バスと同様に動態保存されており、2009年6月に沖縄日野自動車の協力を得てリニューアル補修を受けている。現在は月に数日のペースで営業運転にも入っており、東陽バスのWebサイトで運行予定を公開している。

なお、路線バス車両においては1993年以後は新車の導入を行っていない。

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:沖縄本島のバスターミナル・営業所