戸田競艇場

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テンプレート:基礎情報 競艇場 戸田競艇場(とだきょうていじょう)は埼玉県戸田市にある競艇場[1][2]

通称は、BOAT RACE戸田(ボートレースとだ)。

概要

戸田競艇場は戸田漕艇場の西端にあり、漕艇場を含めた水面は1940年の幻の東京オリンピックのために整備されたものである。後に1964年東京オリンピックボート競技の競技会場となったため1962年から開催が休止され、一時は当時の公営競技を取り巻く状況から再開が危ぶまれたが、1965年より再び開催されている[3]

利用客は住之江競艇場尼崎競艇場平和島競艇場に匹敵するくらい多く、関東の競艇場では売上・利用客共に一番多い。その証しとして1996年賞金王決定戦競走の第8回大会が開催された。また、川口オートレース場が比較的近いため、同じ日に両方をはしごすることも可能である。[† 1]

施行者は地元の戸田市等を含む戸田競艇組合と、県庁所在地のさいたま市等を含む埼玉県都市競艇組合である。

競艇場のマスコットキャラクターは「ウインビー」と恋人役の「ウインク」。「勝利(WIN)を呼ぶビーバー」という意味で「ウインビー」と名付けられた(ウインクの名前は一般公募で決定)。

埼玉県深谷市国道17号沿いにあるボートピア岡部埼玉県久喜市国道4号沿いのボートピア栗橋山梨県甲斐市国道20号沿いのミニボートピア双葉新潟県阿賀野市サントピアワールド前のミニボートピア阿賀野新潟亀田インターチェンジから車で5分のミニボートピア新潟で全競走の舟券を購入することが可能である。

テレビ埼玉では、埼玉県内の公営競技のダイジェスト番組「バッハプラザ」が毎日放送され、戸田競艇開催時(前検日から最終日まで)は全レースの結果と翌日の第7レース『バッハプラザ特別』(GIII以下の開催のみ)・最終2-3レースの出走表が放映される。

ナイター競走の場外発売は2010年より、オーシャンカップの3日目以降に限り行っていた(2日目までと2010年の全日本選手権は本場併用の前売発売)が、2012年のモーターボート記念で初めて全日程ナイター発売を行った(女子王座決定戦は3日目以降で本場併用の前売発売)。

2011年2月より、関東5競艇場とボートピア岡部・栗橋・横浜・平和島競艇劇場との間で相互払戻を開始。対応払戻所は『どこでもはらいおん』のステッカーが目印となる外向前売発売所・2F投票所・3D投票所の3箇所。

実況はオフィス・ケイ・ステーション堂前英男吉原完二宮淳一をメインとして、田島美生和気輝雄を加えた計5名が担当している。以前は北嶋興が担当していた。また、堂前はBSフジで毎週日曜日に生放送中の競艇中継番組・競艇LIVEにて島崎和歌子と共に司会を担当している。

8月下旬の週末には競艇場の施設が2008年以降戸田ふるさと祭りの会場として使用されている(この祭りには選手会埼玉支部も参加し、ペアボート試乗会やチャリティーオークションなどを行う。2009年8月29日30日にはプロレス団体アイスリボンがリングを設置して大会を開催した。)。

施設の特徴

ガラス張りの大きなスタンドを有し、競艇場内には吉野家(競艇場では戸田のみ)やゲームセンター、床屋等の施設もある。また大きなイベントホールを持っていて、レース開催時には頻繁に歌謡ショーがあり、一般戦でも優勝戦出場選手インタビューがある。施設内は冷暖房完備である。また、展示時およびレース時には、現在走っている艇のエンジン音を館内にも流すため、館内でも臨場感のある観戦が楽しめる。単勝・複勝発売窓口は1A投票所にある。競艇選手によるモーター・ボート説明会が時々行われるが、その会場は1階のメディアギャラリーである。JLCのグッズ販売およびパソコンが置いてあるのも、このメディアギャラリーである。解放型の旧館スタンドも残されているが、2005年の耐震改修工事により、4階、5階部分が撤去された。ここでは通称「戸田座り」で親しまれてきている独特の腰掛け方(ただしマナーとしては良くない)を見ることができる。

警備会社ヤマトによる「アクアコンシェルジュ」と呼ばれる警備及び接客スタッフがいる。戸田では特に「ウインクガールズ」と呼ばれる。

対岸には大型映像装置2面(三菱電機製)と競艇場では唯一の3連単一括表示のオッズ盤がある。競技情報・オッズなどの画面は全て戸田独自のものを使用し、レース中継では最終周回のバックストレッチで先頭艇・2位航走艇・3位航走艇が字幕つきのアップで映し出される。2010年3月に大型映像装置(右側)の交換が行われ、24競艇場で最も早く場内映像システムのデジタル化を完了した。戸田のレース映像は場内全てのモニターでフルハイビジョン放映されるほか、専用場外のボートピア岡部・栗橋においても専用回線によってフルハイビジョンでの放映を行っている。

スタンドから見てちょうど対岸の位置にTBSラジオの戸田送信所[† 2]があり、中波送信用のアンテナ鉄塔が立つ。この様な立地の都合、場内のテレビは強力な電波干渉による画像異常を防止する必要があり、電磁シールドを強化した収納箱に収められている。この為、場内テレビの画面はやや暗く見える。以前はイベントホールでの優勝戦出場選手インタビューなどでワイヤレスマイクを使用している時にTBSラジオの放送電波がかすかに聞こえていた時期もあった。

場内では、周回展示・発売締切5分前・3分前・1分前と発売開始・締切のBGMは独自のオルゴール調のものを使用している。払戻金のチャイムもメロディとなっている。締切1分前・発売締切のBGMはそれぞれJLCの戸田単独中継時の場外締切3分前・オッズ放映終了のBGMとしても使われる。

施設を地図で確認するとモーターボートの形状を模していることがわかる。

水面の特徴

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2マーク付近を競走中のモーターボート (2007年)

戸田漕艇場の西端を競走水面として使用している。水質は淡水[1][2][4]で、競走水面はプール[1][2]。波は一年を通して穏やかである[1]。元々が漕艇場として人工的に開削された水面であるため、漕艇場としては十分な幅をもっているが、競艇場として見た場合、水面の横幅の狭さ(107.5m[2])は日本一である[1][2]。そのため、ホームストレッチ側では観客の目の前を舟が通り、舟がバックストレッチ側を通っていても水面際から非常に見やすいというメリットもある。その一方で、コースの幅が狭いため、水面に慣れていない選手がターンマークの近くでエンストや転覆を起こすケースが散見され、「抜き」の醍醐味が失われるケースが見られる。

エンジンは消音のものを使用している。チルトは24競艇場中唯一、-0.5・0・0.5の3種類しか使えない。狭いコースゆえ旋回性を重視し、ボート底面のフィンは他場のものより大きい。エンジン交換は毎年7月に行っている。

1マークを大きくホームストレッチ側に寄せているためか、1コースが24競艇場で最も弱い。前づけを行う選手も1コースまでは入ってこないケースが多い。1コースまで前づけで入ってきたとしても深インになってしまうケースが多く、その場合は、よほど展開に恵まれない限り1着になることはない。3コースおよびカド位置からのまくりが目立つが、実力者が1コースに入った場合はしっかりイン逃げしてしまうことが多い。またチルトが最大+0.5までなので、6コースからの大外まくりはかなり難しい。

水面は基本的には漕艇場のものであるため、優勝戦後はターンマークなどを撤収し、水面上に浮かんでいる漕艇コースとの仕切り(自走式)を移動させ、漕艇競技者に水面を解放している。漕艇の大会があるときには、競艇の開催はなるべく行わず、場外発売のときには水面への立ち入りを制限する等の措置をとっている。場外発売時も水面は解放されており、対岸の大型映像装置の前を漕艇が通過する光景が見られる。

ピットの後方に笹目川から水を入れるための水門があるが、東京オリンピック以後開いたことはない。そのため、現在漕艇場の水は雨水と湧水でできているため水質は良くないのだが、近年は埼玉県ボート協会と共同で池蝶貝による水質改善の研究を行っており、徐々に改善に向かっている。

主要開催競走

例年、周年記念(GI)として戸田プリムローズ[† 3]が行なわれている(3月開催が多いが、総理大臣杯などを戸田で開催する場合は開催時期が異なる場合がある)。

企業杯(GIII)の協賛企業は固定されていない。

正月には「埼玉選手権」、お盆には「戸田ボート大賞」という名称でオール埼玉支部選手によるレースが行われている。この際埼玉県在住の選手については、出走表の現住所欄に市町村名が表記される。ゴールデンウィークにはマスコットキャラクターである「ウインビー」にちなんで「ウインビーカップ」が行われるが、こちらも半分以上が埼玉支部選手である。

「隼」の異名を持つ加藤峻二の功績を称えて「隼杯」が行われている。

GIII以下の全日程で第7レースは「バッハプラザ特別」と称して本命レースが行われている。1号艇は初日の戸田選抜もしくはそれに相当する選手、2 - 6号艇はB級選手(そのうち実力・機力で上位の選手が1人か2人)の対戦。

2004年は埼玉国体の漕艇会場として水面を利用するため、大きな競走(レース)は行わなかった。

賞典レースのタイトルは以下の通り。

レース名 グレード・レース種別など
ドリーム戦 SG・GIの初日最終レース
ウインビー選抜戦 地元戦・新鋭・企業杯の初日最終レースおよびSG最終日の第9レース
ウインク選抜戦 女子リーグおよびオール女子の初日最終レース
戸田選抜戦 一般戦の初日最終レース

SG開催実績

年度 競走名 優勝者 登番 出身
1966 第12回全国地区対抗競走 竹内虎次 899 岡山
1969 第04回総理大臣杯競走 岡本義則 1488 福岡
1983 第29回モーターボート記念競走 望月重信 2626 神奈川
1988 第23回総理大臣杯競走 彦坂郁雄 1515 千葉
1989 第24回総理大臣杯競走 高橋博文 2446 大阪
1990 第37回全日本選手権競走 今村豊 2992 山口
1993 第28回総理大臣杯競走 植木通彦 3285 福岡
1993 第40回全日本選手権競走 長嶺豊 1812 大阪
1994 第21回笹川賞競走 福永達夫 2205 山口
1996 第11回賞金王決定戦 植木通彦 3285 福岡
1999 第46回全日本選手権競走 山室展弘 3070 東京
2000 第47回全日本選手権競走 池上裕次 3245 埼玉
2003 第38回総理大臣杯競走 西村勝 3589 埼玉
2003 第50回全日本選手権競走 山崎智也 3622 群馬
2006 第33回笹川賞競走 山崎智也 3622 群馬
2007 第17回グランドチャンピオン決定戦競走 湯川浩司 4044 大阪
2009 第19回グランドチャンピオン決定戦競走 今垣光太郎 3388 石川
2011 第46回総理大臣杯競走 地震のため開催中止
東日本復興支援競走 重野哲之 3995 静岡
2012 第47回総理大臣杯競走 馬袋義則 3612 兵庫

SG開催予定

埼玉支部の有名選手(登録順)

アクセス

鉄道利用の場合、下記4駅からそれぞれ無料送迎バスを利用できる[1][5]

  • 無料送迎バスを利用するとバックストレッチ側にあるバスターミナルでバスを降りることになる。バスを降りた後は戸田公園大橋というつり橋を渡って、競艇場の東入場門にアクセスすることになる。
    • 橋は第1ターンマークに隣接しており、橋の上から1マークの攻防を眺めることができる。そのためか、この戸田公園大橋が第2スタンドになることもある。多摩川の是政橋同様、通称「オケラ橋」とも呼ばれている。ちなみに、漕艇ではこの橋が500m線となる。
  • 休日は最終レースまで観戦すると、バス乗り場や周辺の道路が混雑する。

周辺

脚注

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注釈

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出典

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参考文献

外部リンク

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  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 藤野2006、209頁。
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 蛭子1992、198頁。
  3. 日本財団図書館・競艇沿革史
  4. テンプレート:Cite web
  5. 5.0 5.1 5.2 5.3 テンプレート:Cite web


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