南大東村

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テンプレート:出典の明記 テンプレート:Mboxテンプレート:Infobox 南大東村(みなみだいとうそん)は、沖縄本島の約400km東方(宮崎県の真南)に位置する南大東島を行政区画とする沖縄県島尻郡に属する。

開村以来サトウキビの生産が村の中心的産業である。近年航空機の大型化などで観光客が容易に訪れることが可能になり、豊かな自然を生かした観光地としても注目されてきている。

地理

南大東島#地理を参照。

地域

  • 池之沢(いけのさわ) - 大東神社が鎮座している。
  • 北(きた) - 観光地として整備された星野洞が存在する。
  • 旧東(きゅうとう) - 南大東島村ビジターセンターが立地する。
  • 在所(ざいしょ) - 南大東島の中心地。島内の商店の大半が立地している。
  • 新東(しんとう) - 秋葉神社が鎮座している。
  • 南(みなみ) - 村役場が置かれている。

隣接している自治体

歴史

沿革

※村制施行以前の歴史については南大東島#歴史を参照。

行政

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経済

産業

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耕作可能な土地の殆どはサトウキビ畑である

サトウキビ栽培を目的として開拓されたため、今日まで島の基幹産業はサトウキビ栽培である。1984年(昭和59年)までは、サトウキビ輸送のための専用鉄道も存在した。※詳細は、沖縄県の鉄道#玉置商会 - 東洋製糖 - 大日本製糖 - 大東糖業を参照。

農家一戸あたりの平均耕地面積は約8haと比較的大規模である。また、この大規模なサトウキビ農業に支えられていることもあって村民の平均所得は隣の北大東村と並んで県内では上位に位置している。漁港が整備されるまでは漁業は殆ど行われていなかったが、近年の漁港の整備と航空機材の大型化で販路が開拓されたため、マグロやカジキ等の漁業の拠点として注目されつつある。

名産・特産品

  • ラム酒
    • 特産のサトウキビを使ったラム酒が、旧南大東空港ターミナル施設を活用して製造されている。沖縄県のベンチャー企業であるGRACE RUM社が「COR COR」というブランドで生産している。平日は施設見学も可能。
  • 大東そば
    • 小麦粉にガジュマル木灰と海水を混ぜて作る、青竹手打ちの沖縄そばバージョン。麺のコシが非常に強く、うどんと言ってもよいほど太い。島の目玉料理であるほか、那覇市国際通りにも支店がある(以前は豊崎ニュータウンにも支店あった)。
  • 大東ずし
  • 大東ようかん
    • 大東ずし同様、八丈島から伝わったとされる。手作りで素朴な味のため土産品としての評価が高い。製造元はいくつかあり、商店や空港等で販売されている。なお、沖縄の伝統的な文化として羊羹を食べる風習がなく、伝統的な産品としての羊羹は沖縄県下では唯一の事例である[1]
  • インガンダルマ(ダルマ)
    • 夜行性の深海魚。したたるほどよく脂が乗っているが、その脂は大部分が人体には吸収されないワックスであるため、大量に摂取すると、下痢や腹痛を起こしたり皮膚から脂が直接出たりする。そのため地元住民の間では「ダルマは1日3切れまで」と言われている。
  • シージャーキー(マグロのミリン干し)
    • マグロで作られたスティック状の干し肉。マグロが取れる漁港周辺でしか流通しておらず、沖縄県では南大東島でしか手に入らない。島内の商店か空港で入手できる。

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観光業

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宿泊施設の一例(民宿金城)

宿泊施設は小規模なホテルと民宿が計3件あり、空港や港への送迎のほか、レンタカー(自動車・バイク・自転車)の営業も行っている。このほか、西港を見下ろす高台にバンガローを備えたキャンプ場もある。

人口の割に居酒屋や娯楽施設が多く、ビリヤード場やカラオケボックスなどもある。

  • ホテルよしざと・民宿よしざと
    • 島で一番の規模を持つホテル。秋篠宮夫妻が宿泊[2]した「特別室」もある。
  • プチホテルサザンクロス
  • 民宿金城
    • 宿泊料金は島で一番安価である。

日本郵政グループ

  • 日本郵便 南大東郵便局(在所)
    ※ 2013年10月現在、郵便窓口は土曜日(休日の場合を除く)の午前中も開設。なお、局内設置のゆうちょ銀行ATMはホリデーサービスは行われていない。
    ※南大東村内の郵便番号は、901-38xxである。


地域

人口

テンプレート:人口統計

15歳から18歳の人口が極端に少ないのは村内に高等学校が存在しないため。

教育

村内に、南大東村立南大東小中学校、南大東村立南大東幼稚園、南大東村立保育園がある。なお、高等学校は所在しない。

交通

村外との交通

空路

ファイル:Dash8RyukyuAirCommuter.JPG
南大東空港に到着したRAC便

記述の内容は2012年7月現在。

沖縄本島(那覇)と南大東を直航する便および、北大東・南大東を経由する三角状の経路の便がそれぞれ毎日運航されており、後者は曜日によって経由順が変わる(金 - 月曜日が北大東先航、火 - 木曜日が南大東先航)。なお、経由便についても経由便も直行便と同じ運賃となる特例がある(一部運賃を除く)。

いずれの便も、琉球エアーコミューター (RAC) が、デ・ハビランド・カナダ製のDHC-8(Q100 (DH1) は搭乗客数39人、Q300 (DH3) は搭乗客数50人)を用いて運航している。かつては、いずれの便もJALマイレージバンクのマイル積算対象外となっていたが、2012年7月18日搭乗分よりマイル積算の対象となった。[3]。なお、経由便についても積算マイルは直行便と同じである。

  • 南大東空港 - 北大東空港(所要15分)
    • 定期航空路線では日本最短の路線(直線距離で約12km)である。風向きによって変わるが、北大東島へ最短経路で飛行する場合の飛行時間は約3分間である。また、距離あたりの運賃は最も高額となっている(大人普通片道運賃は8,300円)。
    • 1日に片方向のみ1便運航。積算マイルは8マイルである[3]
      • 那覇と南大東の間を搭乗した同日に南大東と北大東の間を搭乗した場合、直行便と同じ運賃となる特例がある。
      • 運航当初の運航方向は毎日交互であった。

船舶

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泊埠頭に停泊する大東海運「だいとう」(2代)
  • 那覇港泊港南岸) - 南大東島・北大東島
    • 大東海運の「だいとう」が、ほぼ5日おきに1便(週に1-2便、月に5-6便)運航。所要時間は約14時間半から16時間半。
    • 那覇と各島間を一筆書きに運航するが、島側の寄港順序は航海ごとに変わる。また、運航予定が予告なく頻繁に変更(最終の出港判断は当日の朝)される。
    • 岸壁付近の波が激しく着岸できないため、人も貨物もクレーンに吊り下げられた籠に乗って上陸する[4]※上陸については#観光も参照。

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村内交通

村内にバス・タクシー等の公共交通機関はないが、宿泊施設が有償輸送を行っている。

このほか、レンタカー業(自動車・バイク・自転車)が営まれている。

道路

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

観光

かつては「島外の人間がいると職務質問された」とまで言われるほどで滅多に観光客が訪れることがなかったが、1997年(平成9年)に南大東空港が拡張・移転したことにより大型のプロペラ機が就航したため、観光地としても注目されはじめている。全島サトウキビ畑の島だが、製糖期(12月-3月)を除き島内で南大東島産の砂糖を入手出来ない。

  • 星野洞(鍾乳洞
    • 午前と午後に2時間ずつ開放。案内テープの入ったラジカセが貸し出される。鍾乳石は白く透き通っており、中でもストローと呼ばれる細く真っ直ぐに伸びた鍾乳石の発達は日本一とも言われている[5]。観光用に整備された鍾乳洞でありながらテンプレート:要出典範囲。入場料800円。
  • ふるさと文化センター
    • 企業自治時代からの南大東島を、様々な歴史資料とともに紹介。シュガートレイン関係や、島内限定で流通していた非常に珍しい自治通貨等を展示している。月曜休館(屋外展示のシュガートレインは自由に見学可能)。入場料200円。
  • 気象庁 沖縄気象台南大東島地方気象台
    • 施設は一般開放していないが、平日の日中なら職員が応対してくれる(荒天時などを除く、要予約)。世界で920箇所ある高層気象観測拠点の1つであり、毎日8時30分と20時30分に上空3万メートルまで到達する観測気球を打ち上げている。
  • 「だいとう」のクレーン上陸
    • 日本の定期航路では唯一となるクレーンで吊り上げられての乗下船は、観光資源としてパンフレットなどにも記載されている。おもに西港が利用されているが、波の向きによって使用する港が変更されるため、村内放送で入港予定が放送されている。村役場の職員が操縦するクレーンに吊り下げられての乗下船となるが、吊り下げられている時間は10秒に満たない。また、海の状態および荷役や旅客数によって、かごの代わりに作業用モーターボート[6]に直接乗せられることもある(この場合は救命胴衣の着用を求められる)。
  • 海軍棒プール
    • 砂浜のない島のため、東海岸の岩場を削って作られた人工プール。南大東空港から車で5分。村中心街からは車で10分。海水が直接流れ込んでおり、魚も泳いでいてシュノーケリング向き。作られてから時間が経過しており、プール内に珊瑚が成長し始めている。干潮時のみプールとして使用可能。大波に注意。トイレはあるが、更衣室やシャワーはない。
  • シュガートレイン
    • 1984年(昭和59年)に廃止されるまで戦後の沖縄県では(沖縄都市モノレールが開業する以前は)唯一かつ日本最南端の鉄道であった。現在は、ふるさと文化センターで機関車を保存しているほか、各所に廃線跡の遺構が残っており、案内パンフレットにも記載されている。
  • 日の丸山展望台
    • 島の中央部は窪んでいて海を見ることが出来ないが、標高56mの展望台からは見渡す限りサトウキビ畑の平原や北大東島も一望できる。なお、島の最高地点はこの展望台の南東に位置する給水塔付近であり、標高は75.2mである。
  • 島まるごと館(ビジターセンター)
    • 旧空港跡地に建設。島の自然情報を紹介。また島での主に自然観察などの様々な活動を紹介している。入場料200円。
  • 南大東島漁港(建設中)
    • 1985年(昭和60年)より建設が続いており暫定供用中。現在は沖合いに防波堤を作る作業を残すのみだが、海底の崖に防波堤を設置する難工事のため完成まで10年はかかる見込み。展望台からは北大東島が一望できる。また、周辺は釣りスポットにもなっており、サワラや時にはカジキマグロも釣れる。気象条件によってはごくまれに「だいとう」が利用することもある。

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放送・通信

テレビ

1975年(昭和50年)にNHK沖縄放送局により放送試験局として開設され放送が開始され(コールサインはJO7D-TV)、航空便で発送[7]されたNHK沖縄(制作部)の編集によるカセットテープ数本を、島民が数名交代で夕方4時間ほど放送された。

1984年5月、衛星放送の実験放送が開始されたことから、ようやく他地域との同時放送が実現した(当時はNHKBS1のみの放送だったが、内容は総合テレビと同じだった)。また、この日から全国の天気予報では南大東島の予報が表示されるようになった。しかしテレビ放送がNHKのBSのみであることから沖縄県内のローカルニュースや民放の番組が放送されないため、沖縄本島でビデオ録画された番組をレンタルビデオとして貸し出す店もあったという。

1998年東京都小笠原諸島向けに送信・利用されている通信衛星を利用した放送が開始された[8]。これにより民放を含む地上波各局を視聴できるようになったが、もともと東京都内向けに利用されている電波であることから、沖縄の県域放送ではなく東京(関東広域圏)のものが放送されていた(ただし、沖縄県内に系列局がない日本テレビテレビ東京は放送されない)。なお、沖縄県内の情報は電話回線(衛星回線)により電送され、随時字幕で表示される(テンプレート:要出典範囲)。

沖縄県では2006年から開始されている地上デジタル放送では、沖縄本島から海底ケーブルが敷設されNHK、沖縄民放3局ともに、2011年7月初旬に試験放送開始、アナログ放送完全終了2日前の2011年7月22日に開局した。これまでの間、北大東村と共に全域が地デジ難視対策衛星放送の対象地域になっていた。

テレビ中継局(TVの単位はCH)
所在地
リモコンキーID
総合
(1)
教育
(2)
RBC
(3)
OTV
(8)
QAB
(5)
南大東 32 27 34 36 38

(出力3W。南大東島全域と北大東島の一部地域をカバーしているほか、北大東局への伝送もしている)

ラジオ

中波放送 (AM) は、昼間は沖縄本島の親局から受信可能であるものの、夜間は同局が電離層により日本国外の放送と混信するため受信が困難(かわりに他県の放送は電離層により受信が可能)だったが、2007年4月1日NHKラジオ第1放送と、民放の琉球放送(RBCiラジオ)・とラジオ沖縄の中継局がFM波によって開局し、昼夜問わず良好な受信が可能となった[9]

超短波放送 (FM) は終日受信不可。かつてのアナログテレビ放送と同様に技術的な面からNHK-FM放送FM沖縄も含め、今のところ設置の予定はないが、NHK-FM放送については2011年9月からパソコン向け、10月からスマートフォン向けにインターネットによる同時配信で聴取が可能となっている。なお、衛星放送(BS・CS)によるラジオ放送や短波放送ラジオNIKKEI)・NHK国際放送(NHKワールド・ラジオ日本)は終日受信可能。

ラジオ中継局(単位はMHz)
所在地 NHK1 RBC ROK
南大東 83.5 81.4 79.6

(出力はいずれも100Wと高く、周辺海域でも受信は可能)

通信

携帯電話はNTTドコモのmovaFOMAFOMAプラスエリア対応機種)のみ通話可能だったが、auも通話可能になった。

公衆電話は少なく、空港やAコープなど数箇所しか設置されていない。

ギャラリー

テンプレート:Gallery

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

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テンプレート:大東諸島
  1. 特産品としては粟国島などでも作られている。
  2. 飛び跳び旅-アイランドホッパー2009 2・3日間(JAL旬感旅行) - 日本航空(2009年4月14日時点のアーカイブ
  3. 3.0 3.1 3.2 琉球エアーコミューター(RAC)ご利用時におけるJMBサービスでの取り扱い変更について - 日本航空
  4. テンプレート:PDFlink 「しまたてぃ」No.26 P.28(大米建設土木部課長 村山富宏 著) - 一般社団法人 沖縄しまたて協会(2004年7月発行、2013年3月20日閲覧)
  5. ザ・ベストハウス123」(フジテレビ)2007年5月23日放送回では、「日本の美しい鍾乳洞」の1つとして紹介されている。
  6. 沖合のブイにロープをかける為の作業船。
  7. 1週間に2回(航空便の本数による)。
  8. 沖縄本島と南北大東島の間には琉球海溝があり、且つ400kmも離れているため技術的に海底ケーブルを敷設することは困難だったが、地上デジタル放送の開始にあわせて海底ケーブルが敷設されることになり、2011年初頭に敷設工事が行なわれた。
  9. 中波だと夜間に日本国外の放送との混信により良好な受信が困難であるためで、沖縄県内では沖縄本島北部と先島諸島が同様なケースが取られている。なお、先島諸島へは沖縄本島から海底光ファイバーケーブルで結ばれているが、沖縄本島から南大東島の送信所への伝送は通信衛星を経由して送られている。