加藤三郎 (宇宙戦艦ヤマト)

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加藤 三郎(かとう さぶろう)は、アニメ『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』の登場人物。声優神谷明(『宇宙戦艦ヤマト』『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』『宇宙戦艦ヤマト2』。ただし、『宇宙戦艦ヤマト』では第3話は野村信次、第4話は池水通洋、第8話・第10話は山田俊司)、細谷佳正(『宇宙戦艦ヤマト2199』)。実写映画版『SPACE BATTLESHIP ヤマト』での俳優は波岡一喜

概要

ヤマトの艦載戦闘機隊隊長。直属の上官である戦闘班長の古代進に並ぶ熱血漢で、彼の性格を最もよく理解するクルーの1人。古代のことをしばしば「チーフ」と呼ぶが、対等以上の口をきくこともある(このことについては、声を担当した神谷はかなり抵抗があったらしく、『完結編』当時のアニメ雑誌のインタビュー記事で「三郎の時と違い、四郎は後輩なので声アテをやりやすい」[1]と語っている)。そういった性格や口調のほか、角刈りにまとめた頭髪が特徴。

死後にその任を引き継いだ加藤四郎は、性格・容姿・能力とも三郎のそれとほとんど同じ弟である。

劇中での活躍

宇宙戦艦ヤマト
ヤマトの護衛を主たる任務とする宇宙戦闘攻撃機のブラックタイガーで構成される、艦載戦闘機隊(通称「ブラックタイガー隊」)の隊長。
艦載機の操縦以外に戦闘員としての能力も高く、冥王星前線基地における反射衛星砲の爆破、ビーメラ星におけるレーダー手兼生活班長の森雪や分析ロボットのアナライザーの救出、地球目前の宙域におけるガミラス帝国総統のデスラーの率いる残存兵達との白兵戦などでも活躍する。
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
ヤマトが地球防衛軍司令部を無視して強行出発した際、月面基地から多くの部下を引き連れて新鋭機のコスモタイガーIIで駆けつけ、そのままコスモタイガー隊の隊長に就任する。
白色彗星帝国との戦闘では、古代、工場長兼技師長の真田志郎空間騎兵隊斉藤始らと共に都市帝国内部へ侵入した後、古代の操縦するコスモタイガーIIでヤマトへ帰還するが、彼が後部銃座を振り返った時には既に息絶えていた。
宇宙戦艦ヤマト2
ヤマトへ駆けつけるまでは『さらば』とほぼ同じであるが、第11番惑星での戦闘でヤマトへ乗り組んできた斉藤始とは、気風の違いからしばしば衝突する。また、アナライザーがガミラス艦の放った宇宙バクテリアのために暴れ始めた時には、艦医の佐渡酒造を呼んで来てしまう慌てぶりも見せる。
都市帝国戦では『さらば』とほぼ同じく古代、真田、斉藤らと都市帝国内部へ侵入した後、コスモタイガーIIに古代と真田を乗せてヤマトへ帰還するが、操縦席で満足そうな笑みを浮かべて息絶えていた。
宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち
英雄の丘」に建つ沖田の記念像の前に、白色彗星帝国戦で戦死した機関長の徳川彦左衛門、斉藤、コスモタイガー隊隊員の山本明と並び、加藤のレリーフが建立されている。
ヤマトよ永遠に
新しい銀河を背景に過去の戦没者達が次々と現われるシーンで、犬猿の仲だった斉藤と肩を組みながら登場する。
宇宙戦艦ヤマト2199
『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作である本作では国連宇宙軍の第7航空団第810飛行隊所属のトップエースであり、後にヤマトの戦術科へ配属されて航空隊の隊長を務める二尉(二等宙尉)となっている。乗機は99式空間戦闘攻撃機のコスモファルコン。髪型は丸刈りへ変更され、左眉上には傷痕が付けられたほか、出身地は北海道、年齢は23歳、実家はで、鼻歌代わりに般若心経を唱える癖があるといった設定が追加されているほか、後述の結婚式における相手である衛生士の原田真琴の衣装に文金高島田を希望する(即座に却下された)といった一面も見せる。また、下戸であるために酒は飲めない。
第二次火星沖海戦において、1回の出撃でガミラス機を8機撃墜し、最年少撃墜王となる。その後は航空隊のトップエースとして、防空任務に就いていた。
地球では、コスモゼロで無断出撃して機体を大破させた古代と島大介を殴り、その際に負傷した右手を中央大病院で真琴に治療される。エンケラドゥスでの戦闘後には、コスモゼロで無断出撃した主計士官の山本玲を咎めた際に彼女から反論された上、航空隊への転属を希望されたことに逆上してロッカーを殴ったために右手を再び負傷して真琴に治療され、「今度はロッカーですか」と呆れられてしまっている。また、ワープテストの際には困惑する航空隊隊員達の前で平然と読経しながらダーツを行う気丈さも見せたが、その後の初ワープではワープ酔いを起こしてしまう。
太陽系赤道祭では太田健二郎が「仮装が伝統」と吹聴し、メイドに仮装した原田真琴が冗談を真に受けた事で笑われる羽目になるが、加藤も同じく真に受けて托鉢僧の姿で参加し、その真剣さに誰も口をはさめなかった(なお他にも仮装した乗組員が何人もおり、太田の冗談が既成事実化してしまった)。家族と交信する気はなかったが、部下の篠原弘樹に諭されて父親の一徹と交信し、終了間際に「生きて帰って来い」と言われて交信を終える。その後、切れた画面へ礼を述べていた。
エンケラドゥスでの戦闘以降には真琴から想いを寄せられており[2]、加藤も真琴を若干気にかけるようになっている。中盤では互いにフランクな口調で話す間柄になっており、惑星レプタポーダを発つ頃には真琴から「サブちゃん」とまで呼ばれた上、沖田の病状を教えてもらうまでになっていたため、真琴との関係を山本にからかわれた際にはひどく動揺していた。その後、真琴との間に子供を授かり、結婚を決意。古代から提案された艦内結婚式については、森雪を失った彼の心情を気遣って一旦は躊躇するも彼の説得や真琴の言葉もあり、挙式に踏み切る。結婚式の最中には、祝いの言葉を述べに来た古代のことを励ましていた。
コミック版
コミック版では赤道祭において、メ2号作戦で戦死した杉山の両親と交信しており、気遣いを感謝されると同時に息子に代わって無事に帰還するよう懇願される。アニメ版ではハッキリしなかったが、コミック版では袈裟の形状から、実家の寺は禅宗系である。

名前の由来

第二次世界大戦で活躍した『加藤隼戦闘機隊』の加藤建夫陸軍中佐と、『大空のサムライ』の異名を持つゼロ戦撃墜王坂井三郎海軍中尉の名前に由来する」と後になって紹介されたことがあるテンプレート:いつが、本放送時には説明されていなかった。

この名は1977年10月27日神社本庁を爆破した犯人の加藤三郎と同姓同名だったため、事件後の『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』公開時には物議をかもした。松本零士は「名前をつけるとき中々決まらなくて、新聞記事が目に留まりそのまま頂いた」と犯人名を借りたように話しているが、『宇宙戦艦ヤマト』の本放送は1974年10月 - 1975年3月であるため、この話は時系列的に矛盾している。

脚注

テンプレート:Reflist

テンプレート:宇宙戦艦ヤマトシリーズの登場人物
  1. 古代を演じた富山敬や島を演じた仲村秀生は、神谷にとっても先輩に当たるため。
  2. ガミラスに襲われていたところを、航空隊に助けられた(実際に助けたのは山本)ことがきっかけである。