井上鑑

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井上 鑑(いのうえ あきら、1953年9月8日 - )は、キーボード奏者、作詞家作曲家編曲家音楽プロデューサー

先鋭的なサウンドと歌詞を駆使した音楽作りと、既成ジャンルにとらわれない広範な活動で知られる。 東京都生まれ。父、井上頼豊チェロ奏者。シンガーソングライターやまがたすみこは妻。また、クリエイティブディレクターの小池一子翻訳家詩人矢川澄子は母方の叔母である。

来歴

  • 東京都世田谷区出身。和光学園中学校都立青山高校を経て、桐朋学園大学音楽学部作曲科で三善晃に師事。在学中からCM音楽を初めとする作編曲、キーボード演奏の活動を始める。
  • 1970年代後半からフュージョングループPARACHUTE大瀧詠一のユニットに参加。また、ピンクレディーのヒット曲にキーボード奏者として参加。
  • 1981年、寺尾聰の『ルビーの指環』、同アルバム『REFLECTIONS』で第23回日本レコード大賞編曲賞受賞。同年、『GRAVITATIONS』(ヨコハマタイヤASPEC TV-CM)でソロアーティストとしてデビュー。
  • 1982年にデビューアルバム『予言者の夢(PROPHETIC DREAM)』を発表し、以降、13枚のオリジナルアルバムを発表。1980年代、在籍していた東芝EMIの「ニューウェーブ4人衆」(稲垣潤一安部恭弘鈴木雄大、井上鑑)の一角として注目を浴びた。
  • 1985年頃からは、海外アーティストとも頻繁に交流し、1989年からロンドンにも拠点を置いて活動する。
  • 1988年には『SARDANA ~パブロ・カザルスに捧ぐ』として、自作曲および『鳥の唄』などのカタロニア民謡を主題にした数曲を、チェリストである父親らとのユニットにて演奏発表する(1988年9月6日 御茶ノ水カザルス・ホール)。
  • 1990年代後半には、5人のボーカルベース、キーボードのユニット「THE VOICE PROJECT」、山木秀夫(ドラム)、金子飛鳥ヴァイオリン)との「R.H.M」、川村昌子(琴)とのプロジェクト、吉川忠英とのアコースティックDUOなどをプロデュース、CD制作、ライヴ活動を展開。
  • 1996年より国立音楽大学音楽デザイン科講師。
  • 1999年には、森繁久弥東儀秀樹の『葉っぱのフレディ』にサウンドプロデュース及び編曲家として参加。
  • 2000年、ピアノ曲集『葉っぱのフレディ / 7つのパラフレーズ』ピアノ版CD及び楽譜集を発表(作曲、編曲)。中村明一(尺八)とのプロジェクト「遊牧座」コンサート、佐野元春とのポエトリーリーディングコラボレーションなどを行う。またギタリスト吉川忠英の紹介で、福山雅治のレコーディングにキーボーディストとして初参加。以降彼のほとんどの作品にアレンジャーとして携わる。
  • 2001年、日中友好使節として北京で2回のコンサートに音楽監督として参加、出演し、北京音楽院の教授、学生らと共演。
  • 2003年、NHK-BS2番組『あなたが選ぶ時代の歌』に音楽監督として出演。
  • 「世田谷・九条の会」呼びかけ人を務めている[1]

活動

アレンジャー(ストリングアレンジで関わっている作品もある)、プロデューサー、キーボディストとして石川ひとみ大瀧詠一福山雅治寺尾聰稲垣潤一THE ALFEE南佳孝松田聖子渡辺満里奈所ジョージらのアルバムやコンサートに参加している。アレンジャーとして関わったTHE ALFEE高見沢俊彦エレクトリックギターを使うよう助言し、ロックバンドへの転身のきっかけを作ったといわれる。2006年11月6日放送の『ディア・フレンズ』に本人がゲスト出演した際に、『ペッパー警部』以外のピンクレディーの曲にキーボーディストとして参加していると言っている。また放映当時、アレンジャーとして関わっていた所ジョージがキャラになったCGアニメ『デジタル所さん』の番組前期の音楽も担当する。

アルバムプロデュース、或いはサウンドプロデュースしたアーティストは遠藤京子ECHOES杏里EBI爆風スランプ酒井ミキオ、我如古より子、川村昌子()、THE VOICE PROJECT、氷室京介MOON CHILD小田木望古川展生(チェロ)、宗次郎オカリナ)、呉汝俊(胡)、竹松舞ハープ)、本田美奈子.吉田兄弟三味線)など多数。

特に大瀧詠一とは「自称・師弟関係」というほどの繋がりがあり、70年代から80年代のレコーディング参加を通して様々なことを学んだと語っている。90年代に入って大瀧が活動再開した際も、ほぼ全てのレコーディングに参加している。

主な編曲楽曲

あ行

か行

さ行

た行

な行

は行

ま行

や行以降

劇伴音楽

脚注

  1. 「世田谷・9条の会」申し合わせ

外部リンク