タイガー&ドラゴン (テレビドラマ)

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テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible listsタイガー&ドラゴン』は、TBS系列で放送された日本のテレビドラマ。主演は長瀬智也岡田准一

2005年1月9日に2時間の単発スペシャルドラマとして放送された。

その後続編という形で連続ドラマ化され、2005年4月15日より6月24日まで毎週金曜日22:00 - 22:54に、「金曜ドラマ」枠で放送された。

概要

落語をモチーフとし、人情、師弟愛、家族愛を時にシリアスをまじえながらコメディタッチで描いた。

TBSプロデューサー磯山晶脚本宮藤官九郎の名コンビがマンハッタンラブストーリー以降再び手掛けた作品。

タイトルはオープニングテーマとして用いられているクレイジーケンバンドの楽曲「タイガー&ドラゴン」に由来する。また当ドラマに登場する2人の主人公、「虎児」(小虎)と「竜二」(小竜)にも掛かっている。

2005年1月のスペシャルドラマで『第42回ギャラクシー賞』(放送批評懇談会主催)のテレビ部門・選奨を獲得し、同年4月からの連続ドラマで『第43回ギャラクシー賞』(放送批評懇談会主催)のテレビ部門・大賞を受賞した。[1]

内容

子供の頃に両親が借金を苦に自殺し、「笑い」を忘れてしまったヤクザの山崎虎児は、ひょんなことから浅草で落語家の林屋亭どん兵衛の高座を聞いて感動し、三顧の礼を行い必死の思いで弟子入りを志願する。

どん兵衛は虎児が属する新宿流星会の組長から400万円の借金をしていた。そこで虎児は、噺をひとつ習得するごとに10万円の「授業料」(ドラマの途中から20万円に値上げ)をどん兵衛に支払い、それをそのまま「返済金」として虎児に支払うという奇妙な契約をどん兵衛と交わすことになる。

こうして林屋亭門下「林屋亭小虎」として、落語の修業を積んでゆくこととなった虎児。ヤクザと落語家という二足のわらじを履く生活を始めたが、根っからのヤクザである虎児に笑いの才能が無く困っているところに、かつて「落語の天才」だったが裏原宿でダサくて売れない洋服店「ドラゴンソーダ」を立ち上げて店主となっているどん兵衛の次男・谷中竜二と出会うことに…。

古典落語の演目をベースにした一話完結の形式で進行する。まず前半部分で本編ストーリーの題材となる演目をどん兵衛が寄席の高座で演じ、更に寸劇形式で噺を再現して内容を分かりやすくし、後半部分で小虎が同じ演目を本編とリンクした形にアレンジして演じる。

連続ドラマになってからは各ストーリーを貫く軸として、林屋亭の過去のエピソードや虎児・竜二らやゲストらが各自のアイデンティティーを探し求める姿が描かれていった。また、落語家一門、ヤクザ一家、一般家庭など形はさまざまであるが、根底に流れるテーマは「家族」ということが特色であると言える。

登場人物

林屋亭一門とその家族

山崎 虎児(やまざき とらじ)
演 - 長瀬智也TOKIO
高座名は林屋亭小虎(はやしやてい ことら)→3代目林家亭小虎。27歳。幼少時の体験や、生来の笑いのセンスのなさから歌舞伎町一冗談が通じないヤクザだったが、借金の取立ての際に偶然見たどん兵衛の高座で笑いに目覚め、どん兵衛に弟子入りしてからは笑いの道を突き進むが、どん兵衛の借金が完済されるまで足を洗う事が出来ないため、「昼は噺家、夜はヤクザ」という二重生活を送るようになる。どん兵衛から教わる古典と、実際に遭遇した出来事をミックスした作を演じ徐々に話題を呼ぶこととなる。癖として、威嚇するかのように舌で口唇を嘗め回し、驚いた時は「ブフォッ!」と発する。スペシャル版でどん太に教えてもらった「タイガータイガーじれっタイガー」(他に「ありがタイガー」「眠タイガー」など、違うパターンもある)を持ちネタにし、高座でつかみとして観客に披露する。とことん不器用だが根は真っ直ぐなところがあり、いつしかどん兵衛には師弟関係を超えて実の親子のような感情を抱くようになる。噺を覚えられないとのことであったが、服役中に刑務所図書館の落語本を読み漁り、ひたすら練習に打ち込んだところ完全に覚えられた(しかも人に聞かせるに足るレベルであった)ので、熱意と時間があれば覚えられる模様である。一度「どん兵衛」の名を襲名する話も上がったが、「師匠(どん兵衛)にもらったこの“小虎”という名が気に入っているから」という理由で断っている。高座にあがる際に着用している着物は、スペシャル版では一般的な素材だったが、連続ドラマ版ではドラゴンソーダの商品の生地同様メッシュ素材が用いられている。煙草は赤ラークを愛用。携帯の着メロ及び出囃子は『仁義なき戦いのテーマ』。
谷中 竜二(やなか りゅうじ)
演 - 岡田准一V6
どん兵衛の次男。24歳。幼少の頃から落語の天才といわれ、中学卒業後にどん兵衛に弟子入りし落語一筋で将来を嘱望されていたが、とある事件がきっかけで噺家(噺家時代の高座名は林屋亭小竜(はやしやてい こたつ))を廃業し[2]、もう一つの夢であった洋服屋「ドラゴンソーダ」を裏原宿で営む。しかし彼好みの服(カラーファスナーやメッシュや竜二オリジナルデザインの「ウラハラドラゴン」・「タイガー&ドラゴン」を入れたブランド)がダサすぎて全く売れず、1日の売り上げが数百円程度と苦しい経営を強いられている。廃業した後も噺家の頃の癖が抜けず、普段の会話の中にも「笑い」を追求してしまう。竜二のファッションセンスを一部否定すると怒るが、逆に全否定すると弱気になる。キャラは濃いものの、なぜか存在感が薄く感じられてしまうらしく、よりによって意中の相手であるメグミになかなか名前を覚えてもらえない。「ガンモ」や「音無響子」のモノマネが得意。煙草はアメリカンスピリット。出囃子は『魔訶不思議アドベンチャー!』(アニメ『DRAGON BALL』主題歌)。後に再入門し、虎児が出所した後に7代目林家亭どん兵衛を襲名する。
林屋亭 どん兵衛(はやしやてい どんべえ)
演 - 西田敏行
前座の頃から古典落語一筋の昔気質な噺家で大御所ではあるが、新宿流星会にドラゴンソーダの開店資金である400万円の借金をしており、その縁で虎児と出会う。以降、虎児とは「師匠と弟子」でありながら「債務者と債権者」という奇妙な関係となる。日を追うごとに虎児とは親子にも似た絆を持つようになり、彼を家族の一員のように思うまでになる。高座に上がった時の堂々とした風格とは裏腹に、普段はとても気が小さい。本名は谷中正吉(やなか しょうきち)で6代目林屋亭どん兵衛。後に虎児が服役した事により彼の高座名を受け継ぎ2代目林家亭小虎となり、出所した後は虎児に「小虎」を返上、林家亭小猫となる。明應大学落語研究会出身。出囃子は『吉原雀』。
なお、先代は文化勲章を受章しているらしい。
谷中 小百合(やなか さゆり)
演 - 銀粉蝶
どん兵衛の愛妻。どん兵衛からは「サユリちゃん」、小虎をはじめ弟子たちからは「おかあさん」と呼ばれ慕われている。面倒見がよく、揉め事が嫌いで、親子喧嘩や兄弟喧嘩を見ると泣いてしまう。どん兵衛曰く「サユリちゃんを泣かす人間は誰だろうと許さない」。著名な講談家の娘で、自身は小唄の師匠でもある。
林屋亭 どん太(はやしやてい どんた)
演 - 阿部サダヲ
本名、谷中竜平(やなか りゅうへい)。どん兵衛の長男で2児の父。竜二とは10歳も年が離れている兄である。小噺しか出来ない為、テレビのバラエティ番組で上島竜兵出川哲朗のような「リアクション芸人」として活動し、仕事は選ばない。とある雑誌の「抱かれたくないタレントランキング」において、出川哲朗を抜きナンバーワンとなってしまったことに激しいショックを受ける。アフロヘアーが特徴だが、実はカツラであり地毛はサラサラ。林屋亭一門の若手中心に結成された「OH!喜利喜利ボーイズ」(おお ぎりぎりボーイズ)のリーダーでもある。どん兵衛に「今までで一番つまらない」と言わしめたギャグは、アイドル的存在のメグミを称したつもりの「谷中家のつぶつぶマスコット」。出囃子は『どんぐりころころ」。
谷中 鶴子(やなか つるこ)
演 - 猫背椿
どん太の妻。かつては「泣いて国際通りII」という曲で大ヒットを飛ばした売れっ子演歌歌手・浅草寺鶴子(せんそうじ つるこ)として活動していた。どん太のつまらないギャグを盛り上げる笑い役で時に見事なノリツッコミを披露する事も少なくない。亭主の性格をさすがと言えるほど把握しており、必要とあらばフォローする事も忘れない。偶然、谷中家にかくまわれる事になった田辺ヤスオの色男振りに、姑の小百合と共にメロメロになる。
谷中 沙耶(やなか さや)
演 - 江本花琳(3才時)、椎名明音(6才時)
どん太と鶴子の長女。愛称「さやちゃん」
谷中 太郎(やなか たろう)
演 - 江本花琳(3才時)
どん太と鶴子の長男。「饅頭怖い」の回で誕生。どん太とは相反して天然パーマである。ちなみに沙耶(3才時)を演じた江本花琳が演じている。
林屋亭 どん吉(はやしやてい どんきち)
演 - 春風亭昇太
30歳の時に山手線駅員から脱サラし林屋亭一門に入門し、10年で先輩のどん太より先に真打昇進した出世頭である。師匠どん兵衛同様、古典落語一筋のスタイルをとる。近所に住む3人の姉のガサツな振舞いを常日頃苦々しく思っており、極度の女性恐怖症に陥っているため40歳独身で母と二人暮らし。それを心配するどん兵衛夫婦が何度も縁談を持ってくるが、全て断っている。出囃子は『デイビークロケット(en:The Ballad of Davy Crockett)』(実際に春風亭昇太が使用している出囃子でもある)。
林屋亭 どんつく(はやしやてい どんつく)
演 - 星野源
どん兵衛の弟子で、坊主頭。あまり目立たない。どん太に馬鹿にされムッとしたどん吉を常に諫める。どん太のつまらないギャグにも愛想笑い等のフォローを入れている。ドラマの途中で二つ目昇進。
林屋亭 どんぶり(はやしやてい どんぶり)
演 - 深水元基
どん兵衛の弟子で、背が高い。どんつく同様あまり目立たない。兄弟子のどん太の笑いは邪道として否定している。
林屋亭 うどん(はやしやてい うどん)
演 - 浅利陽介
林屋亭一番の若手で未成年。どん兵衛が名付けた高座名のはずなのに、紹介するたびに「名前何だっけ?」と問われるのがいわゆる『お約束のネタ』となっている(あくまでもネタであり、実際にはもちろん覚えてもらっている)。本名は「村田すすむ」。

新宿流星会

組長
演 - 笑福亭鶴瓶
本名は「中谷謙(なかたに けん)」。54歳。昔気質のヤクザ(極道)家業であり、麻薬や拳銃売買を嫌っている。人情に厚く泣き上戸で、手下の面倒見もよく天涯孤独な虎児に対し、時には父親の顔をのぞかせることもある。若い衆にヨイショされるとついつい騙されてしまう性格の持ち主。怒るとかなり迫力があるが、息子の銀次郎や娘の静にはとても甘いという父親の顔を持つ。3年前に妻と死別し、現在は独り身である。どん兵衛とは大学時代からの長い付き合いでゴルフ仲間だが、互いの行き違いにより犬猿の仲。出囃子は『新ラッパ』(笑福亭鶴瓶が使用している出囃子でもある)。
虎児の出所前後辺りに、小春と再婚した。
中谷 銀次郎(なかたに ぎんじろう)
演 - 塚本高史
組長の息子で二代目の座を約束されており、虎児の舎弟として修業中の身であると同時に、商学部に籍を置く大学4年生でもある。スカジャンリーゼントスタイルが特徴。男として憧れの対象である虎児には何をやっても敵わないが、笑いについては虎児よりもレベルが上であると自他共に言われている。2歳年上の谷中竜二とは幼馴染みだが、父親同士の関係からかなじもうとはしない。新宿流星会の跡取りとしてすでに将来が決まっている為に何に対しても無気力で、やや引きこもり気味である。好物はカレー。携帯の着メロは「マツケンサンバ」。オープニングの際の出囃子は『男の勲章』。
日向 純一(ひゅうが じゅんいち)
演 - 宅間孝行
新宿流星会若頭にして虎児の兄貴分。天涯孤独の身であった虎児をヤクザにスカウトした。普段はクスリとも笑わない堅物だが、恋人である寿子の影響か、携帯メールでギャル文字を駆使したり、「~だもん」という語尾など可愛い言葉遣いを使う事もある。若妻には「じゅんくん」と呼ばれている。
中谷 静(なかたに しずか)
演 - 伊藤修子
組長の娘で銀次郎の姉。組長から溺愛されている。弟曰く、顔・性格共に「微妙」。高校生の頃から六本木で夜遊びしまくっていた。若頭の日向とは以前に交際していたため、結婚を知って親娘ともども激しいショックを受ける[3]

その他の人々

メグミ
演 - 伊東美咲
その美貌により、多くの男を虜にして振り回す魔性の女。更には美脚の持ち主でもあり、脚の長さを形容するのに「タラバガニ」と例えられた。連続ドラマ版中盤から谷中家に平然と上がり込むようになっており、どん太曰く「谷中家のつぶつぶマスコット」的存在にもなっている。かなりの天然キャラなためか思った事を遠慮呵責なくズバズバ言い、余りの辛辣さ故に竜二を落ち込ませるのも少なくない。「三枚起請」の回の時点ではキャバクラ嬢をしており、メグミに惚れた男性客が多く翻弄された。勘違いをした客の男たちが挙(こぞ)ってメグミとお揃いのタトゥー(メグミはT、相手はMのイニシャルが入ったリンゴに矢が刺さったデザイン)を入れる騒動があった。スペシャル版のラストではとバスのガイドに転職している。姓は「沢田」(バスガイド業務中につけている名札より)。青森県出身。祖母(花原照子)がいたが、現在は亡くなっている。オープニングの際の出囃子は『魔女っ子メグちゃん』。
リサ
演 - 蒼井優
「ドラゴンソーダ」で働く薄給のアルバイト従業員。店長である竜二のファッションセンスの無さに呆れており、二人の間で頻繁に繰り広げられる口論の際に鋭い切れのある蹴りを炸裂させている。少しでも店の売り上げを伸ばそうと、商品のドラゴンのプリント面を伏せて陳列するなどの工夫を欠かさない。性格はマメでそそっかしく、聊か暴力的である。男にのめり込みやすいが、見る目が無いためか男運は無い。酒好きで酒量は多く酒癖も悪い。本人曰く好きなものは「酒、男、メール、カラオケ、アンタッチャブル牛乳プリン」。
「芝浜」の回で銀次郎に一目惚れし、後に相思相愛の間柄となる。
チビT
演 - 桐谷健太
本名は「タケシ」(苗字不明)。常にサイズの小さいTシャツを着ている、竜二の友人。「ドラゴンソーダ」の近所にある中古レコード屋の店主で、夜はクラブでDJをしている。住まいは青山のアパートの一室で、押し入れの上下段をそれぞれ竜二と劉さんに貸して家賃を取っている。メグミに惚れ、タトゥーを入れてしまった一人。
淡島 ゆきお(あわしま - )
演 - 荒川良々
高座名はジャンプ亭ジャンプ(ジャンプてい ジャンプ)。アマチュア落語のチャンピオンという経歴の落語マニア(落語おたくと呼ばれると怒る)で、自分の芸に絶対的な自信を持つ。古典落語を得意とする。一時期どん兵衛に弟子入りするが、すぐにどん兵衛の元を離れ、高田亭馬場彦の弟子となる。のちに「CLUB YO-SE」というクラブイベントを主催。上方漫才と林屋亭どん太のお笑いを毛嫌いしている。童貞。「饅頭怖い」の回から出演。
虎児が服役している間にどん太と同じ職場で働き始め、とある雑誌の「抱かれたくないタレントランキング」において、いつの間にかどん太を抜きナンバーワンとなってしまっていた。
辰夫(たつお)
演 - 尾美としのり
そば屋「そば辰」の主人。通称「辰っちゃん」。どん兵衛を贔屓にしており、寄席の際には店を休むほどの熱の入れようである。メグミに惚れ、タトゥーを入れてしまった一人。40歳、バツイチ。江戸っ子気質で口調はべらんめえだが岐阜県出身。オープニングの際の出囃子は『箱根八里の半次郎』。
半蔵(はんぞう)
演 - 半海一晃
おでん屋台「半蔵」の主人。浅草寺宝蔵門の前で店を出しているが、ちょくちょく客に(屋台を含め)物品を壊されており、そのたびに弁償するよう叫んでいる。辰夫と同じくどん兵衛を贔屓にしており、足繁く寄席に通っている。
よしこ
演 - 松本じゅん
純喫茶「よしこ」のママ。辰夫・半蔵と同じくどん兵衛を贔屓にしている。高音の笑い声を放つ。ちなみに、この店の一角で虎児はどん兵衛に授業料を払い、その直後に借金を取り立てている。
学(まなぶ)
演 - 洞口信也クレイジーケンバンド
浅草演芸ホールの掃除夫。竜二とは顔なじみ。
刈谷(かりや)
演 - 廣石恵一(クレイジーケンバンド)
会社をリストラされ新宿流星会から借金し虎児と銀次郎から追い立てられるが、虎児の厚意により浅草演芸ホールで掃除夫として就職先を見つけてもらい、そこで借金を返すことに。連続ドラマ版から登場した人物。
劉さん(りゅうさん)
演 - 河本準一次長課長
チビTの部屋(なおかつ竜二が住んでいる押入れの下の段)に下宿する中国人留学生。だいたいパンツ一丁であり、カタコトの日本語を話す。日本のヤクザが嫌い。「厩火事」の回から出演(当初はゲストとしてキャスティングされていたが、河本の演技を宮藤官九郎が気に入ったことにより出番が増え、準レギュラー化した)。
竜二が再入門してチビTの部屋を去ってからは、押入れの上下段両方を生活スペースにしている。

ゲスト

「/」以降は登場した回

田辺 ヤスオ(たなべ やすお)
演 - 北村一輝/「三枚起請」の回、「粗忽長屋」の回、「子は鎹」の回
元々新宿流星会の一員だったが、組の資金を使い込んで東京を追放された。それにより足を洗ったはずだったが、カタギな職場でのラジオ体操の習慣などに嫌気がさし、元の世界に舞い戻り目黒ウルフ商会へ籍をおく。手癖と女癖は最悪だが、かなりの色男であるため既婚・未婚を問わず女が一方的にメロメロになるのをダシにして、更には口の上手さでちゃっかり転がす手腕は他の追随を許さない。キャバクラ嬢時代のメグミに惚れ、お揃いのタトゥーを入れたことがある。三重県出身で、両親は農業を営んでいる。
「粗忽長屋」の回で、目黒ウルフ商会の資金も使い込み、懸賞金500万円を掛けられて逃亡している事が判明。哲也の死体を身代わりにして実家に帰り、そこで地元の女性と結婚した。しかしそそっかしさ故に、谷中家だけでなく力夫にも結婚報告のハガキを送ってしまった。なお、銀次郎が跡を継いだ頃にはなぜか再び新宿流星会に入っていた。
デス・キヨシ
演 - ヒロシ/「三枚起請」の回、「猫の皿」の回
人気ハードロックバンド「デス・ロマンティック」のボーカルだったが、脱退して五十六電気という会社で電気工になった。「DEATH」と書かれたブーツが命。自己紹介の際、「キヨシです…」と言っている。
トシ
演 - GANXSTA D.X/「三枚起請」の回
裏原宿で一番有名な彫り氏。チビT、辰夫、田辺、輝比弧にメグミとお揃いのタトゥーを彫った。実は自分もメグミに惚れ、同じタトゥーを入れていた。
輝比弧(てるひこ)
演 - HAYATO/「三枚起請」の回
時々K-1にも出ているキックボクサー。メグミに惚れ、タトゥーを入れてしまった一人。
保(たもつ)
演 - 菅原大吉/「三枚起請」の回、「品川心中」の回
メグミの元夫。青森でリンゴ園を営んでいる。
刈谷 真弓(かりや まゆみ)
演 - 広岡由里子/「芝浜」の回
刈谷の妻。
DJ ジュン (ディージェイ ジュン)
演 - YOU THE ROCK☆/「芝浜」の回
リサの元彼氏。竜二曰く、DVの自称クラブのDJ。電話で自殺をほのめかし、リサにドラゴンソーダのレジの金をまた盗んできて欲しいとねだる。
寿子
演 - 松本まりか
高校を卒業したばかりの、日向の恋人。「饅頭怖い」の回において結婚した。実はどん太のファン。
BOSS片岡 (ボス かたおか)
演 - 大森南朋/「茶の湯」の回
「原宿ストリートファッションの神様」といわれるトータルプロデューサー。多くのファッションブランドやイベントのプロデュースを手がけ、「コラボレーション」という言葉の生みの親ではないかとまで原宿では言われている。「ヤバい」「キテる」が口癖だが、ほとんどの場合ノリで言っている。
高田亭 馬場彦(たかだてい ばばひこ)[4]
演 - 高田文夫/「茶の湯」の回、「猫の皿」の回、「品川心中」の回、「子は鎹」の回
ヨイショ(お世辞)が得意な噺家。己の弟子ですら褒めちぎってしまうため、「褒め殺しの馬場彦」の異名を持つ。飄々とした性格であり、純喫茶「よしこ」での会議中に平然とゲーム(スペースインベーダー)に興じていた事も。ジャンプ亭ジャンプが門下に入ってからは、何かを提案するのを彼に任せて自分は他事をしている。
水越 小春(みずこし こはる)
演 - 森下愛子/「権助提灯」の回、「子は鎹」の回
どん兵衛と組長が30年前の大学時代に在籍していた落語研究会のマドンナ。ドラマ内での大学時代の再現パートでは小春を伊東美咲、どん兵衛を岡田准一、組長を長瀬智也が演じている。
虎児の出所前後辺りに、組長と結婚した。
上方 まるお・まりも(かみがた - )
演 - 古田新太(まるお)・清水ミチコ(まりも)/「厩火事」の回
上方の夫婦漫才師。いわゆる「ドツキ漫才」で人気を博していた。寄席で彼らの漫才を見た虎児がその芸に惚れ込み、自発的に2人の売り込みをした。まるおは元ボクサーで、三度も酒に酔い暴力事件を起こし3度も服役していた。まりもは小百合の小唄の弟子であり、その縁もあってどん兵衛夫妻が2人の仲人をした。竜二が幼い頃からの顔なじみである。出囃子はDREAMS COME TRUEの『Eyes to me』。
白石 克子(しらいし かつこ)
演 - 薬師丸ひろ子/「明烏」の回
35歳独身の「負け組」女。浪費癖のため多額の借金をし、新宿流星会から追い込みをかけられている。インターネットが趣味で、ブログに自分の情報を公開している。デパ地下の甘納豆屋の店員で、実家は名古屋の味噌カツ屋。竜二とどん太の策略が元で、どん吉と夫婦となった。ちなみに、克子が登場する「明烏」の回のオープニングで薬師丸が高座に立っているが、こちらは克子とは別人の噺家という設定(しかし、DVDの字幕では白石克子となっている)。オープニングの際の出囃子は『セーラー服と機関銃』。
柳亭 小しん(やなぎてい こしん)
演 - 小日向文世/「猫の皿」の回
落語芸能協会(架空の団体)の会長。古典落語の伝統を重んじる保守派で、堅物と評されている。お涙頂戴物の人情噺を得意とするが、高座で自分の噺に自分で涙するスタイルについては賛否両論ある。旧習を頑なに支持し新しいモノを絶対に認めないので、改革派の高田亭馬場彦と方針が対立している。また、竜二が落語界を去る原因を作った張本人でもあり、「猫の皿」の回のオープニングでは竜二が好きな物を全否定していた。同回の最後には竜二を認めたものの、虎児は認めぬまま終わった。出囃子は『野崎』。
金子 準(かねこ じゅん)
演 - 高岡蒼佑/「出来心」の回
警察官。銀次郎の幼馴染み。退屈な毎日に嫌気がさしており、Vシネマのような刺激的な出来事に憧れている。「ドラゴンソーダ」の洋服をこよなく愛しており、私服は必ずそれ。

目黒ウルフ商会

梶 力夫(かじ りきお)
演 - 橋本じゅん/「粗忽長屋」の回、「品川心中」の回、「子は鎹」の回
目黒ウルフ商会会長。かつて新宿流星会組長の舎弟であり、関西に進出したが結局は東京に戻り勢力を伸ばしている。関西弁を喋り、葉巻を愛用している。
新宿流星会を潰そうと暗躍するが、虎児と銀次郎に事務所に殴り込みをかけられ撃破された。目黒ウルフ商会はその後、力夫が銀次郎の舎弟になるという形で新宿流星会に吸収される。
哲也(てつや)
演 - 猪野学/「粗忽長屋」の回
構成員。自分から見て右に首を傾けながら「かしこまりっ!」と返事するのが癖で、部下にも強要している。舎弟の泰次には特に横暴な態度をとっており、何度も名前を「タイジ」と呼び間違えている。
ヤスオを殺して懸賞金をせしめようとするが、日頃の怒りを爆発させた泰次に撃ち殺され、死体はヤスオの身代わりにされた。泰次によると、ヤスオが来るまで組の資金を使い込んでいた上に泰次のせいにして言い逃れてただけでなく、ヤスオが組の資金を使い込んでいる事を力夫にチクった張本人だという。
泰次(やすじ)
演 - 少路勇介/「粗忽長屋」の回
構成員で、哲也の舎弟。生業によらず生真面目で、物腰が柔らかく礼儀正しい。力夫からは「幽霊」と呼ばれている。
ひょんな事から日頃の怒りを爆発させて哲也を撃ち殺し、ヤスオの逃亡に協力する事となる。「哲也が殺した」と言う手筈になっていたのに、そそっかしさ故に「自分が殺した」と言ってしまうが、どうにかごまかせた。力夫から懸賞金500万円を渡され『若頭(わかあたま)』の座を約束されたが、小虎の高座を聞き終えた後に自首した。

スタッフ

放送日程

スペシャル
放送日 演目 オープニング担当 演出 視聴率
2005年1月9日 三枚起請(さんまいきしょう) 林屋亭どん吉 金子文紀 15.5%
連続ドラマ
各回 放送日 演目 オープニング担当 演出 視聴率
第1話 2005年4月15日 芝浜(しばはま) 林屋亭小虎 金子文紀 テンプレート:Color
第2話 4月22日 饅頭怖い(まんじゅうこわい) 林屋亭どん太 14.1%
第3話 4月29日 茶の湯(ちゃのゆ) 中谷銀次郎 片山修 13.2%
第4話 5月テンプレート:06日 権助提灯(ごんすけちょうちん) 辰夫 12.8%
第5話 5月13日 厩火事(うまやかじ) メグミ 金子文紀 12.4%
第6話 5月20日 明烏(あけがらす) 白石克子? 坪井敏雄 12.5%
第7話 5月27日 猫の皿(ねこのさら) 柳亭小しん 片山修 11.9%
第8話 6月テンプレート:03日 出来心(できごころ) ジャンプ亭ジャンプ 金子文紀 テンプレート:Color
第9話 6月10日 粗忽長屋(そこつながや) 組長 坪井敏雄 12.6%
第10話 6月17日 品川心中(しながわしんじゅう) 林屋亭どん兵衛 片山修 12.0%
最終話 6月24日 子は鎹(こはかすがい) 林屋亭小竜 金子文紀 11.6%
平均視聴率 12.8%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

その他

  • 主な舞台となっている場所は、どん兵衛の自宅や演芸場のある浅草や、竜二が経営する「ドラゴンソーダ」がある原宿[5]
  • ドラマの主要な舞台のひとつ、林屋亭の面々が上る寄席の会場は浅草演芸ホール。場内には桟敷席があり、新宿末廣亭をモデルとしてスタジオに組まれたセットである。
  • このドラマが進行している最中に、ボーダフォン 日本法人(現ソフトバンクモバイル)のイメージキャラクターとして伊東美咲岡田准一が決まった。ちなみに、劇中に使われる携帯電話および番組スポンサーはボーダフォンだった。
  • また、西田敏行も2006年に行われた上方落語協会の『彦八まつり』で桂小枝からの誘いを受け、丹波哲郎三国連太郎との会話を基にした創作落語を披露した。
  • 第49回ブルーリボン賞では、岡田准一と蒼井優がそれぞれ主演男優賞・主演女優賞でノミネートされた。
  • 2005年6月にテレビ雑誌が実施した、2005年4月 - 6月期のドラマ満足度調査では第1位を獲得、またオリコン集計、2005年ドラマ満足度ランキングでは第2位を獲得した。
  • 長瀬智也と岡田准一との共演は、ドラマ『D×D』(日本テレビ)以来。
  • このドラマを機に、若者が落語を聴くようになったという話もあったようで、実際に『笑点』(日本テレビ)の視聴率も上昇した。またこのドラマの放映から半年後の2006年1月1日には、長瀬智也が『大笑点』で落語(演題は「初天神」。三遊亭楽太郎(現・6代目三遊亭圓楽)が指導)を演じた。ただし日本テレビでの放映のために、林屋亭小虎としては演じていなかった。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:前後番組

テンプレート:TBS金曜ドラマ (1989年以降)

テンプレート:ザテレビジョンドラマアカデミー賞
  1. 連続ドラマの受賞は『愛していると言ってくれ』から10年振り。
  2. 詳細は「猫の皿」の回で明らかになるが、竜二本人はこれだけではなく、兄弟子に対して実年齢や立場の変化に関係なく終生「兄さん」と呼び続けなければいけないような落語界のしきたりに嫌気がさしている面もあり、結果彼にとって落語界は自分の笑いの才能を生かせる反面居心地の悪さも感じてしまう、いわゆる「針のむしろ」となっている。
  3. 鶴瓶は『きらきらアフロ』やラジオ番組内で、静の台詞の「うん、すっきりする」が「うん、とぅっきりとぅる」に聞こえたとしてネタにしていた。
  4. 宮藤がヘビーリスナーであった『ビートたけしのオールナイトニッポン』では、高田が太田プロの副社長に「これはこれは、高田亭」と持ち上げられるというネタがあった。
  5. テンプレート:Cite web