ソフトドリンク

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ソフトドリンクSoft drink)は、アルコールを含まない、あるいは微量(1%(日本酒税法では酒類とされない「1度」)未満)のアルコールを含む飲料である。

日本では法的な定義はないが、テンプレート:要出典範囲ことから、それに対して「テンプレート:要出典範囲」を意味する。ソフトドリンクには法定義上の清涼飲料水に加え、乳飲料も含まれる。

アメリカでは、ソフトドリンクはテンプレート:要出典範囲ジュースミネラルウォーター等はテンプレート:要検証範囲に分類されている。またイギリスではテンプレート:要出典範囲ドイツでは、果汁飲料およびミネラルウォーターを含み、またネクター(果肉飲料)をジュースに分類している[1]

ソフトドリンクの例

テンプレート:Seealso

健康への影響

100mlにつき糖質を10g前後含む製品が存在することが下記の表より分かる。テンプレート:要出典範囲。糖分の過剰摂取は、ペットボトル症候群として問題化している。なお非糖質甘味料として、アスパルテームアセスルファムカリウムスクラロースステビアなどが使用される場合がある[2]

WHO/FAOはレポート『慢性疾患を予防する食事・栄養素』(Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases、WHO/FAO、2003年)において、慢性疾患と高カロリー食の関連を指摘し、食事中の総熱量(総カロリー)に占める糖類の熱量を最終的には摂取熱量の10%以下に低減させてゆくことを推奨している [3]。この摂取量は、推定エネルギー必要量[4]からテンプレート:要出典範囲

各種飲料(100ml)の糖質含有量と糖質摂取推奨値
食品名[5] エネルギー

(kcal/100g)

炭水化物

(糖質)(g)

WHO/FAO

糖質摂取推奨値[3] 350ml缶換算[6]

果実類/うんしゅうみかん/果実飲料/濃縮還元ジュース 38 9.9 1.5缶
果実類/グレープフルーツ/果実飲料/濃縮還元ジュース 35 8.8 1.6缶
果実類/りんご/果実飲料/濃縮還元ジュース 43 11.4 1.3缶
し好飲料類/コーヒー/浸出液 4 0.7
し好飲料類/コーヒー/コーヒー飲料 38 8.2 1.5缶
し好飲料類/(炭酸飲料類)/果実色飲料 51 12.8 1.1缶
し好飲料類/(炭酸飲料類)/コーラ 46 11.4 1.2缶
し好飲料類/(炭酸飲料類)/サイダー 41 10.2 1.3缶
し好飲料類/麦茶/浸出液 1 0.3
し好飲料類/(緑茶類)/せん茶/浸出液 2 0.2
し好飲料類/(緑茶類)/ほうじ茶/浸出液 0 0.1
し好飲料類/(発酵茶類)/ウーロン茶/浸出液 0 0.1
し好飲料類/(発酵茶類)/紅茶/浸出液 1 0.1
し好飲料類/(醸造酒類)/清酒/本醸造酒 107 4.5
し好飲料類/(醸造酒類)/ビール/スタウト 63 4.9
し好飲料類/(混成酒類)/梅酒 156 20.7

一方、米国の消費者団体CSPI(Center for Science in the Public Interest、テンプレート:仮リンク)は、「消費者は、糖分を多く含む食品の摂取を控えなければならない。企業は、食品や飲料に加える糖分を減らす努力をしなければならない」[7]と主張し、米国FDAに対し、ソフトドリンクの容器健康に関する注意書きを表示し、加工食品と飲料により良い栄養表示を行うことを義務付けることを請求している。その中で、CSPIは砂糖の過剰摂取が肥満腎結石骨粗しょう症心臓病虫歯と関連しているとする[8] [9] [10]。 以下はCSPIの主張に関連した事例である。

砂糖の多いソフトドリンクはWHO/FAOの2003年のレポートで肥満と虫歯(う蝕)が増加することとの関連が報告されている[11]

アメリカ心臓協会の2006年の生活指針は、砂糖が添加された(食べ物および)飲みものを減らすように勧めている[12]世界がん研究基金によるがん予防法の報告の中で体重を増加させる食事の高カロリー食を指摘し、カロリー制限の手段として食事自体のカロリー制限とともに、果汁飲料も含めた糖分が多い飲料の消費量を十年ごとに半減させてゆくことを提唱している[13]。さまざまなガンや糖尿病患者に食事歴の調査をしたところ、すい臓がんについては罹患とカロリー摂取量との相関が認められた。その研究報告では大量の糖分摂取あるいは糖分を含有する食事がすい臓がんのリスクを高めると指摘している[14]。あるいは他の暫定的な研究結果からはコーラは慢性腎臓病のリスクを増加させる徴候が見られた[15]

う蝕

WHO/FAOの報告では、砂糖の量の増加と砂糖の摂取頻度の増加は、共に虫歯蝕を確実に増加させる[11]。砂糖の入った飲料を哺乳瓶で飲ませることがあるが、虫歯を増加させる。国策である健康日本21は、甘味飲料の摂取頻度が多ければ虫歯のリスクを上げるので、特に砂糖が虫歯のリスクを高めるという知識を普及させ、摂取頻度を減らすことを目標として掲げている[16]。頻繁に砂糖液で口を洗った場合、pHの最低値が低くなることが知られており、1〜2日砂糖を摂取しないだけで改善される[17]

清涼飲料水には酸性度の強い飲料が多く、歯を浸しておくと歯が溶けることが知られている[18]。こうした飲料は1分で歯を溶かしはじめる[19]。これらの強い酸性の飲料は中和に多くのアルカリを必要とし、虫歯を誘発するリスクが高い[20]ウーロン茶のようなpHが高い(アルカリ性に近い)ものには、歯を溶かす作用は観察されなかった[18]

肥満と糖尿病

アメリカでは肥満を抑制する目的で、2009年までに公立学校で糖分を添加した飲料は販売されないようにすると合意されている[21]ハーバード大学での研究は毎日ソフトドリンクを1本飲むごとに肥満の危険率が1.6倍になると報告した[22]。肥満や糖尿病との関連を指摘されている[23]

尿路結石

厚生労働科学研究による診療ガイドラインによれば、砂糖の摂りすぎはカルシウムの排泄量を増やし、また尿を酸性化させる。同ガイドラインでは特に高カルシウム尿を示す患者には尿路結石を予防するために精製糖の摂取を控えることを推奨している[24]

痛風

砂糖の多いソフトドリンクの週に5〜6杯以上の摂取や、フルーツジュースの摂取は痛風のリスクを増大させる[25]

診療ガイドラインである『骨粗鬆症 診断・予防・治療ガイド』[26]では、砂糖は「骨泥棒」とされ、血液の酸性化を中和させるのはの仕事とし、骨粗鬆症を予防するためにアルカリ性食品をすすめている。

カフェインはカルシウムの排出量を増やすので、コーラのような飲料は砂糖がカルシウムを排出する作用と手伝ってカルシウムが失われやすい。炭酸飲料は少女の骨折率を3倍にし、特にコーラは5倍にした[27]。コーラを飲む女性の骨密度が低かった[28]

注意欠陥・多動性障害

また昔から注意欠陥・多動性障害(ADHD)との関連が疑われているが、2006年発表の研究でも注意欠陥・多動性障害との相関関係があった[29]

2007年、イギリス政府は、合成保存料安息香酸ナトリウムと合成着色料の入った食品が、子どもに注意欠陥・多動性障害を引き起こすという研究結果を受けて、ドリンクやお菓子にそれらが入ったものが多いとして注意を促し[30]、2008年4月、英国食品基準庁(FSA)は注意欠陥・多動性障害と関連の疑われる合成着色料6種類について2009年末までにメーカー自主規制するよう勧告した[31]ガーディアン紙によれば、この政府勧告による自主規制の前に、大手メーカーは2008年中にもそれらの食品添加物を除去する[32]

2008年3月、これを受けて、欧州食品安全庁(EFSA)は、イギリスでの研究結果は1日あたりの摂取許容量(ADI)の変更にのための基準にはできないと報告した[33]。しかし、4月イギリスは再び排除すべきだと勧告を行い[31]、8月には欧州は摂取量の見直しをはじめこれらの合成着色料を含む飲食品に「注意欠陥多動性障害に影響するかもしれない」という警告表示がされることになると報道された[32]

心臓冠動脈疾患

スイスチューリッヒ大学病院のM.Hochuli氏らにより、糖入り甘味飲料の常用により心臓冠動脈疾患リスクを高める事が報告されている[34]

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

  • テンプレート:要出典テンプレート:Cite book
  • 「代用甘味料の利用法」『e-ヘルスネット』 厚生労働省、2010年10月31日閲覧。
  • 3.0 3.1 テンプレート:PDFlink, pp.56-57; WHO/FAOレポートでは、"free sugar"を"all monosaccharides and disaccharides added to foods by the manufacturer, cook or consumer, plus sugars naturally present in honey, syrups and fruit juices"と定義している。従ってWHO/FAOは、砂糖だけではなく単糖類二糖類を総じて"free sugar"と称している。
  • 日本人の食事摂取基準(2005年版)(2004秋、日本人の栄養所要量-食事摂取基準-策定検討会、厚生労働省のサイト)
  • 日本食品標準成分表』、5訂増補、文部科学省、平成17年(2005年)
  • 換算の意味は、これ以上摂取すると当該飲料単独で一日分の糖質摂取量を超過するということである。
  • グローバル・ダンプ・ソフトドリンク・キャンペーン (日本語)
    Global Dump Soft Drinks Campaign (英語、CSPI(Center for Science in the Public Interest、テンプレート:仮リンク)と、IACGO(International Association of Consumer Food Organizations, 食品国際消費者機構 [1])
  • “America: Drowning in Sugar” 英語、CSPI、1999.8
  • 砂糖消費量が“表示されていない”と健康専門家らが訴え("マクロビオティック健康相談室食神"にある日本語訳、原文:Sugar Consumption ‘Off The Charts’ Say Health Experts(英語、1998.12、CSPI(テンプレート:仮リンク))
  • テンプレート:PDFlink(英語、1999.8、CSPI)
  • 11.0 11.1 Report of a Joint WHO/FAO Expert Consultation Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases 2003(英語、国際連合食糧農業機関(FAO))
  • Our 2006 Diet and Lifestyle Recommendations (英語、AHA - American Heart Association(アメリカ心臓協会))
  • World Cancer Research Fund and American Institute for Cancer Research Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: A Global Perspective 2007
  • Susanna C Larsson et al. "Consumption of sugar and sugar-sweetened foods and the risk of pancreatic cancer in a prospective study"American Journal of Clinical Nutrition, Vol.84, No.5, November 2006, 1171-1176. PMID 17093171
  • Saldana TM, Basso O, Darden R, Sandler DP. "Carbonated beverages and chronic kidney disease." Epidemiology. 18(4), 2007 Jul, pp501-6. PMID 17525693
  • 3.現状と目標(歯と健康)健康日本21各論健康・体力づくり事業財団
  • 『唾液-歯と口腔の健康』 医歯薬出版、1998年1月。ISBN 978-4263453889。94-96頁。
  • 18.0 18.1 甲原玄秋、堀江弘 「清涼飲料水がおよぼす歯の脱灰作用」『千葉医学雑誌』77(3)、2001年6月1日、145-149頁。
  • 西口栄子ほか 「清涼飲料水によるエナメル質の脱灰」『口腔衛生学会雑誌』45(3)、1995年7月30日、314-321頁。
  • 佐藤節子ほか 「市販飲料のう蝕誘発性リスク」『口腔衛生学会雑誌』57(2)、2007年4月30日、117-125頁。
  • Bottlers Agree to a School Ban on Sweet Drinks (英語、2006.5.4, The New York Times)
  • Ludwig DS, Peterson KE, Gortmaker SL. "Relation between consumption of sugar-sweetened drinks and childhood obesity: a prospective, observational analysis." Lancet. 357(9255), 2001 Feb 17, pp505-8. PMID 11229668
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  • 再発予防ガイドライン」『尿路結石症診療ガイドライン 改訂版(2004年版)』、平成15-16年度厚生労働科学研究医療技術評価総合研究事業。(Minds 医療情報サービス
  • Hyon K Choi, Gary Curhan. Soft drinks, fructose consumption, and the risk of gout in men: prospective cohort study BMJ, doi:10.1136/bmj.39449.819271.BE (published 31 January 2008)
  • Reiner Bartl, Bertha Frisch 『骨粗鬆症 診断・予防・治療ガイド』中村利孝監訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2007年10月。ISBN 9784895924887。96-99頁。
  • Grace Wyshak, PhD Teenaged Girls, Carbonated Beverage Consumption, and Bone Fractures Arch Pediatr Adolesc Med. 154, 2000, pp610-613.
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  • Agency revises advice on certain artificial colours (英語) (英国テンプレート:仮リンク(FSA))
  • 31.0 31.1 Board discusses colours advice (英語、2008.4、FSA)
  • 32.0 32.1 EU plans warning labels on artificial colours (英語、2008.8、ガーディアン紙)
  • Assessment of the results of the study by McCann et al. (2007) on the effect of some colours and sodium benzoate on children’s behaviour - Scientific Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids and Food Contact Materials (AFC) (英語) (欧州食品安全庁(EFSA European Food Safety Authority)、2008.3)
  • 糖入り甘味飲料の常用で冠疾患リスク因子に悪影響 (2011.9 日経メディカルオンライン日経BP)