奥州街道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
奥州街道(おうしゅうかいどう)とは、江戸時代の五街道の一つ。江戸日本橋を起点として千住から白河へと至る街道である。下野国宇都宮宿以南の区間は日光街道と共用されており、宇都宮宿伝馬町の追分で日光街道と分岐していた。
概要
五街道としての奥州街道は正式には奥州道中といい、江戸幕府道中奉行の直轄下にあった白河以南を指し、道中には27の宿場が置かれた。江戸時代には江戸と陸奥国さらには蝦夷間の物流が増加しており、白河はその中継地点として賑わい、奥州街道沿線では下野国宇都宮に次ぐ人口を擁するなど繁盛した。
現在、東京と東北方面を結ぶ国道4号旧道の栃木県宇都宮市以北の区間が「奥州街道」と呼ばれている。一部区間では陸羽街道・仙台道・松前道・外が浜道などの名称が併用されていた。
白河以北
江戸時代初期には主に東北諸藩の参勤交代の交通・連絡に用いられたが、江戸中期には蝦夷地開発のため、江戸末期にはロシアからの蝦夷地防衛のために往来量が増加した。1873年(明治6年)に陸羽街道と改称され、現在は大部分が国道4号となり、並行して東北自動車道・八戸自動車道が通っている。
史跡
岩手県岩手郡岩手町から二戸郡一戸町に至る街道跡の7区間、延長8.86kmが、「盛岡市の北方に位置するかつての一戸宿周辺には、浪打峠をはじめ往時の姿をとどめる街道跡、一里塚が良好に残っており、近世の交通の歴史を知る上で貴重である」として、国の史跡「奥州街道」に指定されている。
宿場
宿場 | 令制国 | 郡 | 現在の自治体 | 特記事項 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
都道府県 | 市区町村 | |||||
0. 日本橋 | 武蔵国 | 豊島郡 | 東京都 | (特別区) | 中央区 | 五街道の起点 |
1. 千住宿 | 足立郡 | 足立区 | 水戸街道が分岐 | |||
2. 草加宿 | 埼玉県 | 草加市 | ||||
3. 越ヶ谷宿 | 埼玉郡 | 越谷市 | ||||
4. 粕壁宿 | 春日部市 | |||||
5. 杉戸宿 | 葛飾郡 | 北葛飾郡 | 杉戸町 | |||
6. 幸手宿 | 幸手市 | 日光御成街道・筑波道が分岐 | ||||
7. 栗橋宿 | 久喜市 | |||||
8. 中田宿 | 下総国 | 茨城県 | 古河市 | |||
9. 古河宿 | 古河城下 | |||||
10. 野木宿 | 下野国 | 都賀郡 | 栃木県 | 下都賀郡 | 野木町 | |
11. 間々田宿 | 小山市 | |||||
12. 小山宿 | 日光西街道・結城道・佐野道・栃木道が分岐 | |||||
13. 新田宿 | ||||||
14. 小金井宿 | 下野市 | |||||
15. 石橋宿 | ||||||
16. 雀宮宿 | 河内郡 | 宇都宮市 | ||||
17. 宇都宮宿 | 宇都宮城下 日光街道・壬生道・鹿沼道・田原道・新里道・大谷道が分岐 | |||||
18. 白沢宿 | ||||||
19. 氏家宿 | 塩谷郡 | さくら市 | ||||
20. 喜連川宿 | 喜連川城下 | |||||
21. 佐久山宿 | 那須郡 | 大田原市 | ||||
22. 大田原宿 | 大田原城下 | |||||
23. 鍋掛宿 | 那須塩原市 | |||||
24. 越堀宿 | ||||||
25. 芦野宿 | 那須郡 | 那須町 | ||||
26. 白坂宿 | 磐城国 | 白河郡 | 福島県 | 白河市 | ||
27. 白河宿 | 白河城下 |