「春巻き」の版間の差分
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2013年9月16日 (月) 20:45時点における最新版
春巻き(はるまき、「春巻」、「春捲」とも書く。中国語:テンプレート:繁体字、テンプレート:簡体字、テンプレート:ピン音、チュンヂュアン。英語:spring roll)は、中国料理の点心の1つ。
概要
南方の広東料理では、豚肉、タケノコ、シイタケ、黄ニラなどを千切りにして炒めて醤油などで調味したものを、小麦粉で作った皮で棒状に包み、食用油で揚げたものが一般的である。香港や広州では、飲茶の際に食べることが多く、ウスターソースを付けることもある。日本の中華料理店でもこのタイプのものが多いが、広東省や香港では黄ニラを使うことが多いのに対し、日本では緑のニラやネギを使うので風味が少し異なる。
山東料理の春巻は、比較的厚い皮を用い、外にさらに天ぷらのような衣や溶き卵を付けて揚げることが多い。山東料理が比較的多く伝わっている日本の大阪市では、このタイプの春巻きを出す中華料理店もある。
しかし、浙江省などの華中、華北では小豆餡を包んだ甘いものが多く、宴会料理の1品となることもある。また、ナツメ餡などを包むものもある。
皮がパリッと揚がっていることがおいしさの要件となるので、最初は比較的低温で揚げ、再度、場合によっては再々度、高めの温度で揚げ直すという手法をとることが多い。
名称の由来
元々は、立春のころ、新芽が出た野菜を具として作られたところから「春巻」と名付けられた。
各国の春巻き
中国福建省や台湾では「潤餅」(ルンビン、ルンピア)と呼ばれる鉄板で小麦粉の生地を焼いて皮を作り、千切りの人参、大根、砕いたピーナッツなどの具を巻く料理があり、主に屋台で売られている。
フィリピン料理にはルンピア(lumpia)と呼ばれる春巻きがあり、揚げて食べることが多いが、福建料理の「潤餅」(ルンピア)が変化したものと考えられる。また、インドネシアでもルンピアと呼び、ジャワ島のスマランでは名物料理となっているが、唐辛子、ニンニクなどを付けて食べる。
ベトナム料理の生春巻き(ネムクオン/ゴイクオン、テンプレート:Vie、英:Summer roll)は日本で有名であるが、ベトナムでは油で揚げた春巻き(ネムザン/チャーヨー、Nem rán/Chả giò)が一般的である[1]。皮は生・揚げともにライスペーパーを用いるが、揚げ春巻きの皮は特に薄く、中国の厚い小麦皮の春巻きと比べても小さく、ぱりぱりしている。甘酸っぱいヌクチャムを付けて食べる点も中華料理と異なる。生春巻きは海老、香草、ブン(ビーフン)包む一方、揚げ春巻きは主に豚ひき肉とミエン(春雨)を包み、茹でたブンに載せられる(ブンネム/ブンチャーヨー、Bún nem/Bún chả giò)。中部のフエにはバインチャンゼー(bánh tráng rế)と呼ばれる網状の皮を使って作るチャーゾーゼー(chả giò rế)という変種もある。
タイ料理にはポーピア(テンプレート:Lang-th)と呼ばれる蒸し春巻きがあり、潮州料理の「薄餅」(ポッピア)が伝わったものである。油で揚げたものはポーピア・トート(ปอเปี๊ยะทอด)という。
シンガポールでは辛く味付けしたエビのすり身を包んだ、ミニサイズの春巻き「シュリンプロール」が売られている。また、インド料理のサモサに近い、カレー味の三角春巻きも作られている。
アメリカ合衆国やカナダの中華料理店では、皮が厚く大振りのエッグロール(egg roll)と呼ばれる春巻きも作られている。