UFO大戦争 戦え! レッドタイガー
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 『UFO大戦争 戦え! レッドタイガー』(ユーフォーだいせんそう たたかえ レッドタイガー)は、1978年(昭和53年)4月8日から同年12月28日まで、東京12チャンネル(現・テレビ東京)で毎週土曜日18:00 - 18:30(13話まで)、毎週火曜日19:30 - 20:00(14話から25話まで)、毎週木曜日19:30 - 20:00(26話から)に全39話が放送された、創英舎製作の特撮テレビ番組であるテンプレート:Sfn。
目次
概要
後楽園ゆうえんち野外劇場用のオリジナルヒーローで、アトラクション先行で製作されたヒーロー番組。本作の企画は当初、広告代理店の大広を通じて東映の平山亨に打診されたが、提示された予算額があまりにも低かった為に交渉は破談となり、最終的には原作者主宰の大野剣友会が下請制作を引き受けることになった。
この作品の主人公であるレッドタイガーは、正体こそ判明しているもののその素顔は全編通じて画面に出てこない。大部分の脚本を長坂秀佳が手がけており、長坂の代表作である『快傑ズバット』や『特捜最前線』などで多用された父と子の親子愛や奇抜なアイデアセンス[1]テンプレート:Refnestが多様にストーリーに盛り込まれた。
実質的最終回である37話ではレッドタイガーとブラックデンジャー魔王が相打ちという形で決着が付くが、その後の2話はヒーローであるレッドタイガーが戦死して登場できないため、軍団残党の陰謀を阻止する旅先の中で、天野一家が過去のレッドタイガーの活躍を回想する。という筋書きの総集編となっている。
あらすじ
日本防衛研究所の天野博士が建造した巨大ロボット要塞・ランボルジャイアント。それを兵器にしようと企むブラックデンジャー魔王率いるUFO軍団の襲撃によって、博士の妻・愛は記憶を失って行方をくらまし、博士は殺されてしまった。
魔王の手は博士の遺児である太陽、月子、星夫たちにも向けられたが、3人が絶体絶命に陥ったそのとき、謎のヒーロー・レッドタイガーが現れる!
彼の活躍でピンチを脱した太陽たちは、愛が未完成であるランボルジャイアントの重要部分であるスペース回路の秘密を握っていることを知った。
ランボルジャイアントを完全なロボット要塞にするため、UFO軍団を向こうに回しての太陽たちの母親探しの旅が始まった。果たして一家の運命は?そして彼らを助けてくれる謎のヒーロー・レッドタイガーの正体は?
登場人物
- 天野 銀河 / レッドタイガー
- 太陽たちがブラックデンジャー軍に追い詰められた時、颯爽と現れ彼らを助けるスーパーヒーロー。その正体は15年前、バーン星人[2]に両親の目の前で連れ去られた天野兄弟の長男・銀河であった。彼が連れ去られてから両親が銀河の話を一切しなかったため、太陽たちも彼の存在を知らなかった。怒りが頂点に達すると「レッド変身スパーク!」の掛け声と共にスーツの赤と白の色が逆転し、パワーアップする。武器・技はタイガー空中蹴り、レッド電磁ムチ、小型ミサイルを発射するタイガーVサインなど。マスクは演者の生身の口が露出したものになっている。
天野ファミリー
- 天野 太陽
- 天野兄弟の次男。18歳[3]。3歳の頃に銀河が連れ去られたため、物心ついた時には両親から銀河の話を聞かされるまでその存在を知らなかった。月子・星夫と手を合わせ「レッドタイガー!」と叫ぶことでレッドタイガーを呼ぶことができる。ギターの弾き語りが趣味[3]。
- 天野 月子
- 天野兄弟の長女(第三子)。ランボルジャイアントの通信係を担当する[3]。
- 天野 星夫
- 天野兄弟の三男。ロボQの言葉を理解することができる[3]。
- 天野博士
- 日本防衛研究所所長、天野兄弟の良き父親でもある。宇宙人と友好を交わし宇宙平和条約を結ぶことを目的に日本防衛研究所を設立した。15年前、宇宙人とのコンタクトに失敗した代償に目の前で息子・銀河を連れ去られ、父親として何もできなかった忌わしさを忘れるべく妻と銀河の話はしないという約束を交わしていた。ランボルジャイアントを強奪しようとするブラックデンジャー軍の脅迫を拒んだためにゲッタラー指揮官に射殺された。
- 天野 愛
- 天野博士の妻で、兄弟の母親。親友の結婚式の帰りに謎の円盤(ブラックデンジャー軍)と遭遇、ランボルジャイアントを奪おうとした彼らによって拷問にかけられた。そのショックで15年前以外の記憶を失った上にエイリアンを見るかのように子供達から逃げ回り、銀河を探す為に行方をくらました。だが彼女にはランボルジャイアントに関わる重大な秘密を体内に握っていたため、ブラックデンジャー軍に何度も狙われることになる。
- ロボQ
- 天野家のマスコットロボット。「キュー」の言葉しか発せられないが、星夫だけが通訳できる。頭部のレーダーは1km先まで探知可能。
- チビQ
- 破壊されたロボQに代わって太陽が作ったマスコットロボ。デンデン太鼓をモチーフにしており、星夫の腕にしがみ付いている。
ブラックデンジャー軍団
地球より800万光年の彼方から地球を征服すべくやってきた侵略軍団テンプレート:Refnest。
- ブラックデンジャー魔王
- 十字架を手に持った髑髏の姿をしている侵略部隊の総司令官。
- ブラックデンジャー軍指揮官
- ランボルジャイアントの重要部分・スペース回路を手に入れるべく送り込まれる攻撃部隊のリーダーたち。常にテンションが高いのが特徴。
- クイーンギルバ
- 第26話より登場した行動隊長。「ギルバ念力」などの超能力を持ち、タイガーVサインの直撃を受けても即座に再生する。第35話でようやく倒されるが、メカニックの残骸しか残されていなかったので、サイボーグの可能性もある。
- ガザル
- 第35話に登場した暗殺隊長。クイーンギルバの命令で妙高高原に赴いた天野一家を狙うが、故郷に残してきた息子パピットを想うあまりクイーンギルバの命令に背いたために処刑された。
- パピット
- 第35‐37話[4]に登場したガザルの息子。父親が天野一家に殺されたと唆されて天野一家を狙う。
- ジャンケン兵士
- ブラックデンジャー軍の尖兵。グー・チョキ・パーの三軍団編成。
メカニック
- ランボルジャイアント
- 天野博士が地球防衛と宇宙友好の目的で建造した巨大ロボット要塞。レッドタイガーが自ら操縦することもある。頭部の顔が阿修羅像の様に三方を向いており、常に回転しているのが特徴。三方の顔はそれぞれ正義・知恵・勇気を司っている[3]。
- 腕を回転させた後に発射する6門のミサイル弾熱線ランボラー、相手の攻撃からボディを守るランボルバリア、救助用巨大ネットレッドパーツなどを装備している。本来なら飛行も可能なのだが、そのための装置であったランボルスペース回路は戦略兵器として利用されるのを恐れた天野博士が何らかの方法で隠していた。その謎を探るため残された天野一家は幾多の謎と試練に向き合うことになる。実質上の最終回である37話では宇宙に出撃し、地球に侵攻してきたUFO軍団を迎え撃つが、激闘の末にブラックデンジャー魔王の母艦と相打ちになる。
- 「ジャイアント」の名は後楽園球場を本拠地としていたプロ野球チーム・読売ジャイアンツから。
- ランボルファイター
- ランボルジャイアントと同じく天野博士が建造した宇宙探知要塞。衛星軌道上に待機しており、レッドタイガーの乗る小型メカを搭載する。
- 「ファイター」の名はジャイアンツ同様に後楽園球場を本拠地としていたプロ野球チーム・「日本ハムファイターズ」から。
- スリッパーX1
- ランボルジャイアントの胸部から発進するレッドタイガー専用の小型戦闘機。宇宙空間飛行も可能であり、ランボルファイターとの連絡用にも使用される。
- スリッパーX2
- ランボルジャイアントの腹部から発進する地上用戦闘マシーン。
- スペースマリン1号
- ランボルファイターから分離・発進する宇宙戦用の戦闘機。
- ジャンケンUFO
- 敵・UFO軍団の繰り出す、グー機・チョキ機・パー機の三機編成UFO。
キャスト
- レッドタイガー(声):古谷徹(1 - 4話)[5]→中屋敷鉄也
- 天野太陽:星克己
- 天野月子:アネット・オーレル
- 天野星夫:古田悟郎[6]
- 天野銀河(少年期):阿佐見宏幸
- 天野博士:ジェリー伊藤
- 天野愛:岩本多代
- ロボQ(声)、天野博士(声)、ナレーター:野島昭生
- チビQ(声):東美江
- ブラックデンジャー魔王(声):飯塚昭三
- クイーンギルバ:松田利也子
- ブラックデンジャー軍指揮官:松沢勇虫、長沢大、宗方みどり、安喰洋子、松原君江
- 指揮官(声):清川元夢、岡部政明、岡田道郎、渡部猛、依田英助、緑川稔、今西正男、村瀬正彦、増岡弘、小林清志、池田勝、丸山詠二、京田尚子、加山三起
- ガザル:堀田真三
- パピット:長谷川誉
スーツアクター
- レッドタイガー[7]:中屋敷鉄也
- ブラックデンジャー指揮官[7]、イエロー三人衆[7]:河原崎洋夫
- イエロー三人衆[7]、ジャンケン兵士[7]:新堀和男
- イエロー三人衆[7]、ジャンケン兵士[7]:上田弘司
- ジャンケン兵士[7]、トランポリン[7]:湯川泰男
- ジャンケン兵士[7]:中村文弥、栗原良二[8]
- ロボQ:石塚信之、阿部正美
スタッフ
- 原作:大野幸太郎
- 企画:後楽園スタヂアム、山本賢弦
- プロデューサー:柳沢隆行(東京12チャンネル)、中野庄司(大広)、鈴木清(創英舎)
- プロデューサー補:神野智
- 監督:鍛冶昇、戸田康貴、松生秀二、近藤一美、神原大松、大塚莞爾
- 脚本:上原正三、長坂秀佳、近藤一美、高橋千津子
- 特殊技術:創英舎特技班
- 音楽:植原路雄
- ミニチュアデザイン:高橋昭彦
- 撮影:原秀夫
- 照明:松丸善明
- 美術:安田邦宜
- 操演:岸浦秀一
- 助監督:伊与田一雄
- 録音:大塚晴寿
- 編集:石川允久
- 製作主任:橋本寛
- 選曲:高橋弘幸
- 装飾:原田昌樹
- ネガ編集:久松七子
- 記録:杉山昌子、山内薫、高山典子
- 題字:堀昇
- タイトル:兵頭文造
- 色彩計測:林淳一郎、藤田竜美
- 照明助手:高野一男
- 演出助手:原田昌樹、石富正彦
- 擬斗:岡田勝
- 装置:日照、木村プロダクション
- 衣裳:大和衣裳
- 操演:沼里企画
- 音響効果:スワラプロ
- VTR合成:東洋ビデオセンター
- 録音スタジオ:整音スタジオ
- 現像所:東京現像所
- 掲載:テレビマガジン、たのしい幼稚園、おともだち、冒険王
- 撮影協力:EDWIN、スズキ自動車
主題歌・挿入歌
- オープニングテーマ「戦え! レッドタイガー」
- 作詞:大野幸太郎 / 作・編曲:植原路雄 / 歌:ささきいさお、コロムビアゆりかご会
- エンディングテーマ「出撃! レッドタイガーの詩」
- 作詞:保富康午 / 作・編曲:菊池俊輔 / 歌:ささきいさお、コロムビアゆりかご会
- 挿入歌「母をもとめて」
- 作詞:保富康午 / 作・編曲:菊池俊輔 / 歌:ささきいさお
放送リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 登場指揮官 | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4月8日 | さらわれた銀河 |
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上原正三 | 鍛冶昇 |
2 | 4月15日 | 炸裂! レッドタイガー殺法テンプレート:Refnest |
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3 | 4月22日 | お母さんの仮面 |
|
戸田康貴 | |
4 | 4月29日 | SOS! 知られた秘密 |
| ||
5 | 5月6日 | ランボルGの秘密 |
|
長坂秀佳 | 松生秀二 |
6 | 5月13日 | 帰って来たお母さん |
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7 | 5月20日 | 吼える超高層ビル |
|
上原正三 | 鍛冶昇 |
8 | 5月27日 | 銀河から来た銀河 |
| ||
9 | 6月3日 | 15年ぶりの兄弟 |
|
長坂秀佳 | 戸田康貴 |
10 | 6月10日 | 爆発! 母さんが? |
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11 | 6月17日 | 宇宙回路が完成した |
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上原正三 | |
12 | 6月24日 | よみがえった母の記憶 |
|
松生秀二 | |
13 | 7月1日 | 秘密の扉を開け |
| ||
14 | 7月4日 | タワー発進30秒前! |
|
長坂秀佳 | 鍛冶昇 |
15 | 7月11日 | 解けた遊園地の謎 |
| ||
16 | 7月18日 | 謎を秘める古代像 |
|
上原正三 | 戸田康貴 |
17 | 7月25日 | 開かれた秘密の扉 | |||
18 | 8月1日 | 喋る小鳥が謎を解く |
|
長坂秀佳 | 松生秀二 |
19 | 8月8日 | ロボQ爆発! 涙の前進 |
| ||
20 | 8月15日 | チビQの謎を解け |
|
近藤一美 | 近藤一美 |
21 | 8月22日 | うばわれた月の玉 |
|
高橋千津子 | |
22 | 8月29日 | 南房総に侵略基地 |
|
上原正三 | 戸田康貴 |
23 | 9月12日 | フラミンゴの子供たち |
| ||
24 | 9月15日 | 美しき宇宙の脱走者 |
|
長坂秀佳 | 松生秀二 |
25 | 9月19日 | 木のぼり少年危機一髪 |
| ||
26 | 9月26日 | 月と星たす太陽は? | 大塚莞爾 | ||
27 | 10月5日 | チビQとワルQの友情 |
| ||
28 | 10月12日 | 空を飛んだチャコ | 戸田康貴 | ||
29 | 10月19日 | 背番号3とハーモニカ | |||
30 | 10月26日 | 悪魔くん、こんにちは | |||
31 | 11月2日 | 雨にも負けず信じます |
|
上原正三 | 松生秀二 |
32 | 11月9日 | 宇宙人だったお父さん |
|
長坂秀佳 | |
33 | 11月16日 | シャボン玉天使の涙 | |||
34 | 11月23日 | 鬼のすむ村 |
|
上原正三 | 大塚莞爾 |
35 | 11月30日 | わが友妙高高原に死す |
|
長坂秀佳 | 戸田康貴 |
36 | 12月7日 | 宇宙から来た少年 |
| ||
37 | 12月14日 | いざランボルG発進 |
| ||
38 | 12月21日 | 帰ってきた恐怖 | (総集編) | 神原大松 | |
39 | 12月28日 | 地球最後の死神 |
脚注
- ↑ 記憶喪失の親がロボットの重要回路の秘密を持って放浪しており、子供達がそれを追って旅する、ピンチになるとヒーローが駆けつけるというシチュエーションはキカイダーと共通する。
- ↑ このバーン星人は、同じ創英舎制作のガンバロンのドワルキンが流用された。但しそのままではなく、頭部のトゲの先端が丸く加工されていた。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 テンプレート:Harvnb
- ↑ 第35話はガザルの回想シーンの中で登場。
- ↑ 「声が若すぎてイメージに合わない」という理由で古谷徹は初期のみで降板し、その後は中屋敷本人が声も演じた。
- ↑ 古田悟郎氏は後に海洋堂の社員と成り松村しのぶの下塗装設計を担当する。
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 7.5 7.6 7.7 7.8 7.9 テンプレート:Cite book
- ↑ クレジットは「栗原アキラ」。