FLAC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
FLAC(フラック、Free Lossless Audio Codec)はフリーの音声ファイルフォーマットである。
可逆圧縮であるため、元の音声データからの音質の劣化が無い。現在テンプレート:いつは「Oggプロジェクト」の可逆圧縮コーデックとして採用されている。 通常のFLACファイル (.flac/.fla) の他に、Oggファイル (.oga/.ogg) やMatroskaファイル (.mkv/.mka) などのメディアコンテナに格納することもできる。
量子化ビット数は8bit~24bit[1]、サンプリング周波数は8kHz~192kHz、チャンネル数は1ch~8ch[2]をサポートしている[3]。
FLACはオープンソースとして開発されている。ライセンスに関しては、以前はGPLが適用されていたが、Oggプロジェクトに加わった際にコアライブラリは修正版BSDライセンスに変更された。
特徴
- エンコード・デコードが速い
- シークが速い
- データ構造がエラーに強い[4]
- 前後のフレームに依存しないストリーマブルな構造であり、壊れた不完全なファイルでも実際に破損している箇所以外はデコードすることができる。
- オープンソースの可逆圧縮音声フォーマットとして広く使われており、商用でも採用される例が増えている
- 一例として、アメリカの名門オーケストラ・フィラデルフィア管弦楽団は自らの楽団の演奏音源をオンラインストアで販売しているが、FLACのファイルも購入が可能になっている。
- ナイン・インチ・ネイルズのアルバム「Ghost I-IV」($5でダウンロード販売)、「The Slip」(無料ダウンロード)はFLAC形式も入手可能となっている。
- この他にも2009年3月時点では、マージ・レコード、Linn Records、Deutsche GrammophonなどがFLACファイルのダウンロード販売を行っている。
- ビートルズの2009年リマスターCD発売の際、USB版も発売され、FLAC形式の24bit高音質版が収録された。
- 2010年7月7日よりオンキヨーが運営するe-onkyo musicでFLAC形式の楽曲の配信が始まった。[5]
- ポータブルオーディオプレーヤーでは、Cowon製品、Creative Zen、ソニー・ウォークマンの2012年国内及び欧米モデルの一部[6]などが対応している。据え置き型のネットワークメディアプレーヤー、高機能なBDプレーヤーなどにも対応する製品がある。
- 2013年10月17日よりソニーグループのレーベルゲートが運営するmoraでFLAC形式の楽曲の配信が始まった。[7]
- Wave64, RF64フォーマットのサポートにより、4GB以上のリニアPCMデータに対応
利用例
- 音楽CDを一つのMKAファイルにまとめる(アルバム化)
- (flac+cue).mka
- (FLAC).flac
- (FLAC).fla
- (FLAC).oga
- (FLAC).mka
関連項目
- Apple Lossless
- ATRAC Advanced Lossless
- La (音声ファイルフォーマット) (Lossless Audio)
- Monkey's Audio
- MPEG-4 ALS
- MPEG-4 SLS
- TAK (Tom's lossless Audio Kompressor)
- TTA (The True Audio)
- WavPack
- WMA Lossless
- 線形予測符号
- 線形予測法
外部リンク
ソフトウェア
- Directshow Filters for Ogg Vorbis, Speex, Theora and FLAC
- gitリポジトリ
- Merge FLAC files limited to max 2.00GB?, Trying to merge large flac files[8]
関連サイト
脚注
テンプレート:FLOSS-stub- ↑ 32bit浮動小数点ストリームはサポートしていない。浮動小数点ストリームに関しては、将来的な対応の予定もないことが明言されている。
- ↑ ただし、サラウンドなどのマルチチャネル・マッピング方式への対応は限定的で、2.1ch/3.1chなどはサポートされていない(仕様上は将来的な拡張が可能)。
- ↑ http://flac.sourceforge.net/format.html#frame_header
- ↑ 各フレーム毎にCRCとMD5の参照値が記述されており、正当性を確認することが可能。
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ Windowsにおいて、2GB以上のファイルでも取り扱えるように有志がコードを修正したバイナリ。