TAK
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TAK(ティーエーケー、Tom's lossless Audio Kompressor)はフリーウェアの可逆圧縮音声ファイルフォーマット及びコンプレッサーである。
概要
FLACのコードをベースに開発されたロスレス・オーディオコンプレッサーである。正式リリース以前はYalacと呼ばれていた。可逆圧縮の音声ファイルフォーマットであるため、元の音声データからの音質の劣化が無い。Monkey's Audio並の圧縮率とFLAC並(もしくは以上)のデコード速度とエンコード速度及び再生負荷(軽さ)[1][2]、内部cueシート対応等と総合的に高い性能を誇る。
無償で利用できるがオープンソースではない。そのため、再生はFoobar2000やWinampなど、エンコードはtakc.exeを外部エンコーダーとして利用できる物およびtak.exe本体のみと非常に限られていたが、現在は公認DirectShowフィルターによりWindows Media Playerなどでも利用できる。また、開発者向けにデコード用のSDKが公開され、公式以外のアプリケーションからも簡単に利用できるようになった。Tak Ver 1.x系列はVer 1.1.2 Final(2009年7月27日)をもって開発が終了。現在、Tak Ver 2.x系列の開発に移行しており、最新版はVer 2.3.0 Final(2013年6月18日)がリリースされている[3]。
特徴
- 最大24ビット、192 kHz、16ch(コーデックとしては6chに制限)までサポート。
- Monkey's Audio並に高い圧縮率。[1][2]
- FLAC並(もしくは以上)に高速なエンコード・デコード速度。
- インテル製CPUであれば、複数のCPUコアによる並列処理で単一のファイルをエンコード・デコードすることが可能。
- シークテーブル無しでの高速かつ正確なシーク。
- エラー耐性の高いデータ構造とCRCによるエラー検出を備える。
- MD5チェック機能によりファイルの信頼性を証明。
- APEtag対応、Takファイル内にメタデータを格納する事が可能。
- internal cuesheet(内部cueシート)対応により、複数音楽データ(アルバム等)を1ファイル内にまとめて扱える。
- 画像データを格納する事により、ジャケット等を表示する事が可能。(格納はMp3tag等を利用、表示はFoobar2000等)
- 歌詞データを格納する事により、カラオケのように表示をする事が可能。
- Logを格納する事により、エンコード時の環境等を確認する事が可能。
- ID3タグとデータの高い互換性を有する。
- ストリーミングへの利用可能なデータ形式。
- クローズドソース故に対応ソフトが限られていた。現在は他のアプリケーションから簡単に利用できるデコード用のSDKが公開されている
- エンコードに関してはtak.exe本体の他、Exact Audio CopyやFoobar2000等、takc.exeを外部エンコーダーとして利用できるソフトウェアであれば、エンコードする事が可能である。
- 公認DirectShowフィルターにより、DirectShowを利用可能なソフトで使用する事ができる。(最新版:dsfTAKSource v0.0.1.6(TAK2.2.0互換))
- Hydrogenaudioでのアンケートによれば、可逆音声ファイル内での普及率は2012年現在、FLAC、WavPack、Apple Losslessに次ぐ4位となっている。[4]
公認サポートソフトウェア
- Foobar2000 - オーディオプレーヤー
- Quintessential Player - オーディオプレーヤー
- Winamp - メディアプレーヤー
- XMPlay - メディアプレーヤー
- Exact Audio Copy - リッパー・ライター
- ImgBurn - リッパー・ライター
- GermaniX - トランスコーダー
- Transcoder - トランスコーダー
- caudec - トランスコーダー
- shntool -
- Mp3tag - タグエディター
- dsfTAKSource - DirectShowフィルター
関連項目
- 可逆圧縮
- 音声圧縮
- 音声ファイルフォーマット
- FLAC
- Apple Lossless
- Monkey's Audio
- TTA (The True Audio)
- WMA Lossless
- WavPack
- foobar2000