責任払い
責任払い(せきにんばらい)とは、麻雀における細目ルールのひとつで、ある特定の役の和了が発生した時に、その役を確定させる副露を許したプレイヤーに対して課される罰則(点の支払い)である。
中国語で包(パオ)ともいう。歴史的には、ロン和了の時の放銃者一人払いも包と言った(放銃一家包)。
目次
役満の包
大三元の確定
二つの三元牌を晒している相手に対して残り一種の三元牌を捨て、その三元牌もポンされた場合。
テンプレート:Nowrap の相手に対しテンプレート:牌画を捨て、それをポンされる。
- ポンではなく大明槓された場合も包となる。
大四喜の確定
三つの風牌を晒している相手に対して残り一種の風牌を捨て、ポンされた場合。
テンプレート:Nowrap の相手に対しテンプレート:牌画を捨て、それをポンされる。
- 上と同じく、ポンではなく大明槓された場合も包となる。
四槓子の確定
すでに3つ槓子を晒している上に手の内に暗刻子を持っている者に対し、その暗刻子と同じ牌を捨てて槓された場合。
テンプレート:Nowrap の相手に対しテンプレート:牌画を捨て、それを大明槓される。
- 大明槓された瞬間に四槓子の振り込みと見なされるルールもある。(詳細は「四槓子#歴史および原義の四槓子」を参照)
- なお、四槓子は大三元や大四喜と違って役の確定牌が自明ではないため、包を適用しないルールになっていることがある。その場合、フリー雀荘等では「包が適用されるのは大三元と大四喜だけです。四槓子には包は適用されません」などといったルール説明がなされる。
役満の包が成立した場合の支払い
大三元の包 | |||||
---|---|---|---|---|---|
ツモ和了の場合 | ロン和了の場合 | ||||
支払い免除 0 |
傍観者 0 |
||||
包者 テンプレート:Color |
100px | テンプレート:Nowrap 0 |
包者 テンプレート:Color |
100px | 放銃者 テンプレート:Color |
和了者 (子) +32000 |
和了者 (子) +32000 |
||||
副露によりこれらの役満が確定してしまった場合、その役が和了に至ったときには、
- ツモ和了の場合、確定する副露を発生させた者が全額を支払う。
- ロン和了の場合、確定する副露を発生させた者と振り込んだ者が半分ずつ支払う。
という特殊な点棒のやりとりが行われる。(右図) テンプレート:- なお、複数の役満が重複した場合、責任払いの対象になるのは包の対象となった役のみで、それ以外の役満の分の点数については通常通りの支払いとなる。例えば、風牌4種を4副露した者が三元牌の単騎待ちで和了した場合、つまり大四喜・字一色のダブル役満を和了した場合、以下のような支払いになる。
大四喜の包に字一色が複合しているケース | |||||
---|---|---|---|---|---|
ツモ和了の場合 | ロン和了の場合 | ||||
ツモ被害 -16000 |
傍観者 0 |
||||
包者 | 100px | ツモ被害 -16000 |
包者 テンプレート:Color |
100px | 放銃者 |
和了者 (親) +96000 |
和了者 (親) +96000 |
||||
- ツモ和了の場合(右図左)
- 4種類目の風牌を鳴かせた者が大四喜の支払い全額+字一色の通常の支払いで、48000+16000=64000点の支払い。
- それ以外の2人は字一色ツモの分の16000点の支払いのみ。
- 4種類目の風牌を鳴かせた者からのロン和了の場合
- 通常と変わらず96000点全額を支払う。
- 別の者からロン和了した場合(右図右)
- 4種類目の風牌を鳴かせた者は大四喜の包の分、48000の半額の24000点を支払う。
- 放銃したものは大四喜の半分と字一色の分の全額、24000+48000=72000点を支払う。
つまり包が適用されるのは大四喜の分だけで、字一色の分については通常の点棒のやり取りを行う(四喜和#大四喜の包も参照)。
役満の複合を認めず、上記のような役でもシングル役満として扱って打止めにするルールの場合には見解が分かれる可能性もあるが、大四喜という役満を確定させた点を重視して包を適用することがほとんどである。この場合は包の適用を受ける役が優先されるため自模和には1人払い、栄和には折半となる。
テンプレート:Anchors包が適用されない役満
清老頭、字一色、緑一色といった役満には原則として包は適用されない。包則はあくまで「役満を確定させたこと」に対して課される罰則であり、清老頭・字一色・緑一色は、4副露したとしても役満が確定したわけではない[注 1]。確定していない手牌に対して包則を適用することはできない。ただしこれは現在の一般的なルールにおける取り決めであり、かつては、鳴いてもよい役満すべておよび清一色が包則の対象であった[1]。
ローカル役満に対する包
包が適用される役満は、基本的にはあくまで上で例示した3役のみである。ただし、ある程度広く知られているローカル役満の中には、「包を適用しうる役」がいくつかあり、その代表的な例が以下の2つである。
四連刻の確定
四連刻が成立しうる3刻子を3副露している相手に対し、その4刻子目をポンされた場合。
(例)テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画 の相手に対してテンプレート:牌画を捨て、それをポンされる。
一色四順の確定
3副露して一色三順を成立させている相手に対し、同色同一順子の4順子目をチーされた場合。
(例)テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画の相手に対してテンプレート:牌画を捨て、それをチーされる。
- このような牌姿の一色四順の場合、テンプレート:牌画 テンプレート:牌画 テンプレート:牌画の3種に包のリスクがある。ただし、包のリスクを負うのは上家のみである(下家と対面はチーされて包になるリスクはないが、いきなりロンされる可能性はある)。
役満に対する包則の採用状況
- ルールの列のソートボタンで元の順序に戻る。
大明槓の包
大明槓によって嶺上開花が成立した時、大明槓をさせた者の責任払いとするルールがある。「大明槓の責任払い」とも言う。
大明槓の包の具体例
(例)東1局0本場 / 25000点持ち / 子 / 10巡目 / ドラは無関係の風牌
- テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画
- この状況から、テンプレート:牌画が切られたので大明槓し、
- テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spaces嶺上テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画
- 嶺上牌からテンプレート:牌画を引いてツモ和了した。
フリテンの状態から大明槓して嶺上で和了した場合
大明槓の包を採用する場合は、本来フリテンが適用されるはずの牌による和了であっても結果的に「振り込み」が成立する可能性が生じる。例えば以下のようなケースである。
(例)南3局0本場 / 11000点持ち / 親 / 10巡目 / ドラ表示牌 テンプレート:牌画
- テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画
- テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spaces嶺上テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spacesテンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画
大明槓のあと暗槓ないし加槓を経て嶺上で和了した場合
上の例と同じくレアケースではあるが、大明槓のあと暗槓や加槓を挟んで嶺上開花となる可能性もある。その際「大明槓の包」を適用すべきか否かについては事前に確認しておく必要があるが、麻雀劇画『白 HAKU』には主人公が四槓子を和了する次のようなシーンがあり[28]、そこでは大明槓のあとに暗槓を挟んだ嶺上ツモに対して包が適用されている。
テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:牌画テンプレート:Spaces テンプレート:牌画テンプレート:牌画 テンプレート:牌画 テンプレート:牌画テンプレート:Spaces テンプレート:牌画 テンプレート:牌画 テンプレート:牌画テンプレート:Spaces テンプレート:牌画テンプレート:牌画 テンプレート:牌画 嶺上 テンプレート:牌画テンプレート:Spaces
脚注
注釈
出典
関連項目
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タグがありません- ↑ 1.0 1.1 井出洋介監修『平成版 麻雀新報知ルール』報知新聞社、1997年、ISBN 9784831901187、p90。
- ↑ 東風荘HP/麻雀ルール - 2010年12月03日閲覧。
- ↑ 雀賢荘/麻雀ルール - 2011年01月25日閲覧。
- ↑ 東南荘/RULE - 2011年01月16日閲覧。
- ↑ ハンゲーム/麻雀4/遊び方/包(パオ)について - 2010年12月03日閲覧。
- ↑ ハンゲーム/三人麻雀/遊び方 - 2010年12月03日閲覧。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 天鳳/マニュアル - 2011年01月04日閲覧。
- ↑ 9.0 9.1 9.2 ロン2/遊び方・ルール - 2011年07月25日閲覧。
- ↑ 闘牌王/ルール - 2011年01月16日閲覧。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 麻雀格闘倶楽部7/対局ルール - 2010年12月03日閲覧。
- ↑ セガネットワーク対戦麻雀MJ4公式サイト/採用ルール - 2010年12月03日閲覧。
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- ↑ 日本プロ麻雀協会 競技規定 - 2010年12月03日閲覧
- ↑ 最高位戦日本プロ麻雀協会/ルール概要 - 2010年12月03日閲覧。
- ↑ テンプレート:Cite web第八章に包の規定。
- ↑ テンプレート:Cite web(pdf版)
- ↑ 日本プロ麻雀連盟競技ルール/パオ則 - 2010年12月03日閲覧。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ モンドTV 麻雀プロリーグ公式ルール - 2011年01月13日閲覧。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ フジテレビ/THEわれめDEポン ルール - 2010年12月03日閲覧。
- ↑ テンプレート:Cite bookp115。
- ↑ 渋沢さつき『白 HAKU』第18話、単行本第2巻p199-p222、ISBN 9784884756192、竹書房、初版発行1993年1月9日(第7刷1997年1月11日)
- ↑ 渋沢さつき『白 HAKU』第18話、単行本第2巻p214(1コマ目-2コマ目)
- ↑ 渋沢さつき『白 HAKU』第18話、単行本第2巻p214(4コマ目-6コマ目)
- ↑ 渋沢さつき『白 HAKU』第18話、単行本第2巻p215-p216。
- ↑ 渋沢さつき『白 HAKU』第18話、単行本第2巻p217(3コマ目-4コマ目)