芦ノ湖スカイライン
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芦ノ湖スカイライン(あしのこスカイライン)は、神奈川県と静岡県にまたがる一般自動車道。神奈川県箱根町箱根峠付近の国道1号から、同町の芦ノ湖北岸(湖尻水門)付近に至る延長10.75 kmの観光有料道路である。
藤田観光株式会社により建設され、1962年に本線が開通。その後、同社のレジャー関連事業の一環として運営が続けられていた。2007年に株式会社NIPPOコーポレーション(現NIPPO)に営業譲渡され、同社の100%出資子会社である芦ノ湖スカイライン株式会社により経営が行われている。
概要
本線と湖尻線の2路線からなる。本線は神奈川県と静岡県の県境に沿う形で、その大部分は静岡県側に位置し、箱根火山の外輪山の外側を通る。富士山と芦ノ湖両方の景色を堪能できる快適な観光道路である。芦ノ湖スカイラインという名称ではあるが、地形上、芦ノ湖側が眺められる箇所は少ない。沿道には植林が少なく、ササと落葉広葉樹が多いため、秋には紅葉も楽しめる。たびたび霧が発生し、その際には眺望が悪く、走行には注意が必要になる。
夜間の取り扱いは本線が完全閉鎖、湖尻線は無料開放となる。これは、接続している静岡県道337号仙石原新田線と箱根スカイラインの2路線が、湖尻線を通らなければ箱根に通り抜けできない構造のためである。この点は道路機能の観点から問題があると言え、一部からは湖尻線は県や町に譲渡されるのが、本来の道路機能のあり方という主張を受けている。
2002年(平成14年)集計の平均通行台数は1日1,270台。営業収支率は95.6%で、いわゆる赤字事業路線である。1985年時点で普通車450円だった通行料を一気に600円まで値上げし、赤字脱却を図るも、今一歩及んでいない。
テレビ神奈川で放送されていた番組、「新車情報」ならびに「新車ファイル クルマのツボ」では、自動車の試走を撮影する際に芦ノ湖スカイラインを走行しており、「いつもの山坂道」として親しまれていた。また、様々なカーマニア雑誌や観光雑誌、テレビドラマなどでも撮影ポイントとして使用される。そのため、赤字脱却を目指す所有会社がこの点に着目し、スカイライン路線内で商行為としての撮影を行う場合は、使用料の1万円を管理事務所で支払い、撮影許可証なる紙製の腕章の着用を求められる。
歴史
戦後、芦ノ湖周辺を中心とした箱根地区で、箱根山戦争と呼ばれる観光開発が繰り広げられていた最中、1959年に藤田観光により建設が開始された。1962年に本線(箱根峠-湖尻峠)が開通。その後、長らく同社のレジャー関連事業として代表的な箱根小涌園に付随する事業部門(スカイライン課)により運営されていた。
- 1959年(昭和34年)8月8日:藤田観光株式会社が国から事業免許を受け工事に着手。
- 1960年(昭和35年)9月15日:一般自動車道の工事施行を認可[1]。
- 1962年(昭和37年)11月12日:一般自動車道の工事施行を認可[2]。
- 1962年(昭和37年)12月28日:本線を供用開始。
- 1972年(昭和47年):湖尻線を供用開始。
- 1990年(平成2年)3月31日:付近にハイキングコースがあるため、交通安全を確保することから一部区間(0.1km)を神奈川県に無償譲渡。
- 2007年(平成19年)9月28日:事業主体が藤田観光株式会社から芦ノ湖スカイライン株式会社に変更[3]。
- 2007年、主力のホテル事業へ経営資源集中を進める藤田観光は、舗装事業以外への事業展開を図る道路舗装業大手のNIPPOコーポレーションへ、当路線の営業権および道路資産を有償譲渡。NIPPOコーポレーションは100%出資となる子会社「芦ノ湖スカイライン株式会社」を設立し、同社の経営となる。
出入口など
本線
- 箱根峠出入口(国道1号→箱根新道・静岡県道20号熱海箱根峠線)
- 箱根峠料金所
- 湖尻峠出入口(箱根スカイライン・静岡県道337号仙石原新田線)
湖尻線
- 湖尻峠出入口(湖尻峠)
- 湖尻峠料金所
- 湖尻水門出入口(箱根町道→神奈川県道75号湯河原箱根仙石原線)
その他
下り線の途中にあるレストハウスフジビューは静岡県裾野市に属するが、裾野市でもこの付近のみは市外局番が箱根町と同じ0460で小田原MAに属するため、NTT東日本の管内になる。