クルミ
テンプレート:Redirect テンプレート:出典の明記 テンプレート:生物分類表
項目 | 分量(g) |
---|---|
脂肪 | 65.21 |
飽和脂肪酸 | 6.126 |
一価不飽和脂肪酸 | 8.933 |
18:1(オレイン酸) | 8.799 |
多価不飽和脂肪酸 | 47.174 |
18:2(リノール酸) | 38.093 |
18:3(α-リノレン酸) | 9.08 |
クルミ(胡桃、山胡桃、テンプレート:Lang-en-short、Black walnut、学名:Juglans)は、クルミ科クルミ属の落葉高木の総称。また、その核果の仁を加工したナッツ。仏語ではノア (noix) 。木材としてはウォールナット。
原産地はヨーロッパ南西部からアジア西部とされ、北半球の温帯地域に広く分布する。樹高は8mから20mにおよぶ。日本に自生している胡桃の大半はオニグルミといい、核はゴツゴツとして非常に硬く、種子(仁)が取り出しにくい。なお、クルミとして利用されるのはクルミ属の植物の一部にすぎない。
実
- 生産はアメリカ・カリフォルニア州と中国が多い。日本では長野県東御市(旧長野県小県郡東部町)がクルミの生産量日本一である。
- 5月から6月にかけて開花し、その後に直径3cm程度の仮果と呼ばれる実を付ける。仮果の中に核果があり、その内側の種子(仁)を食用とする。脂質が実全体の70%を占めている。また、ビタミンEを始め様々なビタミンやミネラルが豊富に含まれており、非常に栄養価の高いことでも知られる。
- 食用としての利用は古く、紀元前7000年前から人類が食用としていたとも言われている。日本では縄文時代から種実の出土事例があり、オニグルミを中心に食料として利用されていたと考えられている。文献資料においては『延喜式』に貢納物のひとつとして記されているほか、『年料別貢雑物』では甲斐国や越前国、加賀国においてクルミの貢納が規定されており、平城宮跡出土の木簡にもクルミの貢進が記されている。
- アメリカでは子孫繁栄の意味を込め、結婚式の際にクルミを撒く習慣がある。
- 非常に硬く簡単には割れないため、専用のくるみ割り器(クラッカー)もある。なお、クルミ割り人形は、これを人形の頭にして顎にクルミを挟ませ、噛み割るように見せるものである。他に、手のひらにクルミを握り込んで転がすのが握力の鍛錬になるほか、老化の防止になるなどの効用もある。
- オニグルミはハンマーを使わないと割れないが、シナノグルミ(菓子クルミ)やヒメグルミは核果同士を縦筋に合わせて手の腹で押したり握り潰せば、容易に割れる。
木材およびその利用
木材としては、日本国内でも「ウォールナット」という名称で扱われる。北アメリカやカナダで産出されており、チークやマホガニーと共に世界三大銘木の一つに数えられる。1660年から1720年にかけ、ヨーロッパ市場ではイギリスデザインやウォールナット種の製品が大きな人気を博し、ヨーロッパ家具の歴史では「ウォールナットの時代」と呼ばれるほど持て囃された。
木質は重硬で衝撃に強く、強度と粘りがあり、狂いが少なく加工性や着色性も良いという特性を持つ。落ち着いた色合いと重厚な木目から、高級家具材や工芸材に用いられてきた。アメリカ合衆国大統領の指揮台やアメリカ合衆国最高裁判所のベンチに使用されるほか、耐衝撃性の強さを生かしてライフルの銃床にも使用される。また、チップは薫製づくりの際のスモークチップとしても用いられる。
以上ような需要の高さから持続的な伐採が行われた結果、資源が枯渇ぎみであり、現代ではクルミ材は高級木材となっている
含まれる種
- 食用とされるもの
- その他
- クルミ科のヒッコリー(英:hickory、中:美国山核桃、学名:Carya spp.)の材は、ドラムスティックの材料に多く使われる。また、スキー板や杖など運動器具のほか、食品の燻煙にも用いられる。
「くるみ餅」の地域性
仙台などで「くるみ餅」(クルミゆべし)といえばくるみ餡で和えた餅を指すが、大阪などにおける「くるみ餅」は植物のくるみではなく、餅を餡で「くるむ」という語源であり、ここで用いられる餡は主に大豆餡である。また、高級化を図って枝豆餡で作られることも多く、その場合の「くるみ餅」はずんだ餅に酷似している。
その他
- 北欧神話には、女神イズンがクルミの実へ変えられる話がある。
- 今昔物語には、サナダ虫の嫌いなものにクルミを挙げている。
- クルミはニセアカシアやイタチハギなどとともに植物の病害であるリンゴ炭疽病(人畜に感染する炭疽病と全く無関係)の伝染源になりやすく[2]、リンゴなど果樹栽培のさいには伐採するなど植生に注意が必要である。
画像
- Walnut's Home.jpg
実の中のクルミ
- Walnuts 01.jpg
クルミ割り器
脚注
- ↑ USDA栄養データベースUnited States Department of Agriculture
- ↑ テンプレート:PDFlink