職業高等学校
職業高等学校(しょくぎょうこうとうがっこう)とは、専門教育を主とする学科のうち、農業・工業・商業・水産などに関する職業教育を主とする学科を中心に構成された高等学校の総称である。類義語としては実業高等学校がある。一般的に、教育を行うために専門技術を有する実習助手や実習教諭をおかなければならない分野が扱われている高等学校を指すことが多い。
なお、現在では職業教育に限定されない総称として、専門高等学校(せんもんこうとうがっこう)と公称されている。職業教育は特定の学校や学科だけではなく普通科を含めて広く行われるべきであること、専門学科における職業教育を普通科などにおける職業教育よりも専門性を重視したものとして位置づけることなどから、文部省(現文部科学省)は、職業高校を専門高校に呼び改めることを提唱し、職業高校の公式名となった[1]。
概要
職業高等学校の特徴は、卒業した段階で、専門となるスペシャリストをめざせるような教育課程(カリキュラム)を有する学科が置かれていることである。
1990年代後半からは、職業教育という側面のみならず、専門教育としての側面が強調されはじめ、大学などをはじめとする高等教育への進学も視野に入れられるようになりつつもある。また商業科においては専門教育をさらに超え、普通科目を発展させた社会科学に関する科目も学んでいる。
一部を除き実践的な専門教育を行う学科がおかれているため、就職希望の生徒が多い。また、職業高等学校における多くの学科では、専門教科に属する科目の授業数が多いことから、普通科目が少ない場合もある。一般入試による大学受験は、一部を除き不利である見方がある一方、特定の高等学校や学科に対し推薦入学の定員を設けている大学もある。ただし商業科に関しては例外で、進学者数が増加している上に国際関係を含む学科を設置している場合もあったり、統合が進んでその他の学科への改変も行われている。また一般入試に対して積極的な高校が増えている。また進学者に対する優遇制度も多く存在しており、様々な科目で試験免除や単位認定がされる。
また、一部の学校においては生徒に対し各種資格の取得を推奨しており、推薦入試の対象として重要なものとなる。他には漢検などを推奨する高校もある。