納沙布岬
納沙布岬(のさっぷみさき)は、北海道根室市にある岬である。離島を除けば日本の本土最東端にあたる。根室半島の先端、東経145°49′、北緯43°22′に位置する。
読み方が似ているが、野寒布岬(のしゃっぷみさき)は稚内市にある岬であり、納沙布岬とは違うものである。また、とんねるずの楽曲、「人情岬」のモチーフである。
概要
地名の由来は、アイヌ語の「ノッ・サム」(岬の傍ら)から。本来は岬の傍らにあった集落の名前である。根室市に所属し、珸瑤瑁(ごようまい)水道を挟んだ海の向こうには現在ロシア連邦の占領・実効支配が続いている歯舞群島を望む。歯舞群島貝殻島まではわずか3.7kmしか離れておらず、ロシアの巡視艇が海上に頻繁に姿を現す。
望郷の岬公園、四島のかけはし、納沙布岬灯台、北方館、望郷の家、望郷の塔などが置かれ、夏季は多くの観光客が訪れる。
8月の月平均気温が16.5℃と、全国で一番低い。月平均最高気温は20.2℃と日本一の低さではないが、北海道でも夏が寒冷な地域のひとつとなっている。
元旦には北海道一早く初日の出を拝める場所として、「納沙布岬初日詣」がおこなわれる(一般人が自由に訪問できる場所としては日本最東端だが、緯度が高いため日本一早い場所とはならない)。
北方館並びに望郷の家2階では、双眼鏡(無料)が設置され、ここから歯舞群島の水晶島(7km)を見ることが出来る。平坦な島の上に、ロシアの監視塔や、レーダー施設を見ることが出来る。
この辺りの海域は、日本海域とロシア海域が共に200海里を取る事が出来ない海域の為、岬から歯舞群島との間に日・露中間線(事実上の国境線)としてのブイがある。日本の漁船がこれを超えて、密漁したために、ロシア側に拿捕される事件や、「北海道海面漁業調整規則」違反で逮捕される事件[1]が度々起こっている。
納沙布岬灯台の沖合いには、2003年4月18日に座礁したロシア船が岩場に乗り上げたまま放置されており、その様子を納沙布岬灯台ライブカメラで逐一観察できるようになっている。
四島(しま)のかけはし
世界平和と、いわゆる「北方領土」返還を祈念するために作られたシンボル像。高さ13m、底辺の長さ35m。建設が決定してから3年の歳月を経て1980年9月27日に竣工した。特殊耐候性鋼板製。四島とは国後島、択捉島、色丹島、歯舞群島のこと。
像の下には「祈りの火」と呼ばれる点火灯台がある。テンプレート:要出典範囲また、四島のかけはし横に、訪問者の浄財を募るポストが併設されている。
アクセス
- JR根室駅より根室交通バスで約44分、1日7~8往復、1040円、往復割引1割引有(2011年10月現在)納沙布岬下車徒歩すぐ。
- 北海道道35号根室半島線
ギャラリー
- Nosapp01.jpg
納沙布岬灯台(2005年10月撮影)
- Stranding ship at Nossapu cape.JPG
納沙布岬灯台沖合いに座礁し放置されたロシア船(2009年8月撮影)
- Habomai-shoto Islands.JPG
左から オドケ島・萌茂尻島・秋勇留島(2006年3月撮影)
- Hokkaido pref road No35 Nosappu Cape.jpg
望郷の塔オーロラタワー
脚注
外部リンク
テンプレート:Asbox- ↑ 株式会社 水産北海道協会『平成22年版 北海道海面・内水面漁業調整規則』