筑豊電気鉄道

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ファイル:かつての計画をほうふつとさせる遠賀川橋梁.JPG
かつての計画をほうふつとさせる遠賀川橋梁

筑豊電気鉄道株式会社(ちくほうでんきてつどう)は、福岡県北九州市八幡西区から直方市に至る地域で鉄道を運営する鉄道事業者。通称:筑鉄ちくてつ、または筑豊電鉄西日本鉄道(西鉄)の完全子会社である。本社は福岡県中間市鍋山町1番6号。

2000年からは、西鉄の黒崎駅前 - 熊西間の第2種鉄道事業者となり、同区間の運営も行っている。

北九州から直方を経て福岡を結ぶ鉄道を計画していたが、直方までの開業に留まった(筑豊電気鉄道線の歴史の項目も参照)。かつては西鉄大牟田線(現・天神大牟田線)とつなげる構想もあり、その後も飯塚市までの延長が審議されたこともあったが、双方共に実現には至らなかった。

社紋

1956年3月10日に制定された。1996年末まで使われていた当時の西鉄の社紋に似せているが、上半分が2本のツルハシを模した形になり、下半分の輪郭がやや太くなっている。

ツルハシは炭鉱に通じ、当時西日本有数の産炭地であった筑豊炭田を通過する鉄道であることを象徴する[1]

歴史

路線

駅一覧、建設経緯などは以下の項目を参照。

車両

西鉄北九州線と相互乗り入れを行っていたため、路面電車タイプの車両を使用している。

開業当初は自社の車両を保有せず、西鉄北九州線の車両を5両借入して使用し、この借入車と同線からの乗り入れ列車で賄っていたが、1976年西鉄福岡市内線で使用していた連接車を譲受して以降、自社車両を保有するようになった。なお、保有する全電車が吊り掛け駆動方式となっている。電車を保有する日本の鉄軌道事業者で、カルダン駆動方式の電車を1両も保有していないのは、2014年現在で筑豊電気鉄道のみである。また、2013年以降、札幌市電阪堺電気軌道超低床車両を相次いで導入することが決定したことから、ステップレス車両を保有しない路面電車型車両による事業者も、筑豊電気鉄道が日本唯一となっている。2015年春から2018年度までに4編成の新型低床車両の導入を計画している[2][3]

  • 2000形(3両連接車。2両連接車は全廃)
  • 3000形(2000形の2両連接車の機器流用車)

車両基地

車両基地黒崎(元西鉄北九州線黒崎車庫)と楠橋にあり、検車機能が楠橋に、工場機能が西黒崎にある。

乗務員

開業当初は乗務員養成が間に合わず、西鉄北九州線の乗務員が乗務していたが、開業後に順次養成を進め、自社で賄うようにした。2004年からは、鉄道事業法による鉄道の電車を運転するのに必要な日本の国家資格である甲種電気車操縦者運転免許証の取得を西日本鉄道の電車教習所に有償で委託している。

乗務員の制服は、2008年3月17日に親会社の西鉄が制服を改定したのに伴い、現在では西鉄と同じ黒を基調したものに変更された。制帽の社紋と名札以外は西鉄と同じである。

すべての列車で車掌が乗務しており、ワンマン運転は行われていない。黒くて硬い両替バッグを吊るした車掌という、かつて日本全国で標準だった鉄道スタイルを貫いている。車内には両替機がなく、運賃支払い時に釣銭も出ないため、車掌が運賃の両替を行っている。扉の開閉は車掌が行い、進行方向の運転台横の扉のみ運転士が扉の開閉操作を行う。

2007年頃に『黄ヘル』の愛称で呼ばれた乗務員が存在した。乗務員から異動し、黄色いヘルメットと青い作業服を着用して沿線各駅の施設管理や清掃業務に従事していた[4]

運賃

鉄道線で多く見られる距離制、あるいは軌道線で多く見られる均一制ではなく、路線バスなどで見られる区間制を採用している。筑豊直方駅 - 黒崎駅前駅間を7区に分けており(各区間の境界は木屋瀬駅筑豊香月駅筑豊中間駅三ヶ森駅森下駅熊西駅)、何区乗車したかで運賃が決められている。従って、2駅間であっても区間境界駅をまたいで乗車した場合は2区分の運賃が必要となる。また、穴生駅 - 三ヶ森駅間が営業キロ2.7kmで運賃250円であるのに対し三ヶ森駅 - 筑豊中間駅間が2.9kmで200円というように乗車する区間によっては運賃が逆転する場合がある。

大人普通旅客運賃(2014年4月1日改定[5]
区数 運賃 備考
1区 200円 熊西 - 黒崎駅前間のみ180円
2区 250円
3区 300円
4区 330円
5区 370円
6区 400円
7区 430円
  • 小児運賃は半額(10円未満の端数切り上げ)

運賃は車内精算が基本で、駅に設置されている整理券発行機で整理券を取り、降車時に車内で直接現金精算を行う。普通乗車券は黒崎駅前駅のみで販売されている。回数券・定期券のほか、西鉄北九州線代替となる西鉄バス北九州(黒崎 - 砂津間)との連絡回数券も発行されている。

乗車カードの取扱いについては、2008年に西鉄グループが導入したICカードnimoca」は2014年4月時点では利用できないが、筑豊電気鉄道と国(九州運輸局)、福岡県、沿線3市で構成する「筑豊電気鉄道沿線地域活性化協議会」の事業として、2014年度中に「他の交通機関との相互利用が可能となるICカードを導入する」計画としている[6]

なお、1999年に西鉄電車・バスと福岡市交通局で導入された磁気式SFカード「よかネットカード」(取扱い終了)は利用することができなかった。

関連項目

参考文献

  • 「地域社会と共に育ち共に走った 筑豊電鉄30年の歩み」発行:筑豊電気鉄道

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. テンプレート:Cite book
  2. テンプレート:PDFlink - 北九州市、2014年2月12日
  3. http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/m20140711ddlk40020375000c.html 筑豊電鉄:新型車両導入へ ICカードシステムも 沿線3市と支援協定 /毎日新聞
  4. 社報筑鉄新聞第64号
  5. テンプレート:PDFlink - 筑豊電気鉄道、2014年3月4日
  6. テンプレート:PDFlink - 筑豊電気鉄道2014年4月8日

外部リンク

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