神町駅
神町駅(じんまちえき)は、山形県東根市神町中央一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)奥羽本線の駅である。「山形線」の愛称区間に含まれている。
2000年(平成12年)頃までは、駅舎の大部分の地籍が天童市の飛地の「天童市大字乱川字西原」であったが、その後、天童市が東根市に無償譲渡した[1]。
駅構造
山形新幹線の新庄延伸工事が開始されるまでは、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線を持っていたが、工事が始まってからは単式ホーム1面1線を残しすべて撤去され、列車の行き違いが出来なくなった。
戦前は海軍の神町海軍航空隊基地の最寄り駅として栄えた。戦後は現在の神町駐屯地に米軍キャンプがあったとき、キャンプ内へ当駅から約3kmの専用線があった。現在でも神町 - 乱川間の約1kmの線路脇が広いのはその名残である。当駅にはRTO(連合軍鉄道運輸司令部事務所)が置かれたほどで大変重要な役割を果たした。現在も駅脇には広大な空き地が広がり、かつての構内の広さを偲ぶことができる。
駅舎は非常に立派で、かつての栄華を思い起こさせる。現在使われている駅への入口は駅舎に向かって右端にあるが、これよりも立派な正面玄関が駅舎の中ほどに使われずに残っている。この玄関はRTO事務所への入口で、占領下の面影を今に残す貴重な遺産である。この駅舎は木造2階建てで天井は高く、待合所中心部には大きな柱が立ち、駅舎内には出札口・簡易自動券売機がある。いまだに小荷物扱いの受付窓口が残っているが現在は小荷物の扱いは無い。外壁の二階部分には大きく「JIMMACHI STATION」という特徴的な表示があり、占領時の雰囲気を伝えている。
1996年(平成8年)から2004年(平成16年)まで駅構内にジェイアールバス東北山形営業所が設置された。これは閉鎖となった小国営業所から移転してきたものである。当駅構内が移転先として選ばれた理由は、第一に山形県内に於けるJRバスの貸切免許を維持するため、第二に山あいの小国町よりも営業施策上有利で鉄道用地が空いているためだった。後に山形営業所は山形新幹線新庄延長工事や左沢線寒河江駅構内改良工事に伴う列車運休の代行バスを担うこととなり、その基地としてこの駅も重要な役割を果たした。
2006年(平成18年)3月まで直営駅であったがみどりの窓口の設置はなく、土曜・日曜の営業時間はとても短かった。現在はさくらんぼ東根駅管理の無人駅である。利用者のマナーが悪く、ゴミも増えたために待合室が閉鎖された。周辺住宅地との距離が近く、神町駐屯地や工業団地を控え、乗降客が比較的多いため、神町タクシーの客待ちがある。
のりば
1 | テンプレート:Color山形線(上り) | 山形・米沢・福島方面 |
テンプレート:Color山形線(下り) | さくらんぼ東根・村山・新庄方面 |
利用状況
近年の一日平均の乗車人員の推移は以下の通りである。
年度 | 一日平均 乗車人員 |
---|---|
2000年 | 396 |
2001年 | 398 |
2002年 | 391 |
2003年 | 362 |
2004年 | 360 |
駅周辺
山形空港が近くに位置するが、ターミナルビルが滑走路を挟んだ反対側にあるため、実距離は長い(→空港連絡鉄道#地図上で近い駅)。
- 神町郵便局
- 泉屋旅館 - 温泉は無いが駅前にある。
- 陸上自衛隊神町駐屯地
- 山形空港 - 車で約5分
- 国道13号
- 国道48号
- 国道287号 - 道の駅河北
- 東北中央自動車道 - 東根インターチェンジ
- 東根市立神町中学校
歴史
奥羽本線が山形駅から楯岡駅(現在の村山駅)まで開通するのと同時に開業した。当時は山形 - 楯岡間に天童駅と当駅しかなかった。当駅が重要視されていたことを証明していよう。現在東根市の玄関口はさくらんぼ東根駅であるが、それ以前の同市の代表駅は東根駅だった。当駅はその東根駅よりもさらに古く、市内で最も歴史のある駅である。
- 1901年(明治34年)8月23日 - 奥羽本線山形 - 楯岡間開通と共に開業。
- 1916年(大正5年)2月22日 - 谷地軌道開業(神町-仮谷地間)[2]。谷地延長は1918年(大正7年)3月11日[3]。
- 1935年(昭和10年)10月1日 - 谷地軌道廃止[4]。
- 1946年(昭和21年)7月1日 - RTO設置。1952年3月31日廃止。
- 1946年(昭和21年)7月9日 - 米軍「神町キャンプ」専用線完成。
- 1946年(昭和21年)11月11日 - 専用線内の脱線事故により即死3人負傷24人。
- 1947年(昭和22年)8月 - 駅本屋改築。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR東日本の駅となる。
- 1996年(平成8年)4月15日 - JRバス東北山形営業所が当駅の構内に設置される。
- 1999年(平成11年)12月4日 - 山形新幹線新庄延伸により、棒線化。
- 2004年(平成16年)4月1日 - JRバス東北山形営業所が山形駅前に移転する(現在廃止)。
- 2006年(平成18年)4月 - 無人化。
隣の駅
- 東日本旅客鉄道
- テンプレート:Color山形線(奥羽本線)
参考文献
- 山田亮「もうひとつの東北の「白象」 神町駅」 - 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』2001年12月号 No.710 p106 - p107
脚注
- ↑ 山形新聞2000年12月5日
- ↑ 『鉄道院鉄道統計資料. 大正7年度』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 和久田康雄『鉄道ファンのための私鉄史研究資料』電気車研究会、2014年、38頁
- ↑ 「軌道営業廃止」『官報』1935年11月8日(国立国会図書館デジタルコレクション)