相鉄7000系電車
テンプレート:鉄道車両 相鉄7000系電車(そうてつ7000けいでんしゃ)は、1975年(昭和50年)から製造された相模鉄道の通勤形電車。
本項では、1975年から1985年(昭和60年)にかけて製造された7000系、1986年(昭和61年)から1989年(平成元年)にかけて製造された新7000系、2005年(平成17年)から2006年(平成18年)にかけて本系列を改造した事業用車両700系モヤ700形について述べる。
解説の便宜上、個別の編成を指す場合は編成中の横浜方先頭車(1号車)の車両番号を用いて、「7751F」(Formation=編成)のように表記する[1]。
概要
1960年代、相鉄では旧6000系のアルミ試作車両としてモハ6021が製造され、鋼製の同型(モハ6000形)と比べて4.5t程度の軽量化に成功した。さらに1970年代初頭、2000系や5000系 (初代)といった車両を、アルミニウム製車体に乗せ換えることで、性能を落とすことなく車体の大型化に成功した。
これらの成功を受け、当時の標準車両であった新6000系の設計を基に、軽量性に優れるアルミ製車体を有する新形式として製造されたのが7000系電車である。6000系電車に続く相鉄の主力車両として導入がすすめられた。全車両が冷房装置を搭載した。
系列別概要
7000系
全車両が日立製作所にて製造され、1975年(昭和50年)9月から1985年(昭和60年)4月にかけて11次に渡り、合計80両が投入された。
車体外観
アルミ製20m長、両開き式ドアを片側に4つ配した通勤型の車体である。基本的には先に登場した2100系、5100系に準じた車体構造だが、ロール材などを活用し、さらなる合理化と軽量化を図っており、構体重量(足回りを除いた車体の上の部分)は3.6tという大型通勤電車としては空前の軽量。総重量で見ても電動車が約35t、付随車が約24tで、新6000系と比べて5t程度の軽量化に成功している。車体の配色は2100系、5100系と同様にアルミの色を活かしたクリア塗装が施されており、アクセントとして前面貫通扉や側面の飾り帯にオレンジ色を配色している。尚、この飾り帯は、外版とフレームとの接合部分を隠す役割を果たしている。
屋根上には、製造当初より冷房装置が搭載されている。新6000系での試験結果を踏まえ、基本的に日立FTUR-550形(能力は40000Kcal/h)を搭載するが、後期には試験を目的にヒートポンプ式が採用された。室内換気用の通風器(ベンチレーター)も設置されておりガーランド型と呼ばれる十字型のものである。
側面の表示は「急行」や「各停」といった列車種別の表示のみで、行き先の駅名の表示はできない。初期の車両では、前面の各種表示は手動で行っていたが、後に導入された車両は電動の物が装備され、初期の手動幕についても、電動の物に交換された。ちなみに側面の種別表示は、当初より電動である。 また、特急が登場するなどダイヤパターンが大きく変わった2014年4月27日のダイヤ改正に合わせて幕が更新され、行き先が表示できない7000系と新7000系がいずみ野線直通運用に入る時は種別の下に「いずみ野線」と表記された幕が使用されるようになった。 なお、「いずみ野線」と表記された幕を使用するのは下り列車のみであり、上り列車では通常の種別のみが表記された幕を使用する。
集電装置(パンタグラフ)は、6000系以降に登場した車両と同じく、全ての電動車の海老名寄りの屋根上に設置されている。導入当初の形式はともに菱形形状のPS13で、後期のものはPS16であったが、後年は更に、シングルアームの物が追加されるなど、種類が増えた。
前述のように2100系や5100系と外観が酷似しているが、分かりやすい相違点としては以下のようなものがあげられる。
- 屋根上のベンチレーターの形状 - 本系列はガーランド型、他2つは丸い形のグローブ型である。
- 側面帯の太さ - 本系列の方が細い。
- ライト類の配置 - 本系列の方がやや外側よりである。
当初はクハ7500形・クハ7700形・モハ7100形-モハ7100形のユニット の3形式が登場し、編成も新6000系をモデルにした4両+4両の8両編成と、2100系をモデルにした中間にモハ7100形を4両組み込んだ6両編成の2種類だったが、その後1本[2]を除き7両編成に組み換えられた。その後、すべての編成をラッシュ時10両編成・閑散時8両編成として運転できるよう1983年(昭和58年)に横浜寄り制御電動車モハ7000形-モハ7100形のユニットとサハ7600形が登場した。各形式の詳細については後述の形式詳細を参考。
車内設備
座席は全てロングシートで、生地の色は当時の相鉄の標準であったオレンジ色(優先席は灰色、のちに青色)を採用した。
3次車(昭和52年)以降はモハ7100形の連結面に、風を遮るための(貫通扉)が設置されている。本系列は前述のように、製造当初から冷房装置を搭載していたが、天井に扇風機を併設し、壁面にはその操作スイッチが設置されている。このスイッチは、乗務員室内のメインスイッチを入れないと作動させることはできない。乗務員の判断でメインスイッチを作動させたうえで、乗客に個々のスイッチを操作するように促す放送を流すことがある。
側面客室窓は、当時の相鉄車両の特徴である、油圧機構押しボタン操作式の1段下降式パワーウィンドウ仕様で、ボタン操作一つで窓を開けることが可能。また、車内客室扉脇には、B5版程度の大きさの鏡を複数枚設けている。
運転・走行機器
テンプレート:Double image aside 電装品は先に登場した新6000系に準じている。
動力車は2両を1組とするMM'ユニット構成で、M1車もしくはMc1車に搭載された制御装置が、自身とM2車に搭載されている主電動機(走行用モーター)8台を一括して制御する方式、いわゆる1C8M制御を採用している。制御装置は日立製[3]の抵抗制御である。この装置には、新6000系と同じく発電ブレーキ機構は装備していないため、静かに減速する。 主電動機には直流直巻電動機[4]を採用、回転力の伝達方式は伝統の直角カルダン駆動方式、減速比は車体の軽量化を踏まえて、新6000系の1:4.9に対して本系列では1:4.5と高速性を重視した設計とした。
照明や冷房装置の補助機器類電源として電動発電機(MG)[5]を、ドアの開閉やブレーキに用いる圧縮空気の生産用に空気圧縮機(コンプレッサ、CP)][6]をM2車の床下に設置している
台車は保守の容易空気ばねと、ペデスタル軸箱支持で、動力車が日立KH59-B1型[7]、付随車が日立KH72A1型[8]を採用した。ブレーキは応答性に優れる電磁直通式で、摩擦ブレーキだけで減速する。摩擦ブレーキにはディスクブレーキを採用。動力車・付随車いずれも、ディスクを車輪の外側に装着している。これは、旧6000系から採用されている構造である。
車内の照明や冷房装置などの電源として、日立製電動発電機(MG)。ドアの開閉やブレーキに用いる圧縮空気の生産に、日本エヤーブレーキ(現;ナブテスコ)製の空気圧縮機(CP)が設置されている。MGとCPの能力はそれぞれ140kVA、2130l/minであり、能力は同等だがいくつかの形式に分けられる。
先頭車が貫通構造であることもあり、運転台はコンパクトにまとめられている。運転室内全体は緑色を配色。計器類は黒色となっている。マスターコントローラーは4段ノッチの縦軸式、ブレーキハンドルも縦軸式である。本系列は電磁直通式ブレーキを採用するが、一般的なものと異なり、日立式と呼ばれる日立製作所が発案した独自規格を採用している。一般的な電磁直通ブレーキでは、ブレーキハンドルを動かした角度に比例してブレーキが強くなるが、日立式では、減速する場合に「常用」位置まで一旦ハンドルを動かす。常用位置にハンドルを置くと圧力が変化するので、圧力が適正になったらハンドルを「重なり」位置に移動させることで減速する。これは自動空気ブレーキの操作と同じであり、一般的な電磁直通式とは操作方法が大きく異なっている。
保安設備
列車無線、自動列車停止装置(ATS)とデッドマン装置を搭載する。
新7000系
1986年(昭和61年)5月から1989年(平成元年)にかけて投入された編成(第12次増備車以降)は、前面デザインや側面の配色が大幅に変更されたため、新7000系と呼ばれ、前述の7000系と区別されている。本系列も全車両が日立製作所で製造され、各形式で合計60両が投入された。後の8000系電車や9000系電車に採用された多くの新機軸を導入している。
最初の編成は1986年(昭和61年)春に運転を開始した。
車体(新塗装化以前)
- 新塗装化については「#更新工事」参照
前面のスタイルが大きく変化した。1970年代後半より流行している、前面窓周りに黒色を配色し前面窓を大きく見せる手法、いわゆるブラックフェイスが、相鉄の車両としては初めて導入されている。前面のカラーフィルムには社名(SotetsuもしくはSagami Railway)の頭文字の”S”をあしらった模様が採用された。ライト類の位置が変更され、運用番号表示幕や種別表示幕は、小さい物が採用された。車体上部には優等列車であることを示す急行灯が設置されているが、現在は使われていない。
側面スタイルは7000系と同じだが、上下のアルミ製飾り帯をやめ、窓下へのフィルムステッカーに変更されている。当時流行のデザインに一新し新車をアピールしたが、外板の繋ぎ目が露になった。側面の表示には行き先表示は無く、7000系同様に「急行」や「各停」などの種別表示のみである。
冷房装置は7000系などでの試験結果を踏まえて先頭車両のみヒートポンプ機構を採用した。形式は日立FTUH-550で能力は42000Kcal/hである。
編成は半ば固定化されたものになり、6+4両編成が2本、5+5両編成が1本、10両貫通固定編成が3本である。最後の3本は相鉄では初の10両貫通固定編成になった。これによって運用する際の柔軟さは失われたものの、中間に制御車を挟まないことにより編成全体での定員の増加に貢献している。
車内設備
最初に導入した7713Fは、7000系と比べシート端の握り棒の有無以外ほとんど変わらないが、導入2編成目の7715Fからは、客室天井の扇風機がラインデリアに変更された。天井構造も平天井にモデルチェンジされた。
また、車内には客用ドアの上部に千鳥配置で、地図式の旅客案内表示器が設置されている。駅名のランプを点灯・点滅させることにより、行き先と、次の停車駅を表すことができる。なお、7713Fでは貫通路の上部にも同じ物が設置されている。
最後に導入された7755Fには編成中2両、5号車と8号車にセミクロスシートが試験的に採用されたが、乗客に好評だったため、後発の8000系や9000系にも採用されている。
走行設備
当初製造された、横浜側が6両の6+4両編成が2本(20両)は、従来の抵抗制御のままである。抵抗制御の編成はMT比(電動車と付随車の構成比率)6M4Tの10両編成を組む。この20両は、旧7000系とほとんど変わらない走行設備を持つ。各形式の車両番号も、旧7000系の続きの番号で付けられている。(7100形7133~7147の奇数は欠番)
1988年(昭和63年)以降に投入された編成は、これまでと大きく異なる設備となった。これは、3000系電車を用いたGTO素子によるVVVFインバータ制御の試験の結果が良好であったことから、本系列においても導入することになったものである。各形式の車両番号は、下2桁を新たに51から振っており、これらは7050系や7000系50番台として区別されている。
モーター制御方式は、日立製回生ブレーキ付VVVFインバータ制御方式を採用。主電動機(走行用モーター)も一新され、日立製かご形三相誘導電動機(出力180kw)を採用。モーターの出力向上と歯車比の見直し(1:4.50 → 1:4.90)により、1編成当たりの電動車の数を減らして、10両編成で4M6T(電動車が4両、付随車が6両)を基本の構成とした。車軸への動力伝達は伝統の直角カルダン駆動方式を継続して採用したため、独特な電動機の磁励音を立てるのが特徴である。台車も抵抗制御のものとは大きく異なり、1次(車軸)バネをロールゴム式円筒案内とし、ゆれ枕を上ゆれ枕式空気バネとした日立KH-132A(電動車)・KH-135(その他)を採用した。
電動車の数を減らすことには成功したものの、VVVFインバーターは降雨や降雪といった悪条件時の粘着力が十分とは言えず、更に軽量車体であるがゆえ、滑走が発生しやすくなると言う問題点も発生した。また、ブレーキ方式は、電磁直通弁式電磁直通ブレーキ(通称:日立式電磁直通ブレーキ)としては、初の回生ブレーキ付とされた。[9]作用機構が複雑であったためか、本系列だけの採用に留まった。
VVVFインバータ車両の電動車では交流モーターを用いており、その特性上ブラシの保守が不要であることから、台車直上床の主電動機点検蓋(トラップドア)は不要とされるが、本系列では「念のため」設置しているという。
保安設備
旧7000系に準ずる。
事業用車(700系)
概要
架線検査用2000系電車モニ2000形やED10形電気機関車が、製造から40年以上が経過し老朽化していたため、2005年(平成17年)から2006年(平成18年)にかけて、余剰となった本系列(旧7000系)のうち、モハ7000形-モハ7100形のユニット2本、計4両が東急車輛製造にて事業用車に改造(その後かしわ台車両センターで施工)され、700系モヤ700形となった。以下の車両が改造された。
←横浜方面
- 7002 - 7136 ⇒ 701 - 702 … 検測・入換・牽引用
- 7001 - 7134 ⇒ 703 - 704 … 救援・入換・牽引用
車体
車体はステンレスの補強部分を除き、事業用の車両を示す警戒色である明るい黄色が配色された。改造当初は画像のように、車両番号表記は10000系と同じ書体が採用された。
モハ7100形からの改造車である702と704は新たに旧7000系に準ずる運転台を設置したが、前面は非貫通構造とされた。新設されたライトなどの部品は、新6000系からの廃車発生品を再利用している。
設備
702には架線を観測するためのビデオカメラ[10]が設置された。
704の車内には救援に使う巨大ジャッキ・ジブクレーンが装備されている。破損防止のために側面の窓が埋められ、ガラスの代わりにアルミ板がはめ込まれている[11]。 703には軌道との摩擦係数増加を目的とした約5tのデットウェイトを搭載する。
701は2011年に東急テクノシステム長津田工場で再改造され、本格的な検測装置を搭載した。トロリ線磨耗・偏倚・ATS・無線測定装置・動揺検出器を新設した。外見上の変化は屋根上に各検測装置、測定用パンタグラフが新設され、一部のドア・窓が埋められた他、台車には動揺検出器が取り付けられた。なお、測定用パンタグラフは相鉄では初めて下枠交差型が用いられた。
走行設備
種車と同じ抵抗制御、直角カルダン駆動である。
その他
施工後しばらくは動きがなかったものの、2006年8月に試運転を行い、同月検測分から運用を開始した。月に1回程度、昼間に相鉄本線、いずみ野線、厚木線の検測を行う。また、検測以外にも新車・廃車・休車車両の輸送や車庫内の入れ換えにも用いられる。車両を輸送するときは4両すべてを用いる。このときは前2両・後2両で挟み込むか、4両で牽引する形をとる。701の再改造後、2011年度からは月に2~3回程度の検測走行を実施している。また夜間の検測も行った。
形式
本系列で見られる形式およびその役割を以下にまとめる。
営業用
- モハ7000形
- 横浜方に連結される制御電動車で7000系だけに存在する。主制御器および抵抗器を搭載。後述のモハ7100形の奇数番号車両の代わりとして、モハ7100形の偶数番号とユニットを組む。7001 - 7008の8両製造。
- モハ7100形
- 中間電動車で7000系と新7000系(0番台)に存在する。7101と7102の様に車両番号の奇数・偶数でユニットを組む。奇数番号車はユニットの横浜寄りに組成され主制御器および抵抗器を搭載、偶数番号車にMG・CPといった機器を搭載する。パンタグラフはいずれの車両も搭載。7101 - 7160まで製造されたが、7133, 7135, …, 7147の奇数番号8両はモハ7000形を代替として欠番である。7101 - 7148の40両が7000系、7149 - 7160の12両が新7000系デザイン。
- モハ7300形
- 中間電動車として新7000系(50番台)だけに存在する。主制御機器(VVVFインバータ装置)とパンタグラフを搭載。この車両は7100形と異なり、電動車同士でのユニットは組まない。7351 - 7366の16両製造。
- クハ7500形
- 海老名・湘南台方に連結される制御車として7000系、新7000系(0番台、50番台)のいずれにも存在する。いずれの系列でもMGやCP等の機器を搭載しない。7000系・新7000系(0番台)としては7501 - 7517の17両が製造され、7501から7513までの13両が7000系、7514以降4両が新7000系デザイン、新7000系(50番台)としては7551 - 7555の5両製造。
- サハ7600形
- 中間付随車として7000系と新7000系(50番台)に存在する。7000系の方は搭載機器は無し、新7000系(50番台)の方はMG・CPを搭載する車両と、搭載しない車両の2種類が存在する。7000系として7601 - 7607の7両、新7000系(50番台)として7651 - 7664の14両製造。
- クハ7700形
- 横浜方に連結される制御車として7000系と新7000系(0番台、50番台)のいずれにも存在する。7000系・新7000系(0番台)の車両には搭載機器無し、新7000系(50番台)はMGとCPを搭載する。前者は7701 - 7716の16両が該当し、このうち7701 - 7712の12両が7000系、7713以降4両が新7000系デザイン。後者は7751 - 7755の5両製造。
事業用車
- モヤ700形…奇数の車両番号はモハ7000形からの改造車。偶数の車両番号はモハ7100形からの改造車。奇数番号に主制御器および抵抗器を搭載。
各形式ともにパンタグラフは全ての電動車の海老名側の屋根上に搭載する。(モヤ701のみ横浜方にも測定用パンタグラフを搭載)
前述のようにVVVF制御の車両はクハ7700形、クハ7500形、モハ7300形、サハ7600形において下2桁が51から付けられている。
編成例
- 凡例
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|
7000系
10両編成 2011年6月以後2013年現在まで設定なし。
テンプレート:TrainDirection | ||||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | モハ7000 (Mc1) |
モハ7100 (M2) |
クハ7700 (Tc2) |
モハ7100 (M1) |
モハ7100 (M2) |
クハ7500 (Tc1) ※ |
クハ7700 (Tc2) ※ |
モハ7100 (M1) |
モハ7100 (M2) |
クハ7500 (Tc1) |
搭載機器 | CONT,PT | MG,CP,PT | CONT,PT | MG,CP,PT | CONT,PT | MG,CP,PT | ||||
備考 | 女性専用車 弱冷房車 |
弱冷房車 |
8両編成 (タイプ1)
テンプレート:TrainDirection | ||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | クハ7700 (Tc2) |
モハ7100 (M1) |
モハ7100 (M2) |
クハ7500 (Tc1) ※ |
クハ7700 (Tc2) ※ |
モハ7100 (M1) |
モハ7100 (M2) |
クハ7500 (Tc1) |
搭載機器 | CONT,PT | MG,CP,PT | CONT,PT | MG,CP,PT | ||||
備考 | 女性専用車 弱冷房車 |
弱冷房車 |
8両編成 (タイプ2) 8両編成には下のような6M2Tの強力な組成もあったが、こちらは現在見られない。
テンプレート:TrainDirection | ||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | モハ7000 (Mc1) |
モハ7100 (M2) |
モハ7000 (Mc1) |
モハ7100 (M2) |
クハ7700 (Tc2) |
モハ7100 (M1) |
モハ7100 (M2) |
クハ7500 (Tc1) |
搭載機器 | CONT,PT | MG,CP,PT | CONT,PT | MG,CP,PT | CONT,PT | MG,CP,PT | ||
備考 | 女性専用車 弱冷房車 |
弱冷房車 |
- ※の車両は編成によってはサハ7600 (T、搭載機器無し) となる。また、モハ7100 - モハ7100のユニットの代わりにモハ7000 - モハ7100が中間車代用として組み込まれたことがある。
新7000系
抵抗制御編成 (7713F, 7715F)
テンプレート:TrainDirection | ||||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | クハ7700 (Tc2) |
モハ7100 (M1) |
モハ7100 (M2) |
モハ7100 (M1) |
モハ7100 (M2) |
クハ7500 (Tc1) |
クハ7700 (Tc2) |
モハ7100 (M1) |
モハ7100 (M2) |
クハ7500 (Tc1) |
搭載機器 | CONT,PT | MG,CP,PT | CONT,PT | MG,CP,PT | CONT,PT | MG,CP,PT | ||||
備考 | 女性専用車 弱冷房車 |
弱冷房車 |
VVVFインバータ制御編成 (7751F、7753 - 7755F)
テンプレート:TrainDirection | ||||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | クハ7700 -50 (Tc2) |
モハ7300 -50 (M) |
サハ7600 -50 (T1) |
モハ7300 -50 (M) |
サハ7600 -50 (T2) ▲ |
サハ7600 -50 (T1) ▲ |
モハ7300 -50 (M) |
サハ7600 -50 (T2) |
モハ7300 -50 (M) |
クハ7500 -50 (Tc1) |
搭載機器 | MG, CP | CONT,PT | CONT, PT | MG, CP | ▲ | CONT, PT | MG, CP | CONT, PT | ||
備考 | 女性専用車 弱冷房車 |
★ | ★ | 弱冷房車 |
- 7751Fは▲の車両がクハ7500 - 50 (Tc1、搭載機器無し。) とクハ7700 - 50 (Tc2、MG,CP搭載。) となる。
- 7755Fは★の車両にセミクロスシートを設置。
700系モヤ700形
テンプレート:TrainDirection | ||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|
形式 | モヤ701 (Mc1) |
モヤ702 (Mc2) |
モヤ703 (Mc1) |
モヤ704 (Mc2) |
搭載機器 | Cont, PT | MG, CP, PT | Cont, PT | MG, CP, PT |
備考 |
- 701・702は架線観測用のカメラを搭載。
- 704にはジブクレーンを搭載
- 架線検測の際には上記の編成を組んで走行する(検測設備を持たない703 - 704も使用する)。
- 検測以外の時はとくにこの編成に限らない。
車体装飾・広告貸切編成
かつてはGreenBoxと呼ばれた1編成丸ごと広告貸切専用の編成をセミクロスシートを有する新7000系の7755Fを用いて走らせていた。この編成は車内の広告枠を貸し切るもので普段から特製のヘッドマークを掲げて運用されたが、末期は利用状況も芳しくなく廃止され、現在は一般の編成と同じように扱われている。
特筆される車体装飾としては、2009年(平成21年)に横浜港が開港150周年を迎えるにあたり、プレイベントの1つとして、2008年6月1日からの約1年間、一般から募った絵を印刷したフィルムを車体に貼りつけた「走れ!みんなの横浜号」が 新7000系の7754Fを用いて走らせたことが挙げられる。なお、横浜港開港150周年関連の車体装飾は全部で4種類用意されたが、他の3種類はすべて10000系を用いて運用され、その素材は一般から募ったものではなかった。
この他にも1986年(昭和61年)4月にいずみ野線が開業10周年を迎えるのにあたり、新製間もない新7000系7713Fに特製のヘッドマークを付けて運用された実績がある。
更新工事
最新の編成でも製造から15年程度経過し、後発の新型車両とのサービス面での差が大きくなってきたことなどから、以下に挙げるような工事が行われている。特に、2006年(平成18年)ごろより新7000系を中心に内装の改修工事が行われた。以下に各部分ごとについて更新内容を記載するが、一部の編成は施工内容が異なる。これらの工事は一度に施工されず段階的に行われている。
車体外観
- 集電装置が菱形からシングルアーム式に交換(2006年以前から施工している)。
- 冷媒に代替フロンを用いる冷房装置への交換。形状が変更されており外部からでも判別可能である。
- 2006年下期にモヤ700形を含めた全車両の先頭部と側面部に相鉄のロゴを貼付している。
- 早期廃車が予定されていた1975年に投入の1次車以外は車両間に転落防止幌が設置された。旧7000系に関しては編成の組み換えが多く、先頭車が中間に組み込まれることも多いので、クハ7700形・7500形(クハ7513以外)とモハ7000形の前面にも設置されたことが特筆される。
以下の工事は新7000系のみが対象。
- 警笛に電子笛を追加
- 通りぬけの出来なかった先頭車同士の連結部扉に幌を設置し、貫通路とした(7713F・7715F・7751Fの3編成のみ)。
塗装
- これまで系列ごとに異なった配色を施していた車体について、全車両相鉄の新コーポレートカラー(相鉄ブルーと相鉄オレンジ)への塗り替えが2007年4月から進められている。当初の予定では、2010年度末までに終了させるとしていた[12][13][14][15]。なお、2014年度末までに塗装変更の対象外となっている7000系を除いた全編成の塗装変更が完了する予定である[16]。同時に、車両番号の表示を従来のプレートからステッカーに替えられ、書体と貼りつけ位置も変更されている。
前述の通り新7000系のみが対象であり、以下の編成が塗り替えられている。
- 7713F - 2008年1月。
- 7754F - 2010年2月。
- 7715F - 2011年8月。
- 7753F - 2012年6月。
- 7751F - 2012年8月。
車内設備
- 弱冷房車の設定(1980年代後半より)。
- 優先席(旧;シルバーシート)の生地を灰色のものから青色のものへと変更(2002年ごろ?より)。
- 女性専用車の設定(2005年より)。
次の工事は7000系と、それに準ずる内装の新7000系7713Fのみが対象。
- 客室内照度向上のために蛍光灯を3波長形のものに交換し、さらにアルミ製の反射板を設置した。また、冷房の吹き出し口にアルミ製の整風板を設置。
以下の工事は新7000系のみが対象。
- 先頭車への車椅子スペース設置[17]
- 非常通報器を9000系と同じものに交換。
- つり革の丸型から10000系に準じた三角型への変更。
- 側窓のカーテンを交換。
- セミクロスシート車へつり革を増設(7755Fのみ)。
- ドアチャイムの設置[18]
- 各座席の端部にスタンションポールを設置。
走行設備
- 7000系の一部に搭載する旧式CP(形式:HB2000型)の動作音の低減改良。
保安設備
2008年に発表された計画によると、相鉄では今後現行ATSと列車無線を含む保安装置をJR東日本に準じるものに変更する予定である。本系列においても2009年夏季から事業用車両700系も含めて設置工事が進められている(詳細は神奈川東部方面線を参照されたい)。
- 編成中の各先頭車に運転士の体調の急変に備えるEB装置を設置。
- 編成両端の先頭車の運転室真上にはJR式の空間波列車無線アンテナが設置され、同時にデジタル列車無線機器の準備工事も行われた。
- 編成両端の先頭車にJR型の自動列車停止装置(ATS-P)を設置。これらの関連機器類を車両中央の非常扉の直後に設置されたため、非常扉は使用できなくなった。
JR型列車無線については工事の始まる前の2005年秋に新7000系4両にアンテナを仮設しての試験が行われた。
運用と現況
運用は8両編成か10両編成かということで分けられており、系列による限定運用は存在しない。
8両編成は各停を中心に、一部の特急、急行、快速にも使用される。10両編成は特急、急行、快速を中心に、各停にも使用される。
7000系
運用開始以後、2006年度まで700系に改造された4両を除いて全車両が在籍した。運転に必要な各種機器(CONT, MG, CPなど)を動力車に集中して搭載していることや、編成数に対して先頭車両の数が多いことなどにより、特に2000年代に入ると、8両や10両に組み換えることでダイヤ改正に柔軟に対応し、主力車両として運用されてきた。
2006年度に10000系電車10両編成1本(10両)投入の代替として、7700形・7100形・7500形のトップナンバーを含む初期車や後述の踏切事故で損傷した車両を含む8両が本系列として初の廃車処分となった(700系への改造も2006年8月付なのでこれも含めると12両減少したことになる)。2007年度は廃車は無かったものの、2008年度から新形式となる11000系電車が投入され、本格的な置き換えが始まっている。最初の置き換え(11001F、11002F投入による)では5000系5053Fと共に後述の焼損事故編成が廃車されてサハ7600形に初の廃車が発生した。続く11003F投入によりモハ7000形にも初の廃車が発生している。
なお解体場所は、従来(2005年春の5000系5051F解体まで)は厚木操車場であったが、本系列ではかしわ台車両センターで主要部品を抜き取った後にトレーラーで解体業者へ陸送という形を取っている。
廃車が進む一方で2009年度からは一部編成には前述のATS-Pなどの新型保安装置が設置された。新型保安装置搭載後は編成の先頭となるクハ7700形、クハ7500形の貫通扉背後に機器が置かれたために、更新の項でも述べたように扉の開閉は出来なくなった(非貫通化)。この工事は中間車代用として組み込まれている先頭車には施工されておらず、この保安装置を搭載した非貫通化先頭車を、今後中間車代用として組み込むことは考えにくいために[19]、事実上の固定編成化と言える。なお、この更新を受けた車両は8両編成3本(24両)である。未更新の編成に関しては2011年6月をもって営業運転からは姿を消し、10両編成も同時期に消滅した。以後は前述の24両のみが運用されている。
新7000系
2006年5月ごろから抵抗制御の2編成において、中間の2両を組成から外された8両編成が断続的にみられるようになった。当初は中間に組み込まれた制御車2両が外されていたが、その後中間電動車1ユニットを抜くことによって8両編成とすることもあった。また、再度10両編成に組成されることもある。
前述のように6+4、5+5に分割可能な編成もあるが、営業運転時には基本的に連結した状態で運転され、中間の制御車は事実上の中間車として扱われていた。旧7000系や5000系の前面は貫通路であったが、新7000系は非常扉として設置されたため、中間に組み込まれた制御車同士間の通り抜けができない[20]という欠点があったが、2007年5月に7751Fで貫通幌を設置できるよう改造したことにより、この問題が解決された。また、同年6月から8両編成化されていた7713Fにもこの方法で抜かれた制御車を組み込み、約1年ぶりに10両編成として復帰。同年7月には7715Fも制御車を組み込んだ上で10両編成となっている。この際幌が取り付けられた制御車は、前面の行先表示幕や運用番号表示幕などが抜かれており、同時に中間の制御車に転落防止幌が設置された。
旧7000系は一部車両に廃車が発生しているが、本系列は2011年現在も60両全車が在籍している。
2011年6月28日に7715Fは8両編成化されたが、30日から塗装変更の為に入場した。編成から外された2両(7156・7157)は塗装変更されず休車となり、厚木操車場に留置されている。
事故車両
2005年4月27日に天王町駅 - 星川駅間の天王町1号踏切を通過中の7000系の側面に軽自動車が衝突したが、列車の乗客にけが人は出なかった。該当踏切を含むこの区間では高架化工事が進んでいる最中の出来事だった。2日前の同月25日にJR福知山線脱線事故が発生した直後だったこともあり、「頻発する鉄道事故」として報道された。
事故編成は次の通りである。
- ←横浜方面(1号車)
- クハ7707(後に営業復帰) - モハ7105(廃車) - モハ7106(同) - クハ7502(同) + (5 - 8号車の4両)
- 衝突されたクハ7502は床下機器の損傷が酷く、継続使用できる状態ではなかった。事故車両4両は事故後は厚木操車場での留置が続いていたが、クハ7707を除く3両は2007年になってかしわ台へ廃車回送されている。損傷しなかったクハ7707は2006年10月にクハ7700形のトップナンバーであるクハ7701と振り替えられて1年半ぶりに営業に復帰している。この影響により休車扱いで厚木操車場に留置されていた5000系電車5053Fが緊急予備目的で2005年5月から運用に復帰した。また、事故編成の元5 - 8号車は組成する車両を替えて営業運転に復帰している。
また、2008年12月14日には、緑園都市駅から南万騎が原駅へ向けて走行中の7000系8両編成が過電流によりトンネル内で立ち往生し起動不能となった。この編成は1時間ほど前にも同様の故障を起こしており、この先の二俣川駅で運転を打ち切る予定だった。
事故編成は次の通りである。
- ←横浜方面(1号車)
- クハ7711 - モハ7109 - モハ7110 - サハ7606 + クハ7705 - モハ7111 - モハ7112 - クハ7510
- 特にモハ7109は床下機器を焼損し、厚木操車場での留置時に断流器が取り外されているのが確認されている。事故直後に全車が厚木操車場へ疎開回送された。復旧はなされず2009年1月になって全車がかしわ台車両センターへ廃車回送された。この影響により、新7000系7715Fと7713Fがそれぞれ2両を抜いた8両編成で一時的に運行されていた。
脚注
参考文献
- 飯島厳・小山育男・井上広和(2002)復刻版 私鉄の車両20 相模鉄道, ネコ・パブリッシング.
- 『鉄道ピクトリアル』1999年7月増刊号 p.183「相模鉄道 現有車両主要諸元表」(電気車研究会刊)
関連項目
テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ- ↑ 相鉄では7751×10のように横浜側の先頭車の車両番号×編成内の車両数の表記方法で編成を表すのが公式とされる
- ↑ 1980年(昭和55年)増備の「旅客車301両達成記念」編成。
- ↑ MMC-HT-20B1型。電動カム軸進段式・直並列制御・弱め界磁有り
- ↑ 日立HS515系。定格出力130kw・端子電圧375V・定格電流390A・定格回転数1,300rpm
- ↑ 日立HG634系ブラシレスMG。容量140KVA。入力側が直流1500V・容量258kw、出力側が三相交流200V・60Hz
- ↑ 日本エヤーブレーキ製のHB2000型、もしくはHS20型で能力はともに2130 L/min
- ↑ 外揺枕、1段べローズ型空気式枕ばね。ペデスタル・ウイングばね軸箱支持。車軸間距離2450mm。車輪直径910mm
- ↑ 上枕組込、3段べローズ型空気式枕バネ。ペデスタル・ウイングバネ式軸箱支持。車軸間距離2100mm。車輪直径860mm
- ↑ 相鉄では、昭和30年(1955年)製造の初代5000系電車において、日立式発電ブレーキを設けたものを採用していたが、使い勝手の悪さから、次の6000系電車は発電ブレーキなしで登場したという過去がある
- ↑ レンズ部分にワイパーが設置されており、雨天時においても観測が可能である。
- ↑ はまれぽ.com 走行日は非公開、相鉄線のレアな「幸せの黄色い電車」とは?
- ↑ テンプレート:PDFlink(2007年3月17日時点のアーカイブ)
- ↑ 神奈川新聞社の記事1テンプレート:リンク切れ
- ↑ 神奈川新聞社の記事2テンプレート:リンク切れ
- ↑ 相鉄この10年のあゆみ(創立90周年記念)
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 編成中間に組み込まれた車両を除く。
- ↑ 音色は小田急50000形「VSE」や新幹線700系電車などと同一。
- ↑ 一般にATSは編成先頭車両床下に設置されるため
- ↑ 乗務員の出庫・入庫点検時や、終点駅到着後(乗客の降車後)の回送列車の廻り換え、入換時に使用されたが、走行中は転落事故防止の為に使用できず、不便をきたしていた。