牡鹿郡
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牡鹿郡(おしかぐん)は、宮城県の郡。令制国下では陸奥国(のち陸前国)に属す。
以下の1町を含む。
- 女川町(おながわちょう)
郡域
明治11年(1878年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記1町のほか、石巻市の一部(蛇田、南境、大瓜、高木、水沼、真野以南)にあたる。
歴史
幕末時点では全域が仙台藩領であった。『旧高旧領取調帳』に記載されている村は以下の通り。(60村)
区分 | 村名 | ||
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陸方 (13か村) |
石巻村・大瓜村・門脇村・沢田村・高木村・流留村・根岸村・沼津村・蛇田村・真野村・水沼村・湊村・南境村 | ||
浜方 (47か村) |
女川組 (20か村) |
女川浜・飯子浜・石浜・浦宿浜・大石原浜・御前浜・小乗浜・指ヶ浜・高白浜・塚浜・野々浜・針浜・鷲神浜・尾浦・竹浦・横浦・桐ヶ崎・宮ヶ崎・出島・江島 | |
狐崎組 (16か村) |
狐崎浜・祝田浜・荻浜・折浜・小網倉浜・小竹浜・小積浜・佐須浜・侍浜・清水田浜・竹浜・田代浜・牧浜・月浦・福貴浦・桃浦 | ||
十八成組 (11か村) |
十八成浜・鮎川浜・網地浜・大原浜・給分浜・泊浜・新山浜・長渡浜・谷川浜・寄磯浜・鮫浦 |
町村制施行以前の沿革
- 明治元年9月24日(1868年11月8日) - 仙台藩主伊達慶邦が薩長軍に降伏。全領土62万石を没収される。
- 明治元年12月7日(1869年1月19日)
- 明治2年7月20日(1869年8月27日) - 高崎藩取締地に桃生県を設置。
- 明治2年8月13日(1869年9月18日) - 桃生県が石巻県に改称。
- 明治3年9月28日(1870年10月22日) - 石巻県が登米県に編入。
- 明治4年11月2日(1871年12月13日) - 第1次府県統合により仙台県の管轄となる。
- 明治5年1月8日(1872年2月16日) - 仙台県が宮城県に改称。
- 明治5年(1872年)4月 - 大区小区制の施行にともない、牡鹿郡は宮城県第13大区となる。
宮城県第13大区(全23小区。牡鹿郡のみ) | |
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小区 | 所属村 |
小1区 | 石巻村 |
小2区 | 門脇村 |
小3区 | 蛇田村 |
小4区 | 湊村 |
小5区 | 南境村 |
小6区 | 大瓜村 |
小7区 | 高木村・水沼村 |
小8区 | 真野村 |
小9区 | 沢田村・流留村・沼津村 |
小10区 | 根岸村 |
小11区 | 祝田浜・佐須浜・折浜・小竹浜 |
小12区 | 荻浜・侍浜・月浦・桃浦 |
小13区 | 狐崎浜・小積浜・竹浜・牧浜・小網倉浜・清水田浜・福貴浦 |
小14区 | 田代浜 |
小15区 | 大原浜・給分浜 |
小16区 | 網地浜・長渡浜 |
小17区 | 鮎川浜・十八成浜・新山浜・泊浜 |
小18区 | 寄磯浜・谷川浜・鮫浦 |
小19区 | 飯子浜・大石原浜・小乗浜・高白浜・塚浜・野々浜・鷲神浜・横浦 |
小20区 | 女川浜・浦宿浜・針浜 |
小21区 | 石浜・御前浜・指ヶ浜・尾浦・竹浦・桐ヶ崎・宮ヶ崎 |
小22区 | 出島 |
小23区 | 江島 |
宮城県第7大区(全14小区。牡鹿郡1~6・桃生郡の一部〔南方〕) | |
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小区 | 所属村 |
小1区 | 石巻村・門脇村・蛇田村 |
小2区 | 湊村・根岸村・沢田村・流留村 |
小3区 | 大瓜村・高木村・沼津村・真野村・水沼村・南境村 |
小4区 | 祝田浜・佐須浜・荻浜・折浜・狐崎浜・小竹浜・小積浜・侍浜・竹浜・田代浜・牧浜・小網倉浜・清水田浜・月浦・富貴浦・桃浦 |
小5区 | 鮎川浜・網地浜・十八成浜・長渡浜・大原浜・給分浜・泊浜・新山浜・谷川浜・寄磯浜・鮫浦 |
小6区 | 女川浜・飯子浜・石浜・浦宿浜・大石原浜・御前浜・小乗浜・指ヶ浜・高白浜・塚浜・野々浜・針浜・鷲神浜・尾浦・竹浦・横浦・桐ヶ崎・宮ヶ崎・出島・江島 |
宮城県第5大区(全9小区。桃生郡・牡鹿郡3~4・本吉郡) | |
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小区 | 所属村 |
小3区 | 石巻村・門脇村・湊村・蛇田村・大瓜村・高木村・真野村・水沼村・南境村 |
小4区 | 根岸村・沢田村・流留村・沼津村・女川浜・飯子浜・石浜・浦宿浜・大石原浜・御前浜・小乗浜・指ヶ浜・高白浜・塚浜・野々浜・針浜・鷲神浜・狐崎浜・祝田浜・荻浜・折浜・小網倉浜・小竹浜・小積浜・佐須浜・侍浜・清水田浜・竹浜・田代浜・牧浜・十八成浜・鮎川浜・網地浜・大原浜・給分浜・泊浜・新山浜・長渡浜・谷川浜・寄磯浜・尾浦・竹浦・横浦・月浦・福貴浦・桃浦・鮫浦・桐ヶ崎・宮ヶ崎・出島・江島 |
- 明治11年(1878年)10月21日 - 郡区町村編制法の施行にともない、大区小区制を廃止。牡鹿郡役所を石巻村に設置。
- 明治20年(1887年)9月28日 - 火災により郡役所が焼失。そのため翌年に門脇村へ役所を移転。
町村制施行以降の沿革
- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制施行にともない、以下の町村が発足[1]。(2町6村)
- 石巻町 ← 石巻村、門脇村、湊村の一部〔稲井・磯田を除く部分〕(現:石巻市)
- 蛇田村 ← 蛇田村(現:石巻市)
- 稲井村 ← 南境村、大瓜村、高木村、水沼村、真野村、沼津村、流留村、沢田村、湊村の一部〔稲井・磯田〕(現:石巻市)
- 渡波町 ← 佐須浜、根岸村、祝田浜(現:石巻市)
- 荻浜村 ← 小竹浜、折浜、桃浦、月浦、侍浜、荻浜、小積浜、竹浜、牧浜、狐崎浜、福貴浦、田代浜(現:石巻市)
- 大原村 ← 小網倉浜、清水田浜、大原浜、給分浜、新山浜、泊浜、谷川浜、鮫浦、寄磯浜(現:石巻市)
- 鮎川村 ← 網地浜、長渡浜、鮎川浜、十八成浜(現:石巻市)
- 女川村 ← 浦宿浜、針浜、女川浜、鷲神浜、小乗浜、高白浜、横浦、大石原浜、野々浜、飯子浜、塚浜、江島、出島、竹浦、尾浦、桐ヶ崎、石浜、宮ヶ崎、御前浜、指ヶ浜(現:女川町)
- 明治27年(1894年)4月1日 - 郡制施行。
- 大正12年(1923年)4月1日(3町5村)
- 女川村が町制施行し、女川町となる。
- 郡制廃止にともない郡会を廃止。残務処理のため郡役所は存置。
- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所廃止。
- 昭和8年(1933年)4月1日 - 石巻町が蛇田村の一部を編入のうえ市制施行して石巻市となり、郡より離脱。(2町5村)
- 昭和15年(1940年)12月1日 - 鮎川村が町制施行し、鮎川町となる。(3町4村)
- 昭和24年(1949年)4月1日 - 蛇田村の一部[2]を石巻市に編入。(2町5村)
- 昭和30年(1955年)1月1日 - 蛇田村を石巻市に編入。(3町3村)
- 昭和30年(1955年)3月26日 - 鮎川町・大原村が合併し、牡鹿町が発足。(3町2村)
- 昭和30年(1955年)4月10日 - 荻浜村を石巻市に編入。(3町1村)
- 昭和34年(1959年)4月1日 - 稲井村が町制施行し、稲井町となる。(4町)
- 昭和34年(1959年)5月15日 - 渡波町を石巻市と稲井町に分割編入[3]。(3町)
- 昭和42年(1967年)3月23日 - 稲井町を石巻市に編入。(2町)
- 平成17年(2005年)4月1日 - 牡鹿町が桃生郡桃生町・河南町・河北町・北上町・雄勝町と共に石巻市と合併し、新制の石巻市が発足。(1町)
変遷表
明治22年以前 | 明治22年4月1日 | 明治22年 - 大正15年 | 昭和元年 - 昭和29年 | 昭和30年 - 昭和39年 | 昭和40年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 |
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石巻村 | 石巻町 | 石巻町 | 昭和8年4月1日 市制施行 石巻市 |
石巻市 | 石巻市 | 平成17年4月1日 石巻市 |
石巻市 |
門脇村 | |||||||
湊村 | |||||||
蛇田村 | 蛇田村 | 蛇田村 | 蛇田村 | 昭和30年1月1日 石巻市に編入 | |||
荻浜 | 荻浜村 | 荻浜村 | 荻浜村 | 昭和30年4月10日 石巻市に編入 | |||
折浜 | |||||||
狐崎浜 | |||||||
小竹浜 | |||||||
小積浜 | |||||||
侍浜 | |||||||
竹浜 | |||||||
田代浜 | |||||||
牧浜 | |||||||
月浦 | |||||||
富貴浦 | |||||||
桃浦 | |||||||
根岸村 | 渡波町 | 渡波町 | 渡波町 | 昭和34年5月15日 石巻市に編入 | |||
祝田浜 | |||||||
佐須浜 | |||||||
湊村(井内・磯田) | 稲井村 | 稲井村 | 稲井村 | 昭和34年4月1日 町制施行 稲井町 |
昭和42年3月23日 石巻市に編入 | ||
大瓜村 | |||||||
沢田村 | |||||||
高木村 | |||||||
流留村 | |||||||
沼津村 | |||||||
真野村 | |||||||
水沼村 | |||||||
南境村 | |||||||
鮎川浜 | 鮎川村 | 鮎川村 | 昭和15年12月1日 町制施行 鮎川町 |
昭和30年3月26日 牡鹿町 |
牡鹿町 | ||
網地浜 | |||||||
十八成浜 | |||||||
長渡浜 | |||||||
大原浜 | 大原村 | 大原村 | 大原村 | ||||
給分浜 | |||||||
小網倉浜 | |||||||
清水田浜 | |||||||
泊浜 | |||||||
新山浜 | |||||||
谷川浜 | |||||||
寄磯浜 | |||||||
鮫浦 | |||||||
女川浜 | 女川村 | 大正15年4月1日 町制施行 女川町 |
女川町 | 女川町 | 女川町 | 女川町 | 女川町 |
飯子浜 | |||||||
石浜 | |||||||
浦宿浜 | |||||||
大石原浜 | |||||||
御前浜 | |||||||
小乗浜 | |||||||
指ヶ浜 | |||||||
高白浜 | |||||||
塚浜 | |||||||
野々浜 | |||||||
針浜 | |||||||
鷲神浜 | |||||||
尾浦 | |||||||
竹浦 | |||||||
横浦 | |||||||
桐ヶ崎 | |||||||
宮ヶ崎 | |||||||
出島 | |||||||
江島 |
行政
- 歴代郡長
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
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1 | 黒川剛 | 明治11年(1878年)11月16日 | 明治19年(1886年)9月15日 | |
2 | 林通故 | 明治19年(1886年)9月16日 | 明治21年(1888年)6月5日 | |
3 | 竹内寿貞 | 明治21年(1888年)6月8日 | 明治22年(1889年)11月26日 | |
4 | 島崎直信 | 明治22年(1889年)11月27日 | 明治31年(1898年)12月26日 | |
5 | 遊佐正人 | 明治31年(1898年)12月27日 | 明治39年(1906年)2月28日 | |
6 | 本木房吉 | 明治39年(1906年)2月28日[4] | 明治40年(1907年)8月10日 | |
7 | 清野喜左衛門 | 明治40年(1907年)8月10日[5] | 大正3年(1914年)12月28日 | |
8 | 本田龍助 | 大正4年(1915年)12月29日 | 大正5年(1916年)5月 | |
9 | 岩淵俊夫 | 大正5年(1916年)5月 | 大正8年(1919年)6月9日 | |
10 | 池田繁治 | 大正8年(1919年)6月10日 | 大正9年(1920年)7月 | |
11 | 土居通次 | 大正9年(1920年)7月28日 | 大正10年(1921年)6月 | |
12 | 下山鉱之助 | 大正10年(1921年)6月18日 | 大正12年(1923年)2月27日 | |
13 | 菊池忠良 | 大正12年(1923年)2月28日 |
脚注
参考文献
- 『牡鹿郡誌』(牡鹿郡役所、1923年)
- 『角川日本地名大辞典』4 宮城県(角川書店、1979年)