ヘット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
牛脂から転送)
移動先: 案内検索

テンプレート:栄養価 ヘットテンプレート:Lang-deテンプレート:Lang-nlテンプレート:Lang-en)は、の脂を精製した食用油脂であり、牛脂(ぎゅうし)とも呼ばれる。但し、2011年現在、牛の脂身そのものを指して牛脂と呼ぶ用法が一般消費者や精肉店・スーパー等の小売店において定着しており、精製済みの脂を指して用いる場合は誤解されないよう注意が必要。

常温で白色(黄色のものもある)の固体であり融点は摂氏35~55度である。外見はラードに酷似している。切断機で細切れにした脂肪組織を高圧缶に入れ、加熱蒸気を送って溶出し採取する製法と、挽き肉状にしてぶ厚い窯などでじっくり抽出する製法が用いられている。比較的低温(摂氏約45度)で得られたヘットは品質優良。食用の他、石鹸蝋燭研磨剤などに利用する。組織脂肪酸はオレイン酸ステアリン酸パルミチン酸が主で他にミリスチン酸リノール酸が少量含まれる。

また、日本で精製された牛脂は内蔵脂肪を含むものが多くカレー製品を作る際に多く用いられるが、高級な牛脂として和牛の「ノリ脂」と呼ぶサーロインなどに付いている外側の脂を精製したものとに分けられる。

なお語源となったとされるドイツ語Fettおよびオランダ語のvetは、本来は獣脂一般を指すが日本では牛脂に限られている。

ステーキカツレツを調理するときに使うと、独特の旨みと風味が生まれる。すき焼きなどにも使われる。 なお、日本国内では、すき焼き用やステーキ用の肉を買い求める客に対し、牛の脂身(この場合ヘットとは言わず、専門用語で「ケンネ」または「スイーツ」と呼ばれる部位)をカットしたものが無料で提供されていることも多い。

構成

牛脂の構成脂肪酸は右表の通りである。

ヘット(100g中)の主な脂肪酸の種類[1]
項目 分量(g)
脂肪 100
飽和脂肪酸 49.8
12:0(ラウリン酸 0.9
14:0(ミリスチン酸 3.7
16:0(パルミチン酸 24.9
18:0(ステアリン酸 18.9
一価不飽和脂肪酸 41.8
16:1(パルミトレイン酸 4.2
18:1(オレイン酸 36
20:1 0.3
多価不飽和脂肪酸 4
18:2(リノール酸 3.1
18:3(α-リノレン酸 0.6

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

テンプレート:Reflist
  1. http://ndb.nal.usda.gov/