燐灰石
テンプレート:Redirect 燐灰石(りんかいせき、apatite、アパタイト)は、リン酸塩鉱物の鉱物グループに対する一般的な名称。化学組成の違いによって多彩な色をもちいくつかの種類があり、単に燐灰石といった場合はフッ素燐灰石をさすことが多い。
成分・種類
- Apatite Canada.jpg
- Apatite variety Chlorapatite Calcium chloro-phosphate Oodegaarden Bamle Parish Telemark Norway 2227.jpg
- Mineraly.sk - hydroxylapatit.jpg
産出地
天然では、火成岩・堆積岩・変成岩の各岩石の副成分をなしており、非常に広く産出される鉱物であるが、経済的に重要なものはリン鉱石の主成分をなすもので、phosphate rock(りん鉱[1])とよばれる。
産地としては、ミャンマー、スリランカ、ブラジル、マダガスカルなどが有名である。スペイン産の帯黄緑色のものは希少であり、アスパラガス・ストーン(Asparagas stone)と呼ばれる。緑色のものはテンプレート:仮リンク とも呼ばれる。
性質・特徴
化学組成は Ca5(PO4)3(F,Cl,OH)2、結晶系は六方晶系。比重 3.1 - 3.2。屈折率 1.632 - 1.646。モース硬度5の基準となる標準物質である。
結晶は六角柱状、六角板状で産出される。透明~半透明のガラス光沢~亜樹脂光沢で、緑色または褐色が多いが、無色、濃青色、紫色、白色、灰色など様々な色のものが存在する。フッ素燐灰石の場合、本来は無色か白色であるが、リンとカルシウムの一部が別の元素と置き換わることにより、多彩な色に変化する。
用途・加工法
透明で大きく色の美しいものは宝石となるが、そのようなものはめったに採ることができないため、小さなものが様々なアクセサリー用に加工されている。天然に数多く産出されるため一般に値段は安いが、硬度が小さいため、宝飾品としてはあまり適さない。ただ、美しい輝きをしているため、鉱物標本としては人気が高い。
燐灰石の用途として重要なのは、化学肥料(リン酸塩)の原料である。また、産業用の化学製品の原料にもされる。
水酸燐灰石は歯科医療でのデンタルインプラントの原料、人工骨の原料としても使用されている。
サイド・ストーリー
英語の apatite は、ごまかし、策略を意味するギリシア語の apate に由来している。これは、アクアマリン・テンプレート:仮リンク・紫水晶・蛍石・電気石など他の鉱物と見間違えやすかったためと言われる[2]。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
テンプレート:モース硬度- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ A.G.Werner, 1786