結晶系
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結晶構造の対称性は230種類の空間群のうちの1つで記述できる。結晶構造の特徴は三次元空間における周期性にあるから、どの空間群にも並進群が部分群として含まれている。この並進群の具体化(幾何学的表現)が結晶格子である。結晶格子を格子点のまわりの対称性(点群)で分類すると、
- <math>\bar{1}</math>(三斜格子)
- <math>2/m</math>(単斜格子)
- <math>mmm</math>(斜方格子)
- <math>4/mmm</math>(正方格子)
- <math>\bar{3}m</math>(三方格子)
- <math>6/mmm</math>(六方格子)
- <math>m3m</math>(立方格子)
の7種類になる。一般に結晶構造の点群は、その結晶構造がもつ結晶格子の点群よりも高い対称性をもつことはできない。したがって結晶構造の対称性を記述する32種類の結晶点群を、その結晶点群が部分群として含まれるような格子の点群の中で位数が最小なものに帰属させることができる。このような分類が結晶系(けっしょうけい、テンプレート:Lang-en-short[1])である。
各結晶系で最も対称性の高い点群は格子の点群で、これを完面像ともいう。7つの晶系の名称は格子の名称と同じである.