災害医療

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災害医療(さいがいいりょう)は、大規模災害地震火災津波など)等により、対応する側の医療能力を上回るほど多数の医療対象者が発生した時に行われる医療を指していう。

医療体制、及び避難場所の準備、食料支援の確保、PTSDのケア、ボランティアの組織、災害派遣医療チームの連携などのすべてを包括して言われるものである。

災害と医療

ここでの災害とは単に天災のみならず、故意(テロリズム)または過失によるCBRNE災害(爆発・化学汚染・放射能汚染、或いは新型感染症)など、傷病者が多数発生し、病院の通常の診療体制では対応できない事案を意味する[1]

災害時に必要とされる医療体制は、災害の種類により異なる。例えば外傷患者の多数出る事案に於いては、麻酔科医・各種外科医及び手術室集中治療室スタッフを総動員できる体制を24時間以上に渡り維持しなくてはならない[2]。また、災害時に於いては、医療施設や医療スタッフ・救助スタッフ自身が被災することも想定しなくてはならない[3]

関連施設

  • 基幹災害医療センター:原則都道府県に一つ
  • 地域災害医療センター:原則二次医療圏に一つ

いずれもドクターヘリの離着陸場所と平時からの医薬品の備蓄が必要とされている。

参考文献

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外部リンク

関連書籍

  • 稲継裕昭編著 『大規模災害に強い自治体間連携 ― 現場からの報告と提言』 早稲田大学出版部〈早稲田大学ブックレット<「震災後」に考える>〉、2012年。ISBN 9784657123046

関連項目

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  1. CDC Emergency Preparedness & Response Site - アメリカ疾病予防管理センターの災害対策ページ
  2. Einav S, Aharonson-Daniel L, Weissman C, Freund HR, Peleg K; Israel Trauma Group. "In-hospital resource utilization during multiple casualty incidents." Ann Surg. 2006 Apr;243(4):533-40. PMID 16552206
  3. Okie S. "Dr. Pou and the hurricane--implications for patient care during disasters." NEJM. 2008 Jan 3;358(1):1-5. No abstract available. PMID 18172168 - ハリケーン・カトリーナの事例から、医療者は自身の避難を遅らせてまで診療に当たるべきか、或いはそうでなければ、放置されれば死ぬ患者に安楽死を行うことは是か非かを問うている