桜谷軽便鉄道
桜谷軽便鉄道(さくらだにけいべんてつどう、櫻谷輕便鐵道)は、、大阪府北摂(豊能)にある個人所有の庭園鉄道である。
ここに書かれる情報は原則非公式情報のため、詳細は公式ホームページを参照されたい。
目次
概要
大阪府豊能郡豊能町に所在する、個人の趣味で敷設された15インチゲージの庭園鉄道である。
法規上の鉄道ではなく、個人で運行されている。名称はかつて存在した桜谷鉱山にちなむ。
路線
軌道線(廃線)
1998年5月5日に開通したオーナー宅内の環状線である。家屋と塀の間のきわめて狭い空間で車両を走行させるために、馬面の車両を走行させていた。後述の南山線での走行が主になったため2004年ごろから休止状態となっていた。2008年7月現在、軌道がすべて撤去されているものの、庭の一部に剛体架線が残されているのが確認できる。
南山線
2001年8月10日に開通した全長約150メートル、風の峠駅と桜谷駅を約2分で結ぶ、鉄アレイ型の環状線で、側線などの一部を除き電化されており、路線の一部は複線化されている[1]。毎月第1日曜日の13:00 - 15:00には運転会が開かれている[2]。 車両を運転するにはオーナーが発行する免許証が必要である。これを取得するには運転会当日に実施される免許試験に合格する必要がある。運転会中に整理券を配り、体験運転として免許所有のスタッフと一緒に1周を運転体験も実施することもある。
下部軌道
南山線の下にある、61号人車と28号資材台車(シートで保護され、動かすことはできない)だけが置いてある線路で動力車はなく、誰でも自由に人車に乗ったり、人車を押したりして遊ぶことができる。
南山線の駅
風の峠
風の峠駅は南山線の中心駅で2面2線の駅である。駅の奥には車庫があり、多数の車両が止まっている。また、作業場のほか、出札口がホーム奥にあり、記念乗車券の配布などに使用される。なお、トロリーポール車のモハ1408は2番線へしか入線ができない。
桜谷
桜谷駅は1面2線(うち1線は留置線となっており、車両が留置されている)のホームであり、0キロポストが設置されていたことから桜谷軽便鉄道の起点の駅である。桜谷駅構内には何度か配線変更されてきたが、現在はホームに面する2線と1線の留置線、1線の待避線(この待避線は本線上にありSLが蒸気圧を上げるために待避する事が多い。)普段は閉鎖されている桜谷駅舎が運転会時のみ開放されている。ただし、運転会中にこの駅での乗降は原則として行っていない。
車両
現在在籍している車両
- 電車
- モハ1408
- 10番電車
- 客車
- 300系客車(301・302)
- 茶色い二軸の客車である。2001年12月製造(301)、2002年2月製造(302)。南山線開通後初めての南山線規格(軌道線規格より20mmほど広い)車両である。出入り口は進行方向左側にしかない。
- 201号客車(二代)
- 2008年7月製造。本来下部軌道用に作られたが、完成度の高さから南山線に在籍している。現在は桜谷軽便鉄道外で保管されている。(未確認情報)
- ホハ150
- オレンジ色の客車である。2004年7月製造。桜谷軽便鉄道で最大定員数(8人)を誇る客車で、製造当初はデキ12に準じた茶色一色であったが、10番電車の登場時に同車に連結して運用するため、10番電車に準じた塗装(庄内交通をモデルにしたオレンジの車体に白の窓枠という塗装。ただし、屋根は茶色のまま)となっている。製造時のモデルは草軽電鉄ホハ30形。
- ホハ7
- 緑色の客車である。2010年1月製造。201(一代)に次ぐデッキ付客車である。
- 機関車
- デキ3(電気機関車)
- デキ12(電気機関車)
- 茶色い機関車である。2004年1月製造。南山線電化とともに登場した機関車。普段は風の峠駅の裏にある0番車庫に留置されている。草軽電鉄デキ12形がモデル。
- 8号(蒸気機関車)
- 2000年11月製造。桜谷軽便鉄道で運行されているSL列車のSL(蒸気機関車)。本物の石炭で走行するこの車両は実は中に5インチゲージのミニSLが組み込まれている。子供のみならず、大人達からも人気を得ている。普段は2番車庫に留置されている。
- 2号(バッテリー機関車)
- 1997年5月製造。構内移動用の機関車であり、黄色と黒の警戒色である。鉱山鉄道の機関車がモデル。普段の運転会では利用されることは少ない。
- 7号(バッテリー機関車)
- その他の車両
- キハ3(ガソリン動車)
- 赤いディーゼルカーである。2003年2月製造。体験運転や免許試験などで多く活躍した。3番車庫右の車庫線に留置されている。しかし、2012年7月にトラブルが発生して以降は運用されず、モーターの一部や制御器部分が外されるなど、事実上の休車となっている。尾小屋鉄道キハ3がモデル。
- キハD11(ガソリン動車)
- 青いディーゼルカーである。2012年7月製造。桜谷軽便鉄道の中で最大の車体を持つ。静岡鉄道がキハD13がモデル。
- ホト71(貨車)
- 2004年11月製造。貨車であるが、乗客を乗せて走ることもある。草軽電鉄ホト110形がモデル。
- 16号台車
- 1996年7月製造。荷物運搬用の台車で、営業運転で使われることは無い。冬場、桜谷駅からのマキ運びに活躍したが、近年あまり使用されていない。
- 28号資材台車
- 1995年8月製造。現在、桜谷軽便鉄道に在籍している最古の車両。人車の廃車を受けて下部軌道へ移動したが、61号人車が登場したため、現在は下部軌道にて留置されている。
- 61号人車
- 2009年2月製造。下部軌道に走っていた人車(車号無し)の老朽化に伴う置き換えで新造された客車で、いつでも下部軌道で自由に動かせる。
廃車された、または寄贈された車両
- 電車
- デハ6
- 1999年10月製造。花巻電鉄軌道線用車両がモデル。両運転台車。進行方向側運転台を撤去した上で、2011年3月寄贈
- 客車
- 101号客車(寄贈)
- 1998年10月製造、2009年9月寄贈。桜谷初の旅客用車両。
- 201号客車(初代 廃車)
- デッキつきの客車で子供に人気が高かったものの老朽化や定員数の問題などで廃車された。台車はホト71に流用。沼尻鉄道の車両がモデル。
- 機関車
- DD11 9(ガソリン動車、寄贈)
- 2010年8月製造、2012年2月寄贈。キハ3に次ぐガソリン動車であり、長編成を牽引するために製造された。現在は他社線に譲渡されている。国鉄DD11形がモデル。
- B5ガソリン機関車(寄贈)
- 2002年5月製造、2005年2月寄贈。
- 5号電気機関車(廃車)
- 1999年5月製造、廃車時期不明。B5ガソリン機関車・モハ1408に部品流用。
- 4号ガソリン機関車(寄贈)
- 1998年10月製造、2005年2月寄贈。
- 1号バッテリー機関車(廃車)
- 1996年11月製造、廃車時期不明。桜谷軽便鉄道最初の動力車。
- その他の車両
- 3号バッテリー動車(寄贈)
- 1997年12月製造、2000年1月寄贈。車両の一部をデハ6へ流用。
- 20号鉱車(廃車)
- 1997年7月製造、廃車時期不明。
- 10号鉱車(寄贈)
- 1996年7月製造、2008年6月寄贈。
- 人車(車号なし、廃車)
- 1998年6月製造、廃車時期不明。
桜谷まつり
1998年5月5日に軌道線が開通したことにちなんだ催しで、毎年5月5日には通常の運転会のほかに、停車位置を競う「ピッタリ止めようコンテスト」などのイベントが行われる。なお、通常の運転会も第1日曜日に開催されるため、5月は2回運転会があることになる。また、5月5日が日曜日の場合は違う日に振り替え運転会が行われる。
免許制度
桜谷軽便鉄道には以下の免許制度がある(2012年2月に改正)[3]。 詳細・最新の情報に関しては、必ず公式ホームページなどで確認を行ってください。
- 1日免許(スタッフ添乗時限定)
- 初めて試験を受ける場合は、すべてこの免許になる。講習修了で免許証が発行される。
- この免許を取得すると、スタッフが後ろについているときに限り、列車を運転できる。
- 受講資格は特にないが、スタッフの指示通りに機器を操作できることが条件である(推奨年齢6才以上)。有効期限はその運転会限り。
- 1日免許(限定解除)
- この免許を取得すると、列車を一人で運転できる。講習と実技試験がある。
- 受講・受験するには、1日免許(スタッフ添乗時限定)の取得が必要となる。年齢制限はないが、線路形状・信号機などをすべて覚える必要があるため、難易度はやや高い。
- 本免許証発行までの仮免許であるため、有効期限はその運転会限りである。
- またこの試験に合格できなかった場合でもスタッフ添乗時限定免許が発行される。
- 本免許
- 1日免許(限定解除)取得者に発行される。有効期限は1年間。
いずれの免許も運転会当日の昼11時より受付を開始する。受験・免許発行などの費用は不要。ただし、受験・受講は先着5名まで。
脚注
外部リンク
- ↑ [桜谷軽便鉄道 南山線のしおり、リーフレット、2012年]
- ↑ 桜谷軽便鉄道 月例運転会
- ↑ [免許試験と免許証の取り扱いについて、リーフレット、桜谷軽便鉄道青年スタッフ制作、2012年]