最高情報責任者
最高情報責任者(さいこうじょうほうせきにんしゃ、テンプレート:Lang-en-us)とは、アメリカ合衆国内の法人などにおいて、情報や情報技術に関する上位の役員のことである。情報担当役員や英称の略称であるCIO(シー・アイ・オー)などとも呼ばれる。
概要
経営戦略に沿った情報戦略やIT投資計画の策定などに責任を持つ。情報システム部門の責任者を兼ねるケースも多い。職務上の報告先は最高経営責任者(CEO)であることが多いが、最高財務責任者(CFO)に報告することもある。また、軍組織では指揮官に報告する。以前は設けられることが比較的少なかった役職であったが、情報社会の進展にともなって、企業などで積極的に設けられるようになった。
CIOに関連した明確な資格はないが、CIOを務めるうえでは、情報科学、ソフトウェアエンジニアリングなどの知識が必要になる。経営に関する知識・理解やIT投資予算管理のノウハウ、経営幹部や他のメンバーとのコミュニケーション能力・リーダーシップなども必須である。CIOの役目は、情報だけではなく知識も扱う範囲とするCKOへと拡張されることもある。
日本での事例
日本で設けられている同等の役職としては、「情報担当取締役」や「情報担当理事」などがある。なお、現在の日本では法的にCIOを定義する法律は存在しない。
個人情報保護法や頻発する情報漏洩事件に対して、企業における個人情報管理の責任者として機能する。日本版SOX法に準拠した内部統制を構築・運用するうえで中核的な役割を担うことになる。そのため、今後は多くの設置が見込まれる。
日本企業では、専任のCIOが置かれる企業は多くなく、財務担当役員や経営企画担当役員などが情報担当役員を兼ねるケースが多い。情報システム部門でプログラマーやシステムエンジニアを務めた人物が昇格してCIOに就任するケースもある。
【ITpro】の「CIO登場[1]」に日本企業CIOの一覧が掲載されている。
日本政府の動向
日本の政府機関では、2000年の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)令によって、経済産業省や総務省など全中央府省が、CIOやCIO補佐官を設置。「各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議」が2002年11月から定期的に行われている[2]。2012年8月には、初代の政府情報化統括責任者にリコージャパン前会長の遠藤紘一を任命した[3]。2013年5月31日には、内閣法が改正され内閣官房に内閣情報通信政策監が設置され、政府CIOに法律上の根拠が付与された。同年6月4日、初代内閣情報通信政策監に遠藤紘一が任命された[4]。
地方自治体である都道府県・市町村も、CIOやCIO補佐官を設置している場合があり、担当官らにより都道府県CIOフォーラムが結成されている[5]。
学校教育現場でも、教育の情報化を推進するため、学校区レベルで責任をもつ教育CIO、各学校レベルで責任を持つ学校CIOの設置も進められている[6]。
脚注
関連項目
外部リンク
学会
書籍・雑誌