暫定予算
暫定予算(ざんていよさん)とは年度開始までに本予算が成立しない場合に、本予算の成立までの空白期間をつなぐために組んだ予算のこと[1]。
解説
予算編成が遅れたり、議会審議が長引いたりして本予算が会計年度の開始前に成立しない場合に組まれることが多い。10日間から2ヶ月程度の短期間での予算であり、新規事業費などを盛り込まず、経常的経費と公共事業の継続案件など必要最小限の予算に限られることが多い。議会の承認を受けて、暫定予算が成立する。
その後で本予算が成立すると、暫定予算は本予算に吸収される。
国は財政法第30条により必要に応じて暫定予算を編成することができる。なお、当初予算又は暫定予算が年度開始前までに成立しなかった場合は現行法では全く想定されていない。日本国憲法下でこのような予算空白という事態は1週間以内ではあるが20回近く発生している[2]。ちなみに、大日本帝国憲法では第71条で本予算が年度開始前までに成立しなかった場合には前年度の予算がそのまま新年度予算として執行される規定があったため、暫定予算が生まれる余地が存在しなかった。
地方自治体は地方自治法第218条により本予算が年度開始前までに成立しなかった場合や地方公共団体の分置廃合があった場合など必要に応じて暫定予算を編成することができる、地方公共団体の首長は特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるときには、専決処分で暫定予算を成立させることができる。
日本放送協会の予算は放送法により国会の承認を受ける必要があるが、国会の承認が獲られない場合は総務大臣の認可によって3ヶ月以内の暫定予算を施行することができる。
アメリカ合衆国では当初予算や暫定予算が成立しない場合は、政府閉鎖という事態が発生する。
脚注
参考文献
- 平成24年度一般会計歳入歳出暫定予算概算2012年3月29日(財務省)(PDFファイル)
- 平成24年度総務省所管暫定予算(案)の概要2012年3月29日(総務省)(PDFファイル)