春華堂
テンプレート:Infobox 有限会社春華堂(しゅんかどう)は、静岡県浜松市中区にある菓子製造会社である。静岡を代表するお菓子であるうなぎパイの発売元で知られる。地元ではうなぎパイ以外にも和菓子・洋菓子も取り扱う老舗菓子店としても知られる。
歴史
静岡県藤枝市の茶屋の息子に生まれた山崎芳蔵が、浜松で開業した和菓子店。開業当初の主力は「甘納豆」。これは浜松の名産品であった浜納豆をヒントに独学で開発したと言われる。戦後、息子である山崎幸一の代になると新たな創作菓子「知也保(ちゃぼ)」を売り出した。同品は卵型の意匠をもった最中で、菓子としては珍しい実用新案を取得したり、文化人 武者小路実篤がその評価を和歌で読むなど高い評価も得た。
しかし同社はそれに甘んじることなく、常に新しいお菓子の創作を求めた。そして浜松らしいお菓子をと考案したのがうなぎパイである。うなぎパイの躍進はまさしくうなぎのぼりであり、それと共に同社は日本の高度経済成長期と相まって全国にその名を知られるようになる。昭和61年に幸一の長男である山崎泰弘が社長就任。
小会社であるうなぎパイ本舗において、同市西区見学コースも設置したうなぎパイファクトリーを運営。
同社のCMソングは 小椋佳が手がけていることでも知られる。これは同社の主取引銀行がみずほ銀行(旧第一勧業銀行)であり、 小椋が当時浜松支店長をしていた際の縁と言われている。
平成26年にむけ、同市内の浜北区にある「きらりタウン」へ工場移転を発表している。
沿革
- 1887年(明治20年) - 初代山崎芳蔵が露天式のお店をはじめ、白花豆の甘納豆を独自で売り出し人気を得る
- 1889年(明治22年) - 東海道線開通と同時に、浜松に店舗をかまえる
- 1941年(昭和16年) - 2代目 山崎 幸一がタマゴからヒントを得てタマゴ型最中「知也保(ちゃぼ)」を創作。実用新案を取得し話題となる
- 1949年(昭和24年)12月 - 浜松市鍛冶町三丁目(現在の浜松市中区鍛冶町)に設立
- 1961年(昭和36年)9月 - うなぎパイを発売
- 1966年(昭和41年)9月 - 浜松市(現在の浜松市中区)神田町に、株式会社うなぎパイ本舗を設立
- 1970年(昭和45年)1月 - 昭和44年に開通した東名高速道路を記念しうなぎパイナッツ入り発売
- 1988年(昭和63年)12月 - 創業100周年事業として駅前ビル竣工(6階建)1階にて駅前ビル店営業開始
- 1993年(平成5年)1月 - うなぎパイミニ発売
- 1993年(平成5年)4月 - 真夜中のお菓子うなぎパイVSOP発売
- 2001年(平成13年)1月 - 浜松市神田町に、洋菓子工場を設置
- 2002年(平成14年)4月 - 浜松市鍛冶町の本店を改装
- 2007年(平成19年)11月 - 佐藤店を営業開始
- 2009年(平成21年)6月 - 佐鳴湖パークタウン店を改装する
- 2011年(平成23年) - 「浜名湖名産・夜のお菓子うなぎパイ」誕生50周年イベントを開催
- 2014年(平成26年) - 同市内浜北区「きらりタウン」へ工場移転予定
主な製品
うなぎパイは現在4種発売されている
- 夜のお菓子うなぎパイ
- 夜のお菓子うなぎパイナッツ入
- 夜のお菓子うなぎパイミニ
- 真夜中のお菓子うなぎパイVSOP
など
本社・工場
直営店
- 本店 - 静岡県浜松市中区鍛冶町321-10 - 登記の本社所在地に売店のみ経営している
- 駅前ビル店 - 静岡県浜松市中区鍛冶町2-12 - 創業100周年で竣工したビル内にある。ジェラートを製造販売している
- 本社工場売店 - 静岡県浜松市中区神田町553 - 本社工場内にある売店
- 佐鳴湖パークタウン店 - 静岡県浜松市中区富塚町1928-8
- 佐藤店 - 静岡県浜松市中区佐藤二丁目35-23
- うなぎパイファクトリー - 静岡県浜松市中区大久保町748-51 - 工場見学ができる
- nicoe(ニコエ) - 静岡県浜松市浜北区染地台6丁目7-11 -
関連企業
株式会社うなぎパイ本舗(浜松市中区神田町552)
うなぎパイ誕生50周年事業
うなぎパイが、平成 2011年(平成23年)に生誕50周年を迎えたことを記念し様々なイベントを行なった。
主なイベントは以下のとおり
- 1月 周年記念CMを放送開始 - CMソングとして小椋佳作曲作詞の「うなぎのじゅもん」。主演にタレント逢沢りなを起用
- 4月 記念制作ドラマ誰よりも君を愛す!放映 - テレビ静岡制作・フジテレビ系列放映。CMも特別なものを制作。同作品に出演した 春風亭昇太が浜松名所を紹介するミニ番組風であった。
- 7月 記念 落語イベント開催 - 4月のドラマ設定あった浜松での落語会を実際に開催。 春風亭昇太ほか
- 8月 キャラバンイベント - 「うなぎパイトラック」と名付けたPRカーで、関東から関西圏まででイベントを開催。翌年にこの収益の一部を活用したイベントを 東北地方太平洋沖地震被災地で行なった。