教育漢字
テンプレート:独自研究 教育漢字(きょういくかんじ)は、小学校6年間のうちに学習することが文部科学省によって定められている漢字の総称。現在は1006字。具体的には小学校学習指導要領の付録にある学年別漢字配当表によって、小学校の学年別に学習する漢字が定められている。一般には「教育漢字」と呼ばれることが多いが、日本漢字能力検定協会では一貫して「学習漢字」と呼んでいる。また、文部科学省ではいずれの呼称も用いていない。
学年別漢字配当表にある漢字は、読みについては当該学年で、書きについては次の学年までに学ぶことになっている。
常用漢字の中でも特に使用頻度が高いと思われる字が収められている。しかし、最後に手が加えられたのは1989年であり、現在の日常ではあまり用いられない「汽、俵、穀、蚕」のような漢字も含まれている一方、逆に広く用いられている「俺、誰、彼、僕」などは含まれていない。
歴史
教育漢字が最初に記載されたのは、漢字制限により1946年(昭和21年)、漢字を廃止するための当面の漢字としての当用漢字表公布後の1948年(昭和23年)に公布された『当用漢字別表』である(収載字数881字)。1958年(昭和33年)、『筆順指導のてびき』が公布され、教育の混乱をなくし便宜を図るために『当用漢字別表』の基本的な筆順を定めた。
その後、1968年(昭和43年)に備考漢字(備考欄)を新たに設け、115字が追加された。これは正式な教育漢字としては扱われなかった。これが1977年(昭和52年)の改定で正式に教育漢字に昇格し、同時にそれまでの配当漢字の対象学年の変更も大幅に行われ合計996字となった。
1989年(平成元年)に再度以下のように改定され、現在の1006字となった。
豆、皿、梅、松、桜、枝、札、箱、笛、束、昔、巣、夢、飼、並、暮、誕、激、装、盛(追加。計20字)
壱、弐、歓、勧、兼、釈、需、称、是、俗(削除。計10字)
ほかに60字の配当学年の変更があった。
交ぜ書き
それまで熟語として用いられてきた語の中には、熟語を構成する漢字に「教育漢字に含まれる漢字」と「含まれない漢字」が混在するものが多数存在する。これらの熟語では、含まれている部分だけを漢字で書き、残りを平仮名で書く、いわゆる交ぜ書きが行われることになる(例:かん境(←環境)、かの女(←彼女))。特に中学入試では小学校では習わない漢字まで用いなければならない問題(日本史や政治家の人名、地名、時事問題など)も数多く出題されることと、漫画など一般の書籍では漢字の使用がほとんど制限されていないため、これらを解消すべく学年別漢字配当表を廃止すべきだとの意見テンプレート:誰も少なくない。