広島電鉄白島線
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白島線(はくしません)は、広島電鉄が保有する軌道路線である。八丁堀と白島を結ぶ、全長1.2kmの路線で、全線が広島県広島市中区内を走行する。広島電鉄の創業路線の一つ。
概要
本線などと同じく開業当時からある路線だが、長らく市内線では唯一他路線との直通運転を行っていなかった。創業から101年後の2013年、江波電停までの直通運転が開始された。
ワンマン運転やPASPYが先行(試行)導入された路線でもある。総延長も短いことから、運賃は白島線のみ乗車の場合に限り大人110円・小児50円となっている(本線と跨って乗車する場合は通常の大人160円・小児80円)。
終点の白島電停とアストラムラインの白島駅は1km程離れている。2007年には広島商工会議所から路線の廃止が提言された[1]。しかし、この提言に対して広島市は「是非とも存続すべきである」という意思表明をしており、広島電鉄も「市の意向どおりに対応して参ります」と表明している[2]。
路線データ
運行形態
9号線のみが運行される。基本的には八丁堀 - 白島の線内折り返し運行だが、2013年2月15日から江波(江波線) - 八丁堀 - 白島間で直通運転が7往復(休日は6往復)行われている。
江波 - 白島間の直通運転のうち日中の4往復には超低床連接車の1000形が運用に就き、それ以外の朝晩の便については単車の900形・1900形が使用される。後者の運用は白島線内で折り返し運転する車両の江波車庫から白島線への送り込みと、営業運転終了後の白島線から江波車庫への回送を、そのまま営業運転化したものである。直通運転便では専用の方向幕も用意されたが、対応している単車が2013年4月時点ではこの2形式のみのため、白島線内の折り返し運転もこの単車2形式のみに限られている。
2008年の白島線のPASPY利用開始からしばらくの間は700形の705号と713号が頻繁に使用されており、当時の日中運転では700形1両と900形または1900形1両の計2両、または2両とも700形であることもあった。これは、江波車庫の車両でPASPYリーダーが取り付けられていたのは705号と713号のほか、912号、913号、1913号、1915号のみであったため、全在籍車両がPASPY対応するまではこれらの6両に限定して運用入りしていた。また、PASPY機器対応後の運用試験も兼ねて2009年2月9日から3月1日までの間の平日朝ラッシュ時運用には、江波車庫所属の700形と800形の各車両が日替わりに運用に就いていた。
1980年代後半から2000年代半ばまで、春夏は100形が、秋冬は200形が休日に運用されていた。現在は、8号線の横川駅 - 江波間で同様のことが行われている。
歴史
- 1912年(大正元年)11月23日 八丁堀 - 白島間が開業。以前は京口門前つまり広島城の旧外堀を埋め立てて整備された道の上を通る路線だった。
- 1940年(昭和15年)4月 他路線に先駆けてビューゲルの導入が行われる。
- 1945年(昭和20年)8月6日 広島市への原子爆弾投下より全線不通になる。
- 1952年(昭和27年)3月 白島線復旧。現在の路線の形になる。
- 1969年(昭和44年) 広電の他路線に先駆けて900形にてワンマンカー運用を開始。
- 2008年(平成20年)3月1日 広電電車の他路線に先立って『PASPY』(IC乗車カード)を導入。同時にJR西日本『ICOCA』での乗車が可能となった(並びに、以来営業運転では使用されなかった700形が使用されるようになる)。
- 2013年(平成25年)2月15日 超低床連接車1000形投入。9号線の一部の電車が本線・江波線経由で江波まで乗り入れを開始。
電停一覧
番号 | 電停名 | 駅間キロ | 営業キロ | 系統 | 接続路線 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
W1 | 八丁堀 | - | 0.0 | 30px | 30px | 30px | 30px | 広島電鉄:本線 |
W2 | 女学院前 | 0.5 | 0.5 | 30px | ||||
W3 | 縮景園前 | 0.2 | 0.7 | 30px | ||||
W4 | 家庭裁判所前 | 0.3 | 1.0 | 30px | ||||
W5 | 白島 | 0.2 | 1.2 | 30px |
関連項目
脚注
外部リンク
- 白島線
- 『大広島市街地図 : 番地入』1940年(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)1940年時の路線図。電停表記
- ↑ 広電白島線、突然の廃止案に波紋 asahi.com 2007年6月21日。
- ↑ 「白島線廃止」に市は否定的 『中国新聞』2007年6月27日。