川崎のぼる

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox 漫画家 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 川崎 のぼる(かわさき のぼる、男性、1941年1月28日 - )は、日本漫画家大阪府大阪市出身。本名、川崎伸。血液型O型。代表作は『巨人の星』(原作:梶原一騎)、『いなかっぺ大将』、『てんとう虫の歌』他多数。

2024年現在、熊本県絵本作家として活動を行っている。

来歴

少年時代は、両親の出身地の長崎県に疎開していた。貧困の中、中学卒業後、1957年に『乱闘・炎の剣』(単行本)でデビュー。

さいとうたかをのアシスタントを経て貸本漫画界で活躍。1965年週刊少年サンデー連載『アタック拳』で一般漫画誌に活躍の舞台を移す。 その後、週刊少年マガジンに連載した梶原一騎原作の『巨人の星』が大ヒットし国民的知名度を得た。

2003年熊本県菊池郡菊陽町へ移住。以後、熊本県関連のポスター・キャラクターデザインや絵本執筆を中心に活動を行なっており、2010年には熊本県阿蘇市観光PR用キャラクターゆるキャラ)『五岳君』と『火の子ちゃん』のデザインを手掛けた。

人物

作画は写実的で肉体的なタッチだがデフォルメも適度に混ざり、作風も劇画からギャグまで幅広い。『巨人の星』などでは、主要キャラクターは劇画風で、子供やアナウンサー記者、観客など「その他大勢」的な人物の顔はギャグ漫画風に描かれ、例えば『いなかっぺ大将』の「西一(にしはじめ)」に似た顔もあり、それらが違和感なくおさまっている。

大きな動物は身体がリアルで顔は擬人化している。しかし、ニャンコ先生のような小猫、小犬は相当デフォルメされている。人物の手の筋肉や骨骼の描写は細かく、身体との比率から見て実際より手(手の甲)が大きく見えることもあり、コマ内では手の描写を多用することで、人物の心の動きや内側を描き出している。また、ゴジラのような怪獣(『風のサンタ』に登場)やヒグマ(『ムツゴロウが征く』に登場)などの描写では、リアリズムとギャグを描き分けるテクニックは確かである。

『いなかっぺ大将』では、風大左エ門は掲載当初、星飛雄馬のような二枚目顔が基本だったが、早い時期からアニメでおなじみのギャグ顔に移行していった。この作品は本来、風大左エ門の「柔道漫画」という側面もあったが、川崎の『アニマル1』頃からのギャグ的才能が開花し、次第にギャグ漫画へと移行していった。僚友のビッグ錠は、これを見て「やっこさん、始めよったな」とほくそえんだという。

『巨人の星』の作画を週刊少年マガジンの編集者から依頼された際には、働きづめでは野球にはほとんど興味が無く友達との草野球の経験もないという理由で一度は断っているがアニメ化もされ巨人ファンでない子供にも人気があり、草野球で「大リーグボール」を投げようとする子供などが続出した。後に川崎本人は熱狂的な阪神ファンとなっている。

『巨人の星』を「週刊少年マガジン」に、『いなかっぺ大将』を小学館学年誌全般に掛け持ちで執筆していた頃は、1週間に2度ほどしかまともに眠ることはなかったという。締め切りは頑として守る主義であったため、当時の担当編集者も文句が挟めない状態だったらしい。これは間を置かず『てんとう虫の歌』の時期にも受け継がれたため、病床に伏したこともあった。よって、当時の川崎原作のアニメもほとんど観ることはなかったとのこと[1]

絵が緻密になったのは梶原一騎との仕事ののちと認識され、それ以前は馬場のぼるなどにも影響された瓢々としたタッチの漫画を主流としていた。少女漫画も手がけたことがある。

作品リスト

漫画

絵本

  • 岩石おばさんとホー 猫の火祭り(原作:福田章)- 2007年刊行
  • ひょっこりじぞう(原作:日高史人) - 2011年刊行
    • 水俣市制60周年を記念して原作を募集した「みなまた環境絵本」の第1弾[2]

その他

受賞歴


アシスタント

関連人物

出典

  1. てんとう虫コミックスライブラリー版『てんとう虫の歌』(2)巻末インタビューより
  2. 水俣市制作の環境絵本「ひょっこりじぞう」完成 - 熊本日日新聞 2011年3月27日閲覧

テンプレート:巨人の星