富山地方鉄道不二越線
|} 不二越線(ふじこしせん)は、富山県富山市の稲荷町駅と南富山駅とを結ぶ富山地方鉄道の鉄道路線。「不二越」は、沿線に本社・工場がある工作機械メーカーの名称である。
路線データ
運行形態
全列車が各駅停車で、本線の電鉄富山駅から発着している。上滝線とは一体の路線として運用されており、「不二越・上滝線」と呼称される。
列車はすべて電鉄富山駅 - 岩峅寺駅間の通し列車のみで、途中駅を始発・終着となる区間列車は無い。なお、電鉄富山駅からは立山線経由の岩峅寺行きも発着しているため、列車の方向幕や電鉄富山駅の行先案内板の備考欄には立山線系統の岩峅寺行きは「寺田経由」、不二越・上滝線系統の岩峅寺行きには「南富山経由」と付加されている。
上滝線と同じく、路線規格の都合から、20m級車体の16010形は入線できなかったが、2011年12月23日から「アルプスエキスプレス」で同形が入線するようになった。
歴史
テンプレート:See also 現在の不二越線の区間は富山軽便鉄道[1]の手によって開業したものである。富山軽便鉄道は、後の笹津線に当たる区間も開業させていた(笹津線は1933年に一旦廃止、戦後富山地鉄によって復活するも1975年に再度廃止)。
1914年(大正3年)12月6日に富山駅(現在の電鉄富山駅) - 笹津駅間17.6kmが開業した。しかし、国鉄高山本線の開業により業績が悪化し、政府の補償(773,150円)[2]を受けて1933年(昭和8年)4月20日に富山鉄道は解散、堀川新駅(現在の南富山駅) - 笹津駅間は廃止となった。残る富山駅 - 堀川新駅間は富山市街地の東淵を走り、沿線の工場からの貨物輸送や富山県営鉄道(現在の上滝線)との連絡線として好調であったことから、新設の富南鉄道に譲渡された。
1937年(昭和12年)、富南鉄道は県東部の交通統合を睨んで設立された富山電気鉄道の傘下に入り、1941年(昭和16年)には正式に合併した。1943年(昭和18年)1月1日の交通大統合により富山地方鉄道となった。
年表
- 1913年(大正2年)3月6日 富山軽便鉄道に対し鉄道免許状下付(国有鉄道富山停車場-上新川郡大沢野村間)[3]。
- 1914年(大正3年)12月6日 富山軽便鉄道により富山駅 - 笹津駅間が開業[4]。
- 1915年(大正4年)10月24日 富山軽便鉄道が富山鉄道に改称。
- 1921年(大正10年)3月30日 堀川新駅を南富山駅に改称。
- 1933年(昭和8年)4月20日 富山鉄道解散、南富山駅 - 笹津駅間は廃止[5][6]、富山駅 - 南富山駅間は富南鉄道に譲渡[7]。
- 1941年(昭和16年)12月1日 富山電気鉄道に路線を譲渡。
- 1943年(昭和18年)
- 1952年(昭和27年)9月26日 大泉駅開業。
- 1958年(昭和33年)4月12日 山室駅を不二越駅に改称。
駅一覧
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 接続路線 | 線路 |
---|---|---|---|---|
稲荷町駅 | - | 0.0 | 富山地方鉄道:本線(全列車電鉄富山方面直通) | ∨ |
不二越駅 | 1.0 | 1.0 | | | |
大泉駅 | 1.2 | 2.2 | | | |
南富山駅 | 1.1 | 3.3 | 富山地方鉄道:上滝線(全列車直通)、富山市内軌道線(南富山駅前駅) | ◇ |
過去の接続路線
- 不二越駅:富山地方鉄道富山市内軌道線(山室線)
- 南富山駅:富山地方鉄道笹津線
脚注
- ↑ 『日本全国諸会社役員録. 第23回』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 「富山鉄道株式会社所属鉄道中堀川新笹津間経営廃止ニ対スル補償ノ為公債発行ニ関スル法律」『官報』1933年3月30日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1913年3月10日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1914年12月14日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「鉄道営業廃止許可」『官報』1933年3月16日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「鉄道営業廃止」『官報』1933年5月4日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 4月12日許可「鉄道譲渡許可」『官報』1933年4月14日(国立国会図書館デジタルコレクション)