宮本昌孝
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宮本昌孝(みやもと まさたか、1955年9月11日 - )は日本の時代小説作家、SF作家。日本SF作家クラブ会員。骨太な作風でありながら、にじみでるユーモアに特徴がある。静岡県浜松市出身。
経歴
日本大学芸術学部在学中から作家を志す。1980年に卒業後、アニメ脚本家、漫画原作者などに従事し、一時期は手塚プロダクション、すがやみつる事務所に所属していた。
手塚プロでは鉄腕アトム (アニメ第2作)の文芸進行担当の助手していた。アニメ脚本としては「スプーンおばさん」「じゃりン子チエ」等にたずさわる。すがやみつる事務所ではすがやと「共同の漫画原作」(宮本がシナリオ原作を執筆し、すがやがネーム原作に仕上げる)も担当していた。
田中光二が早川書房からヒロイックファンタジーのシリーズを出すことを企画していたが自分で書く時間がとれないことから豊田有恒に相談したところ、宮本が紹介された。SFは書けないと二の足を踏んでいたが、田中にヒロイックファンタジーは架空の世界で剣と魔法が出てくる物語であり、時代劇の主人公をカタカナの名前にすれば良いとアドバイスを受け執筆した作品『失われしものタリオン1 漂流の美剣』(原作田中光二、ハヤカワ文庫JA、1987年)で本格的に作家デビューをはたす。
タイムスリップという古典的なSFテーマを時代小説の筆致で書ききった『もしかして時代劇』がターニングポイントとなり、以後は時代小説、歴史小説の分野を中心に作品を発表。斎藤道三の若き日を描く『ふたり道三』、痛快チャンバラ小説『剣豪将軍義輝』などを発表。現在も精力的に活躍中である。
NHK大河ドラマのファンであり、大河ドラマを回顧する文章「私、大河ドラマの味方です」を著したこともある。
作品
- 「失われしものタリオン」シリーズ(ハヤカワ文庫JA)
- 全盲、聾唖の戦士タリオンを描くヒロイックファンタジー。当初田中光二原案、7巻より単独作扱い。未完。
- 漂流の美剣 1987
- 神々の剣法 1987
- 破邪復活剣 1987
- 妖魔の末裔 1988
- 往きて、乱 1988
- 不死者の首 1988
- 閉ざされた眼 1989
- 王者の父 1989
- 悲曲果つ 1990
- 逃走戦線 1991
- 地の底から 1991
- 『もしかして時代劇』ハヤカワ文庫JA 1988
- みならい忍法帖シリーズ 角川スニーカー文庫 のち集英社文庫
- 伊賀路に吼える鬼婆 みならい忍法帖 1989
- 東京RPG みならい忍法帖 1990
- 集英社文庫版は「みならい忍法帖 入門編」「みならい忍法帖 応用編」に改題
- 『旗本花咲男』ハヤカワ文庫JA、1991 のちベスト時代文庫
- 『剣豪将軍義輝』徳間ノベルス、1994 のち文庫
- 『こんぴら樽』講談社、1995 「春風仇討行」文庫
- 『夕立太平記』講談社 1996 のち文庫
- 『尼首二十万石』講談社 1997 のち文庫
- 『青嵐の馬』文藝春秋、1998 のち文庫
- 『北斗の銃弾』講談社 1998 のち文庫
- 『影十手活殺帖』講談社 1999 のち文庫
- 『藩校早春賦』集英社 1999 のち文庫
- 『将軍の星 義輝異聞』徳間書店 2000 のち文庫
- 『陣借り平助』祥伝社 2000 のち文庫
- 『ふたり道三』新潮社、2002-03 のち文庫、徳間文庫
- 『夏雲あがれ』集英社 2002 のち文庫
- 2007年、NHKでテレビドラマ化。
- 『風魔』祥伝社 2006 のち文庫
- 『おねだり女房 影十手活殺帖』講談社 2007 のち文庫
- 『海王』徳間書店 2009 のち文庫
- 『天空の陣風(はやて)』祥伝社 2010
- 『家康、死す』講談社 2010
- 『陣星、翔ける』祥伝社 2011
共著
- マルコ・ポーロの大りょこう 石津嵐 朝日ソノラマ, 1979.6
出典
- 作家の読書道3 (本の雑誌社 2010年5月11日) ISBN 978-4860112042