天野郁夫
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テンプレート:BLP unsourced 天野 郁夫(あまの いくお、1936年1月7日 - )は、日本の教育学者。専門は教育社会学。東京大学名誉教授。元日本学術会議会員。元日本教育社会学会会長。元日本高等教育学会会長(初代)。2004年から2010年まで神戸大学経営協議会学外委員、2006年から2012年まで一橋大学経営協議会学外委員。横浜国立大学経営協議会委員、京都大学外部評価委員、九州大学外部評価委員等も歴任した。
人物
神奈川県足柄下郡真鶴町の魚屋の父、助産婦の母の下に、5人兄弟の次男として生まれる。1958年一橋大学卒業後富士通に約1年勤務。1959年同社を退職、高校教師を志し東京大学教育学部3年に編入し清水義弘に師事。菊池城司(大阪大学名誉教授)は東京大学の同期。
教育制度・教育政策などが日本社会にとって持つ意味などを研究。『試験の社会史』でサントリー学芸賞を受賞。
社会学者の天野正子(お茶の水女子大学名誉教授)は妻。政治学者の天野拓(熊本県立大学准教授)は長男。
学歴
- 1948年 相洋中学校入学
- 1951年 神奈川県立小田原高等学校入学
- 1958年 一橋大学経済学部(山中篤太郎ゼミ)卒業
- 1961年 東京大学教育学部教育学科教育社会学コース卒業
- 1963年 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了
- 1966年 東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学
- 1990年9月 東京大学教育学博士 論文の題は「近代日本高等教育研究」[1]。
職歴
- 1958年 富士通信機製造株式会社(現富士通株式会社)勤務(1959年まで)
- 1966年 国立教育研究所教育計画研究室研究員
- 1971年 名古屋大学教育学部助教授(比較教育学担当)
- 1979年 東京大学教育学部教育社会学研究室助教授
- 1984年 東京大学教育学部教授(94年 - 95年 教育学部長・大学院教育学研究科長)
- 1996年 東京大学定年退官、東京大学名誉教授
- 1996年 国立学校財務センター研究部教授
- 2000年 国立学校財務センター研究部長
- 2004年 独立行政法人国立大学財務・経営センター研究部長(2006年まで)
社会的活動
- 文部科学省国立大学法人評価委員会第1期専門委員(国立大学法人分科会分属)
主な単著
- 『試験の社会史』(1983年、東京大学出版会→2007年、増補版 平凡社ライブラリー)
- 『高等教育の日本的構造』(1986年、玉川大学出版部)
- 『大学 試練の時代』(1988年、東京大学出版会)
- 『近代日本高等教育研究』(1989年、玉川大学出版部)
- 『学歴の社会史』(1992年、新潮選書→2005年、平凡社ライブラリー)
- 『大学 変革の時代』(1994年、東京大学出版会)
- 『日本の教育システム』(1996年、東京大学出版会)
- 『教育と近代化 日本の経験』(1997年、玉川大学出版部)
- 『大学に教育革命を』(1997年、東信堂)
- 『大学 挑戦の時代』(1999年、東京大学出版会)
- 『大学改革のゆくえ』(2001年、玉川大学出版部)
- 『日本の高等教育システム』(2003年、東京大学出版会)
- 『教育と選抜の社会史』(2006年、ちくま学芸文庫)
- 『国立大学・法人化の行方 自立と格差のはざまで』(2008年、東信堂)
- 『大学の誕生 上 帝国大学の時代』(2009年5月、中公新書)
- 『大学の誕生 下 大学への挑戦』(2009年6月、中公新書)
- The Origins of Japanese Credentialism (Melbourne: Trans Pacific Press, 2011)
- 『高等教育の時代 上 戦間期日本の大学』(2013年3月、中公叢書)
- 『高等教育の時代 下 大衆化大学の原像』(2013年3月、中公叢書)
受賞
- サントリー学芸賞(『試験の社会史』)、1984年
学会活動等
- 1997年 日本教育社会学会理事
- 1997年 日本高等教育学会理事(-2001年)
参考
- 『人事興信録』1995年
脚注
- ↑ 博士論文書誌データベース