国税専門官

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テンプレート:出典の明記 国税専門官こくぜいせんもんかん)とは、税務署国税局及び国税庁において、税務行政を執行する国家公務員のうち、大学卒業程度採用(国家II種相当)に当たる職員を指す[1]

職種

国税専門官は、所得税法人税相続税などの直接中央税(直接国税)及び消費税酒税などの間接中央税(間接国税)について、(1)納税者から提出された確定申告書などに基づき、申告、納税が適正に行われたか調査する国税調査官、(2)滞納された税金を徴収する国税徴収官、(3)裁判所からの令状に基づき強制的に調査を行い、不正が発見され次第、検察官に脱税犯として告発する国税査察官の3種類からなる。

処遇等

国税専門官は国税専門官採用試験に合格後、各国税局に財務事務官(財務省職員)として採用され、税務大学校和光校舎(埼玉県和光市)において約3ヶ月間の専門官基礎研修を受講する。基礎研修では税法、会計学等、税務職員として必要な知識、教養及び技能等を学習する。専門官基礎研修修了後は各税務署に配属され、調査及び滞納処分等の事務に従事する。

その後、約3年間の実務経験を経て、再び税務大学校和光校舎において約7ヶ月間の専科研修を受講し、税法及び会計学などを受講する。専科研修税理士法に定める指定研修であり、試験に合格しないと税理士試験の免除は受けられない。

専科研修修了後、再び各税務署に配属、採用後3年10ヵ月を経て主任クラスにあたる国税調査官・徴収官等の肩書きが与えられる。大卒程度の採用ではあるが、昇進は最上位でも国税局のごく一部の部長ポストか次長、もしくは大規模署の署長止まりである。税務署課長クラス(国税局では課長補佐級に該当)へのポスト発令は、第1選抜の発令を時期で比較すれば国税専門官採用者の方が高卒採用者よりも1歳早いが、それ以降の昇進に差異はない。高卒採用であっても試験選抜により本科研修を受けた者は大卒程度と同等の処遇とされ、これらの職員の処遇が進んでいるためである。

通常ほぼ35歳 - 40歳(国税専門官の場合、採用後概ね11 - 15年)のうちに全員が上席国税調査(徴収)官(国税局係長・税務署課長補佐クラス)にはなるが、過去に懲戒処分を受けていたり、病気・その他指導力が著しく欠ける者などが調査官・徴収官のまま据え置かれるケースが稀に存在する。上席は管理職ではなく昇進試験を受ける必要もないが、若手職員や部下を指導育成するベテラン職員としての職責が求められる位置づけにあるからである。

税務職員(税務職)は職務の専門性や職務遂行の困難性を理由に、一般公務員(行政職)に比べて1割近く高い給料が適用されているというメリットもある。

経緯

そもそも国税の職場において、キャリアの国家I種採用者と高卒程度の税務職員採用者のノンキャリアの中間準キャリアの待遇として当初発足したものだが、労働組合国税労働組合総連合」(国税労組)は試験に猛烈に反発し、国税専門官1期から10期までは組合の参加も拒否し、税務署に配属された国税専門官試験採用者に「帰れ」とピケを張って迫害を加えた歴史がある。現在は、そうした状況は改善し、国税専門官採用者も国税労組に加入できる様になった。最近は国税専門官採用者の割合が高くなり、こういったことはほぼなくなっている。

脚注

  1. 国税専門官とは別に、いわゆるキャリア組と言われる、国家I種試験で採用されて財務省や国税庁に配属される職員と、高等学校卒業・税務職員試験で採用された職員が1年間の普通科研修を受けた後、約1年の実務経験を経て、再度3ヵ月間の研修を受けた後、税務署に配属される職員もいる。

関連項目