名古屋市立菊里高等学校
名古屋市立菊里高等学校(なごやしりつ きくざとこうとうがっこう)は、愛知県名古屋市千種区星が丘元町に所在する市立高等学校。
目次
概要
名古屋市立第一高等女学校を前身とし、戦後の学制改革・高校統合によって男女共学校となり、現在に至る。星ヶ丘校舎への移転によって、千種区内では唯一の公立の普通科設置校となっている。音楽科は全国的にも知られる。[1]
東山地区の丘陵地に立地し、周囲は自然(東山公園)に恵まれている。また、最寄り駅である地下鉄東山線星ヶ丘駅(徒歩5分)周辺は名古屋市東部の中心街のひとつであり、星ヶ丘三越、星が丘テラスなどの大規模商業施設や椙山女学園大学が立地するなど華やかな周辺環境となっている。
「菊里」という校名は、1962年(昭和37年)までの所在地であった「名古屋市中区菊里町」(現在の中区新栄3丁目)に由来する。
なお、本校はNHK名古屋放送局制作のテレビドラマ「中学生日記」に登場する「梅里高校」(うめざとこうこう)のモデルとされる。[2]
沿革
- 1896年(明治29年) - 愛知県名古屋高等女学校として創立。
- 1912年 - 名古屋市立第一高等女学校と改名。
- 1948年(昭和23年)4月 - 学制改革により名古屋市立第一高等学校となる。
- 1948年(昭和23年)10月 - 高校統合により名古屋市立第二商業高等学校(旧第二商業学校)と合併、名古屋市立菊里高等学校となる。普通・商業の2科に商業科(夜間)を併設。
- 1949年(昭和24年)4月 - 高校三原則に則り、小学区制、総合制(普通科・商業科・家庭科)の男女共学となる。
- 1949年(昭和24年)5月 - 音楽科新設。
- 1950年(昭和25年) - 定時制課程(夜間)に普通科新設。
- 1951年(昭和26年) - 校歌制定。
- 1952年(昭和27年) - 家庭科の募集停止。
- 1954年(昭和29年) - 全日制課程商業科の募集停止。
- 1956年(昭和31年) - 小学区制が廃止され大学区制となる。
- 1962年(昭和37年)4月 - 定時制課程商業科の募集停止。
- 1962年(昭和37年)9月 - 全日制課程が現在の星ヶ丘校舎に移転。
- 1966年(昭和41年) - 菊友館(体育館兼講堂)竣工。
- 1971年(昭和46年) - 定時制課程が名古屋市立錦高等学校として独立。
- 1973年(昭和48年) - 学校群制度による第1期生入学。千種高校と名古屋1群、市立向陽高校と名古屋15群を組む。
- 1989年 - 複合選抜入試制度による第1期生入学。普通科は尾張1群Bグループ、音楽科は専門学科Bグループに属する。
- 1995年(平成7年)6月 - 創立100周年記念式典。
- 1995年(平成7年)8月 - 運動場全面改修。
- 1999年(平成11年) - 音楽科創立五十周年記念行事。
- 2003年(平成15年) - 第2体育館(サブアリーナ・プール)完成。
- 2009年(平成21年) - 耐震補強工事終了。
教育目標
- 市民社会の有為な一員として必要な資質を養う。
- 一般的教養を高めるとともに個性の伸長をはかり、自主的学習態度を育て基礎学力の充実に努める。
- 社会について理解を深め、健全な批判力を養うとともに自他の敬愛と協力によって、文化の創造と国家社会の発展に寄与するよう努力させる。
校歌
吉澤義則(京都大学名誉教授)作詞、下総皖一(東京藝術大学教授)作曲による特徴的な旋律を持つ校歌であり、公式ホームページで音楽科合奏団による演奏を鑑賞することができる。
校舎・施設・設備
校舎には普通教室棟、特別教室棟、音楽科棟などの棟があるが、普通教室棟と特別教室棟の間は独特のピロティ構造になっており、ピロティ部分にある教室は「ピロティ教室」と呼ばれる。教室の多くは窓は北向きに、南側の廊下はベランダ状になっているところが多い。また、平成18年度(2006年度)に全普通教室にも空調設備が新たに完備された。ほかにも校舎の間にある中庭には、柱の上に様々な色をした球状のものが乗っているモニュメントが何十本も造られている。
学習指導・進路
普通科は、33単位、1時限65分の授業が一日あたり5時限の編成で行われている。 ほぼすべての生徒が四年制大学への進学を希望し、毎年約200名前後の生徒が国公立大学へ進学する(過年度生含む)。
学校行事
菊里祭
学校祭。毎年9月に4日間に渡って開催される。体育祭・前夜祭・文化祭(校内発表)・文化祭(一般公開)・後夜祭。
弥生祭
3年生卒業後の毎年3月に行われる。芸術鑑賞会、文化系の部活動の展示発表等。
定期演奏会
毎年10月の第一土曜日に音楽科の生徒による演奏会が開かれる。 成績優秀者によるソロやアンサンブルの発表があり、最後は合奏、合唱専攻生徒の演奏で締め括られる。
部活動
- 理科部 - AITサイエンス大賞最優秀賞(2004年)、優秀賞(2007年)
- 箏曲部
- 愛知県高等学校総合文化祭優秀賞(2001年〜2011年)
- 全国高等学校総合文化祭日本音楽部門優良賞(2009年)
- 全国高等学校総合文化祭日本音楽部門文部科学大臣賞(2010年)
- 愛知県教育文化奨励賞(2011年)
著名な卒業生
- 合田周平 - システム工学、電気通信大学名誉教授
- 青木継稔 - 医学者(小児科学)、東邦大学名誉学長
- 芦原伸 - 紀行作家
- 天野鎮雄 - 俳優、ラジオパーソナリティ
- 家田愛子 - 法学者、札幌学院大学教授
- 石田和之 - ジャイアンツアカデミーコーチ、元東京大学野球部助監督
- 石田雄太 - スポーツジャーナリスト
- 伊藤渉 - 衆議院議員
- 今井夏木 - TBSテレビプロデューサー
- 岩間玄 - 日本テレビプロデューサー
- 大熊英司 - テレビ朝日アナウンサー
- 大澤徹訓 - 作曲家
- 大橋勇雄 - 労働経済学、一橋大学名誉教授
- 大和田獏 - 俳優、司会者
- 岡本晃充 - 生命工学、東京大学大学院教授
- 片岡祐介 - パーカッショニスト
- 加藤泰子 - 元中京テレビアナウンサー
- 河合優子 - ピアニスト
- 桐生郁子 - 元CBCアナウンサー
- 小林仁 - ピアニスト、東京藝術大学名誉教授
- 斎藤嘉隆 - 参議院議員
- 七里圭 - 映画監督
- 高井信 - 作家
- 竹澤さだめ - 肢体不自由児療育事業、整形外科医
- 立花家千橘 (4代目) - 落語家
- 柘植恵水 - NHKアナウンサー
- 都築忠彦 - 日本テレビプロデューサー
- 寺澤敏行 - NHKアナウンサー
- 寺本義也 - 経営組織論、元早稲田大学大学院教授
- 戸塚宏 - 戸塚ヨットスクール経営者
- 早川尚男 - 物理学、京都大学基礎物理学研究所教授
- 平山素子 - コンテンポラリー・ダンサー、 振付家
- 細野由華 - タレント
- 堀内功太郎 - 建築家
- 三浦洋一 - ピアニスト
- 室町鐘緒 - 三和銀行頭取
- 森ミドリ - 音楽家
- 山崎聡子 - 東海ラジオアナウンサー
- 横井久美子 - フォークシンガー、シンガーソングライター
- 吉田和史 - 宮古テレビアナウンサー
- 渡辺健二 - ピアニスト、東京藝術大学教授
交通
関連書籍
- 「ファーストガールズスクール - 旧制名古屋市立第一高等女学校「外伝」」(大野一英、中日出版)ISBN 9784885190407
脚注
- ↑ 静岡新聞 - 浜松学芸高100年の歩み 第2章 「校史編」 県内初の音楽科誕生 『桐朋、上野学園、菊里、東京芸大などの名門を訪ね歩いて施設設備を見学。』 2011年1月8日閲覧
- ↑ 鈴木貴博 - プロデューサーに学ぶアイデアを現実にする力 第6回 公務員プロデューサーが世界的科学者の種を蒔く(NEC Wisdom) 2009年09月29日 2014年4月14日閲覧