二塁手

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テンプレート:野球ポジション画像 二塁手(にるいしゅ、テンプレート:Lang-en-short)は、野球ソフトボールにおける内野手の一つ。守備番号は4。英略字は2B2nd Basemanから)。日本ではセカンドとも呼ばれる。

概要

捕手・遊撃手・中堅手とともにセンターラインを形成し、守備の軸を担う。内野では遊撃手と並んで、高い守備技術が要求されるポジションである。

一・二塁間を中心に、遊撃手と連携して投手の後方を守り、状況に応じて中堅手の手前から一塁後方までカバーするため守備範囲は広い。打球への反応力・判断力とともに、俊足を備えていることが望ましい。守備位置が一塁に近いことから肩の強さは遊撃手三塁手に比べ重視されないが、外野からの中継プレーに関与するため弱肩では務まらない。また、併殺プレイで一塁に送球する際にはベースカバーに入る方向と送球の方向が逆になるため、バランスを崩さない体幹の強さが求められる。処理する打球も強烈なライナーやテキサスヒットのような弱いフライ、不規則なバウンドをするゴロなどバラエティに富む。

打球処理以外にも、一塁走者の盗塁企図や併殺プレイにおける二塁のベースカバーバントの時の一塁ベースカバー、外野からの返球の中継など役割は多岐にわたり、高度な判断力が求められる。併殺プレイをはじめとして遊撃手との連携も欠かせない。さらに内野の全体を見渡せる位置にいることから、他の内野手に送球先を指示したり、捕手からのサインを外野手に伝達するなど司令塔の役割を担うことも多い。

少年野球や中学野球レベルまでは打球の飛んでくる頻度が少なく、遊撃手よりも重視されないポジションであることも多いが、高校野球やプロレベルになってくると左打者の増加や打者の右打ち技術の向上から重要性が高くなり、守備の非常に優れた選手が起用されるようになってくる。プロ野球やメジャーリーグにおけるレギュラークラスの二塁手・遊撃手のレンジファクターはおおむね4〜5であり、両者のアウトへの関与はあわせて1試合の1/3にも及ぶ。このことから、日本のみならずメジャーリーグでも守備型の選手が多い[1]

守備力が優先されるが故、一般にクリーンアップを打つような打力のある二塁手は少なく、殊にシーズンを通じて4番打者を務められるような打者となると日本プロ野球においては、ジョン・シピン(大洋時代)、ボビー・マルカーノ(ヤクルト阪急)、落合博満(ロッテ時代)、小久保裕紀(ダイエー時代)、ロバート・ローズ(横浜時代)らが挙げられる程度である。落合、小久保などは、より守備力の高い他の選手が二塁手に定着したり、より負担の少ない守備位置のレギュラーに空きができたことによって早々にコンバートされており、生涯に渡って4番打者を打ちながら二塁手を務めた選手となると、その数はさらに限られる。

脚注

  1. しかし近年メジャーリーグでは、アルフォンソ・ソリアーノロビンソン・カノダン・アグラアーロン・ヒルなど攻撃型の二塁手も出てきている。

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