国際自動車連盟
テンプレート:Infobox 組織 国際自動車連盟(こくさいじどうしゃれんめい、テンプレート:Lang-fr)は、世界各国の自動車団体により構成される非営利の国際機関。略称はFIA。本部はフランスのパリにある。2009年以降の会長はジャン・トッド。
目次
歴史
前身は1904年に設立された国際自動車公認クラブ協会(Association Internationale des Automobile Clubs Reconnus : AIACR)。1947年にFIAへ改組された。会長は任期4年で、FIA総会(FIA General Assembly)の投票により選出される。
活動
活動の趣旨は、世界各国の自動車団体(自動車連盟や自動車クラブ)とその登録会員(オーナードライバー)の権益を代表し、国際的な振興を目指すことである。世界125カ国、213の自動車団体が加盟し、総会員数は1億人を超える[1]。国際運転免許証発行の便宜を図るほか、自動車の安全確保や環境保護のための様々な啓蒙活動も行っており、2001年にはそのための下部組織としてFIA Foundationを設立した。これらの業務の決定機関が、移動と自動車の世界評議会(World Council for Mobility & Automibile)である。
また、世界中の四輪モータースポーツの統轄機関という役割をもち、競技ルール(スポーティング・レギュレーション)や技術規定(テクニカル・レギュレーション)の制定、レース記録の公認、競技施設の安全性監督、ドライバーへのライセンス発行など多岐の業務を行う。世界選手権、国際選手権、国内選手権などのカテゴリーを設け、フォーミュラ1世界選手権、世界ラリー選手権、世界ツーリングカー選手権など多くのレースイベントを主催している。
このモータースポーツ部門は、1922年に設立された下部組織、国際スポーツ委員会 (Commission Sportive Internationale, CSI) が担当していたが、1978年、CSIは国際自動車スポーツ連盟 (Fédération Internationale du Sport Automobile, FISA) に改編された。FISAはF1の運営を巡りF1コンストラクター協会と激しい抗争に及んだが、1981年に合意したコンコルド協定を基に共同運営を行うことになった。1993年、FISAはFIAに吸収され、その役割は世界モータースポーツ評議会 (World Motor Sport Council) が務めることになる。F1に関するレギュレーション決定は下部組織のひとつ、F1委員会 (Formula One Commission) で行われる。
関連団体
これらから独立して、FIA管轄事項に関する紛争解決を図る国際控訴裁判所 (International Court of Appeal) が設けられている。
FIAが指定する各国の管轄団体をASN(Authority Sport Nationale、全国スポーツ当局)といい、通常一国一団体、例外的に複数団体が公認されその国での運営を行う。
日本
FIAの日本における加盟公認組織は日本自動車連盟(JAF)である。つまり日本のASNは日本自動車連盟である。
アメリカ
FIAのアメリカ合衆国における加盟公認組織はアメリカ自動車協会(AAA)である。つまりアメリカのASNはアメリカ自動車協会である。
ドイツ
FIAのドイツにおける加盟公認組織はドイツ自動車連盟(ADAC)である。つまりドイツのASNはドイツ自動車連盟である。
組織
- FIA総会 FIA General Assembly
- FIA会長 FIA President
- 副会長(移動と自動車) Deputy President(Mobility&Automobile)
- 移動と自動車の世界評議会 World Council for Mobility&Automibile
- 移動と自動車の委員会 Mobility&Automibile Commissions
- 移動と自動車の世界評議会 World Council for Mobility&Automibile
- 副会長(スポーツ)Deputy President(Sport)
- 世界モータースポーツ評議会 World Motor Sport Council
- スポーツ委員会 Sporting Commission
- 世界モータースポーツ評議会 World Motor Sport Council
- 副会長(移動と自動車) Deputy President(Mobility&Automobile)
- FIA会長 FIA President
- FIA評議員会 FIA Senate
- 国際控訴裁判所 International Court of Appeal
- 事務局 Secretariat
歴代会長
会長名(国籍) | 期間 |
---|---|
テンプレート:Flagicon ジュアン・ド・ロアン=シャボー(Jehan de Rohan-Chabot)(フランス) | 1946年–1958年 |
テンプレート:Flagicon アドラン・ド・リドケルク・ボーフォール(Hadelin de Liedekerke Beaufort)(フランス) | 1958年–1963年 |
テンプレート:Flagicon フィリッポ・カラッチオーロ・ディ・カスタニェート(Filippo Caracciolo di Castagneto)(イタリア) | 1963年–1965年 |
テンプレート:Flagicon ウィルフリッド・アンドリューズ(Wilfrid Andrews)(イギリス) | 1965年–1971年 |
テンプレート:Flagicon アモーリー・ド・メロード(Amaury de Merode)(ベルギー) | 1971年–1975年 |
テンプレート:Flagicon パウル・アルフォンス・フォン・メッテルニヒ=ヴィンネブルク(Paul Alfons von Metternich-Winneburg)(ドイツ) | 1975年–1985年 |
テンプレート:Flagicon ジャン=マリー・バレストル(Jean-Marie Balestre)(フランス) | 1985年–1993年 |
テンプレート:Flagicon マックス・モズレー(Max Mosley)(イギリス) | 1993年–2009年 |
テンプレート:Flagicon ジャン・トッド(Jean Todt)(フランス) | 2009年– |
主催競技
世界選手権
- FIA フォーミュラ1世界選手権(F1) - FIA Formula One World Championship
- FIA 世界ラリー選手権(WRC) - FIA World Rally Championship
- プロダクションカー世界ラリー選手権 - Production World Rally Championship
- S2000世界ラリー選手権 - Super 2000 World Rally Championship
- FIA 世界ツーリングカー選手権(WTCC) - FIA World Touring Car Championship
- FIA 世界耐久選手権(WEC) - FIA World Endurance Championship
- FIA 世界ラリークロス選手権(World RX) - FIA World Rallycross Championship
国際、地域選手権
- FIA GT3ヨーロッパ選手権 - FIA GT3 European Championship
- CIK-FIA 世界カート選手権 - CIK-FIA Karting World Championship
- FIA F3インターナショナルトロフィー - FIA Formula 3 International Trophy
- FIA ヨーロッパツーリングカーカップ - FIA European Touring Car Cup
- FIA ヨーロッパトラックレース選手権 - FIA European Truck Racing Championship
- FIA クロスカントリーラリーワールドカップ - FIA Cross-Country Rally World Cup
- FIA ヨーロッパドラッグレース選手権 - FIA European Drag Racing Championship
- FIA ヨーロッパ選手権 オートクロスドライバーズ - FIA Europian Championship for Autocross Drivers
- FIA ヨーロッパラリークロス選手権 - FIA European Rallycross Championships
- FIA オルタネティブエネルギーカップ - FIA Alternative Energies Cup
- FIA ヨーロッパヒルクライム選手権 - FIA European Hill Climb Championship
- FIA 国際ヒルクライムチャレンジ - FIA International Hill Climb Challenge
- FIA ヨーロッパヒルクライムカップ - FIA European Hill Climb Cup
- FIA ヒストリックラリー選手権 - FIA Historic Rally Championship
- FIA ヒストリックレギュラリティーラリー - FIA Historic Regularity Rallies
- FIA ヒストリックヒルクライム選手権 - FIA Historic Hill Climb Championship
- FIA ヨーロッパラリーカップ - FIA European Rally Cups
- FIA 中東ラリー選手権 - FIA Middle-East Rally Championship
- FIA アフリカラリー選手権 - FIA African Rally Championship
- FIA アジアパシフィックラリー選手権 - FIA Asia-Pacific Rally Championship
- FIA ヨーロッパラリー選手権 - FIA European Rally Championship
- FIA フォーミュラE選手権 - FIA Formula E Championship
廃止
- FIA F2選手権 - FIA Fromula Two Championship
- FIA F3000国際選手権 - FIA Formula 3000 International Championship -GP2の前身
- FIA スポーツカー世界選手権 - FIA Sportscar World Championship
- FIA ヨーロッパツーリングカー選手権 - FIA Europe Touring Car Championship -世界ツーリングカー選手権の前身
- FIA GT1世界選手権 - FIA GT1 World Championship
車両規定
FIAは、モータースポーツの基本となる車両規定を制定・公布する権利を持つ。車両規定に関しては、車両の形状や生産台数をベースにしてグループをまず規定する。グループに関しては、1980年までは数字(1~9)で分けていたが1981年からはアルファベットによるグループ分けがメインになっている。グループの下に排気量によるクラス若しくはディビジョン(Div)が設定される。
1970年代
- グループ1(G1)
- 連続する12ヶ月に5000台以上生産された4座の車。ツーリングカーが対象
- グループ2(G2)
- グループ1(G1)の車に装備の追加を行って公認を取得したマシン。規定台数500台(台数の違う資料もある)
- グループ3(G3)
- 連続する12ヶ月に5000台以上生産された2座の車。グランドツーリングカーが対象。
- グループ4(G4)
- グループ3(G3)の車に装備の追加を行って公認を取得したマシン。連続する24ヶ月に規定台数400台(当初500台であったが400台に変更される)。
- グループ5(G5)
- 当初は、2座席オープントップのプロトタイプレーシングカー。参加車の減少により1976年から市販車ベースに大幅な改造を加えたシルエットフォーミュラに変更。シルエットフォーミュラは、ルーフ形状のみ量産車のパーツを使用すればシャーシをパイプフレームやアルミモノコックで新規に製造することが可能。但しエンジンのマウント位置の変更と、サスペンションの基本構造は、市販車のままで、ストラット→Wウィシュボーンなどの変更は不可。
- グループ6(G6)
- 当初は、2座席クローズドボディのプロトタイプレーシングカー。グループ4(G4)のGTの試作モデルという位置づけで最低生産台数の規定があった。1976年のG5のシルエットフォーミュラの変更に伴い旧G5の2座席オープントップのプロトタイプレーシングカーに規定変更となった。
- グループ7(G7)
- 排気量無制限の2座席オープントップのプロトタイプレーシングカー。主としてアメリカのカナディアン-アメリカン・チャレンジカップ用のマシン。
- グループ8(G8)
- FIAが認定し、FIA選手権がかかったシングルシーター・オープンホイールのフォーミュラカー。カテゴリーとしては、F1・F2・F3の3種類。
- グループ9(G9)
- グループ8(G8)以外のシングルシーター・オープンホイールのフォーミュラカー。規定上通称フォーミュラーリブレ(FL)と呼ばれる。選手権としては、使用されるエンジンの排気量を数字で示す場合が多い。エンジン規定がG8に合わない場合もこのグループでの規定でレースが開催された。アメリカのF5000/日本のFJ360・FL550・FJ1300・F2000等のレースが該当する。